・あらすじ
竜哉は、小宮山不動産の社長から話を持ちかけられていた。湾岸再開発の具体的なデータを提示する代わりに小宮山不動産に入社させると。竜哉は折原から、社長が重要なデータが入ったディスクを持っていることを知る。竜哉はそれを盗み出すために、由紀に協力を要請することになる。
その後、竜哉は耕平達陸上部の面々と出くわす。コーチはもはや竜哉に愛想を尽かしていたが、耕平だけが竜哉に詰め寄った。耕平は英子が自宅に戻ったことを伝えたが、竜哉はあくまで「俺には関係ない」と白を切るばかり。
そんな竜哉に耕平は怒鳴りつける。
「お前どこに向かって走っとるかや! (由紀を指して)あの子かや? あの子の持ってるもんかや? 車? 金? 地位? 権力? そんなもん追っかけてるような奴と、俺はもう一緒に走れん! 一人で走ってればいい」
しかし、竜哉は、「一番後ろを走ってるよりはましだろ」と切り捨てた。
由紀のマンションに戻った竜哉は、由紀にヨットの写真を見せる。「俺もいつか自分のヨットを手に入れる。もっとでかい奴をね」
由紀はそんな竜哉に感心していた。そして、竜哉は、由紀に社長のディスクを盗んでほしいと頼み込む。あくまで、企画書のデータを盗むために。竜哉はどうしても社長に認めてもらいたかった。由紀と一緒になりたいために。
パスワード探しに苦労したものの、何とかディスクを盗んでデータを見ることに成功した。由紀は「本当にパパの迷惑にならないのね?」と改めて竜哉に念を押したが、竜哉は「大丈夫だよ」と答えた。
竜哉は折原に、ディスクを渡し、早速企画書作成に乗り出す。折原はそのディスクを見てほくそえんでいた。
竜哉は、母・路子を東京に呼び寄せた。外車に乗せて、高級レストランで一緒に食事した。竜哉は、路子に、自分が由紀と付き合っていること、社長に気に入られていることを打ち明けた。竜哉は路子に対しても、仕事を世話してやると言う。ヨットに乗せてあげるとも言った。路子は父の十三回忌のことで竜哉に話をしようとしたが、竜哉は「またその話しかよ」と意にも介さない。そして、窓の外を見下ろして言い放った。
「見てよ。ごま粒みたいな小さな人間たち。誰が誰だかわからないよ。いてもいなくても変わらないような人生。まるで父さんの人生だ。俺はあんなふうにはならない」
「じゃあ、どんな風になりたいかや?」
「え?」
「ヨットや車を乗り回すことが、本当にあんたのやりたいことかや?何の努力もせんで手に入れたって、そんなもん意味もないでしょ?」
「説教なんて聞きたくないよ」
「竜哉、人の生き方どうこういえるほど……」
「勝たなきゃな、生きてたってしょうがないんだよ」
竜哉はそういってレストランを出て行った。
路子は、その後、耕平のアパートへ向かい、耕平と英子に愚痴をこぼしていた。竜哉が自分を見失ってるみたいで心配していた。
小宮山社長と折原が社長室で対峙していた。社長は竜哉からもらったデータを、一発で折原が作ったものだと見抜いていた。そのやり方に感心する社長の前で、折原は企画書を破り捨てた。「明日はもっと面白いことになりますよ」と言って。
翌日、小宮山不動産の前では警察やマスコミがごった返していた。社長が政治家に賄賂を送っていたことが発覚した。
竜哉が社長の机から盗み出したディスクは裏帳簿なのだった。すべては折原が社長を追い落とすために竜哉を利用していたのだった。
すべてを知った由紀は竜哉に怒りをぶつける。
「私をだましたのね?(中略)私と一緒にいたいというのも、あれも嘘だったの? 何とか言ってよ!」
「人を傷つけて楽しい? ねえ、人の不幸がそんなに楽しいわけ? 最低! 竜哉は最低な人間ね」
由紀はそういって去っていった。竜哉は何も言えなかった。
竜哉に詰め寄られる折原は、こういい返した。
「利用して裏切る。お前がやってきたやり方だよ」
「俺はどうなる!」「ただの学生に戻る」そういって竜哉を振り切ろうとした。
なおも食い下がろうとする竜哉に折原は追い討ちをかけるように言った。
「いいかげんにしろ、お前。自分を何様だと思ってるんだ。お前みたいな奴が高く飛べるわけないだろ!!」(竜哉を突き飛ばす)
「翼のない奴は落ちるしかないんだ。 親が自殺した。生活が苦しかった。お前、自分の不幸を嘆いて、いつも誰かのせいにして生きているだけだろ! 逆恨みされたお坊ちゃんお嬢ちゃんに同情するよ」
「お前の生き方は、自殺した親父さんよりみっともないぞ」
そういって折原は去っていった。会社を出た後でも竜哉の頭の中では折原の言葉がぐるぐる回っていた。
その一方で、由紀は慎二になきついた。由紀はすべてを慎二に打ち明けた。由紀は竜哉を信じていたことをひどく後悔していた。
すべてを失った竜哉は元の安アパートに帰り、傷心のあまり、英子に電話を入れる。そして自分の曲の続きを聞かせてほしいと頼んだ。OKした英子は、電話越しに曲を聞かせる。しかし、その途中で竜哉は飛び出した。演奏し終わった後、英子が電話で問い掛けても返事はなかった。
異変を察知した英子は竜哉のアパートに行くが、もはや竜哉の姿はない。ちょうど駆けつけた耕平とともに竜哉の行方を案じていた。
竜哉は海岸を走っていた。父のことを思い出しながら。決してなりたくないと思っていた父を思い出しながら。
そして竜哉は自分のヨットを走らせた。それと同時に英子と耕平も駆けつけたが、もはや竜哉の名を叫ぶことしかできなかった。
しばらくして、遠くへ出たヨットにて竜哉は腰を落ち着かせていた。そのとき、ヨットに忍び込んでいた慎二が現れた。
「どこへ行く気だ。さんざん人を傷つけておいて、自分だけ逃げるつもりかよ!」
そして、慎二は竜哉を押さえつけ何発も殴りつける。
「お前さえいなけりゃ、俺も由紀もずっと幸せでいられたんだ! お前が何もかもめちゃくちゃにしたんだ! お前はどうしようもない最低な人間だよ! 俺たちの前から消えちまえ!」
慎二の言葉に打ちのめされて、血反吐を吐いていた。そして竜哉は一言。「俺は最低だよ」
竜哉はそういって背面向けで海に飛び込んだ。
・感想
はははは、竜哉よざまあ見ろ!
このドラマをずっと見ていたら誰でも予想できただろうから、いまさら胸をはるつもりはないけれど、やっぱり竜哉は折原に利用されていたんだ。何度も言うけど、他人の力を利用することでしか成り上がることのできなかった竜哉、哀れなり。折原の言葉に共感した人が私を含めて数多くいたことだろう。
結局、竜哉は成り上がることに関して何のビジョンを持っていなかったのである。確かに、人がよすぎて破滅した父親への反発はあったのかもしれないが、それでも他人を傷つけてまで成り上がってもいいということにはならないし、自分で努力して成り上がることだって不可能ではないはずだ。
もっとも、こうした竜哉の愚か振りを美化することなくちゃんと描いているし(最終回でどうなるか判らないが)、その辺は好感が持てるところである。
さて、最終回は、今回が怒涛の展開だったためか、何か淡々とした終わり方になりそう。何か、竜哉は鳥取に帰りそうだし、英子が死ぬかどうかも判らないし、ひょっとして今回が最終回でもよかったと思うのは私だけ?
P.S
あ〜疲れた。今回は、この文を書くために、ビデオに録画して台詞をほぼ忠実にトレースしようとしたのだが、こんなに苦労するとは自分でも思わなかった。あまりにも長くなりそうなので、響子がらみの部分はほぼカットしたし、書いていてこんなに疲れるのは久しぶりである。ただでさえ今回は風邪気味で鼻水がよく出るのに。