ついにあのFF11のサービスが開始された。個人的には現在でも複雑な気持ちである。
今まで「映画的な演出」をキーワードにわが道を邁進してきたFF。7で、私にキャラ萌えというのを教えてくれたFF。8で多くのファンのブーイングを浴びながらも、見事にシリーズ最高の売上を記録したFF。その後、9でやたらとオールドファンに迎合する姿勢をとったFF。10でついにシリーズの美学だった自己犠牲を否定したFF。そんなFFが11でネットゲームに進出する。
しかし、今現在に至っても、私はユーザー契約をしていないし、これからもする予定はない(と思う)。
異論はあるだろうけれど、私にとってのFFの魅力は、やはり「イベントを極限にまで魅せる」ということだと思う。感動するしないは別として、ムービーやらその他イベントをとりあえず「見る」ためにFFをプレイしている人は多いだろう。たとえ多くのゲームマニアから批判されようとも「それがどうした」と開き直った姿勢に私は惹かれていた。
そんな私にとって、それまでの路線を放棄してネットゲームに進出したFF11は、裏切りのように思える。単に流行ってるから進出しようという無節操さがみえみえだった。しかも、「ファイナルファンタジー11」と続き番号にすることで無理やりにでも正当なシリーズ作と位置付けようとするところに、スクウェア特有の売らんかな主義が見えて嫌になる。
有名な話だが、スクウェアのネットプロジェクト「プレイオンライン」は、今から2〜3年程前のITバブル全盛の頃に立ち上がったたいそう派手なプロジェクトである。目玉はもちろんFF11だったが、その他の提供コンテンツも豪華だった。少年ジャンプを配信したり、音楽配信をしたり、ナムコやエニックスと組んでネットゲームの開発をしたり……
ITバブル真っ盛りだった当時、このプロジェクトはかなり期待されていた。FF11によって日本のネットゲームが大きく変わるという風潮が生まれた。紙メディアやCDなどのパッケージビジネスが衰退するといわれていた中、少年ジャンプやエイベックス系ヒット曲を配信するという試みは大きなインパクトがあった。
私は、スクウェアのHPアドレスが「playonline.com」になったのを見て、今後はプレイオンラインを本業にして社名も「プレイオンライン株式会社」にするのではないかと内心思ったほどだ。
……そして、2年経った今はどうか。ITバブルはとっくの昔に弾けてしまった。少年ジャンプやエイベックスの音楽配信については何もアナウンスがない。対応ゲームはFF11とテトラマスター(FF9のカードゲームを基にした対戦カードゲーム)のみ。かなり計画がしょぼくなってしまった。まるで、莫大な金をつぎ込んだのはいいもののバブルが弾けて資金回収ができなくなった公共事業みたいだ。そんな背景があるだけに、FF11に対する不信感がどうしても抜けきれない。
しかも、プレイのためにはハードディスクやらモデムやらキーボードやら何かと周辺機器が必要になる。始めからPCでも遊べるようにすべきだった。また、接続料は月1280円(10ドルのつもり?)。 ……プレイ環境を見ただけでも公共事業みたいになりそうで怖い。
何にせよ、もうサービスは始まった。スクウェアには、このサービスが長続きするようにがんばって欲しい。10年後になって、FF1〜21くらいまで発売されているにもかかわらず、FF11だけが遊べないのはあまりにも不細工だ。
……と以上のような雑文を5月15日に書いたのだが、途中で眠くなりアップできなかった。そして、サービス開始から2日ほど経ってみたら……凄いことになっていた。
あまりにもユーザーが多すぎてサーバーがパンクしたためか、FF11へのログインはもちろんのこと、プレイオンラインへの会員登録すらできない状況になっていた。しかも、PS2の品番によってはプレイそのものができなかったり、ウェブマネーのお金を何重にも引き落とされたりと、トラブルも深刻なものばかり。まるでみずほ銀行みたいだ。
2ちゃんねるはもちろんのことサーパラのFF11の掲示板でも、接続できないユーザーの恨み節が蔓延していたのはいうまでもない。無理して買わなくてよかった。
それにしても本当に失敗した公共事業みたいになってしまった。このままスクウェアは日本経済と同じ道をたどるのだろうか。いずれにしても、最初のこのつまづきはでかいぞ。これで一斉にユーザーの信頼が失われたからな。