ギリシアのコインはその重量によって異なる呼び名がありました。その基本はオボロスとそれを六倍した重量のドラクマでさらにそれぞれを数倍したコインがいくつも作られました。しかしその基準となる重量は地域によって異なります。以下にあげるのはアッティカ単位です。

Dekadrachm =10 drachms 43g
Tetradrachm =4 drachms 17.2g
Didrachm(Stater) =2 drachms 8.6g
Drachm =6 obols 4.3g
Tetrobol =4 obols 2.85g
Triobol =3 obols 2.15g
Diobol =2 obols 1.43g
Trihemiobol =1 1/2 obols 1.07g
Obol =1/6 drachm 0.72g
Tritartemorion =3/4 obol 0.54g
Hemiobol =1/2 obol 0.36g
Trihemitartemorion =3/8 obol 0.27g
Tetartemorion =1/4 obol 0.18g
Hemitartemorion =1/8 obol 0.09g

 その基準となるのはステーターと呼ばれるコインで、アッティカの場合8.6gのディドラクマが基準でしたが、後には17.2gのテトラドラクマがステーターとなりました。この基準はアッティカのほか、シチリアの都市の一部、エーゲ海諸島の北部地域で用いられ、アレクサンダー大王以降のマケドニアでも用いられました。

 コリントスのステーターはアッティカと同じ8.6gでしたが、これはディドラクマではなくドラクマの三倍のトリドラクマで、ドラクマは2.9gでした。この基準はコリントスのほか、ギリシアの北西部、イタリアやシチリアの都市で用いられました。

 ギリシア本土でいち早くコインを発行したアイギナも独自の基準を持っていました。そのステーターは12.6gのディドラクマで、ドラクマは6.3gでした。この基準はアイギナのほか、ペロポネソス諸国、中部ギリシア、キュクラデス諸島やクレタ、小アジア南部などエーゲ海地域の南部などで用いられました。

 このほか独自の基準を持っていたのはエウボイアの都市で、16.8gのトリドラクマをステーターとし、エーゲ海北部地域やシチリアにあるエウボイア系の植民都市でも用いられました。

 シチリアでは五世紀の中頃から青銅貨を盛んに発行するようになりますが、その基準はギリシアの基準を用いていた銀貨とはまったく異なるものでした。その基準はリトラ(Litra)と呼ばれるもので、その重量は様々でしたが、どの地域でも12のオンキアイ(Onkiai)に分けられました。このほかヘミリトロン(Hemilitron =6 Onkiai)、ペントンキオン(Pentonkion =5 Onkiai)、テトラス(Tetras =4 Onkiai)、トリアス(Trias =3 Onkiai)、ヘクサス(Hexas =2 Onkiai)が発行されました。