![]() |
![]() |
今日(1998年9月12日)の午後、恒例の次男との品川駅電車見学ツアーの途中、渋谷区神宮前の“表参道・新潟館ネスパス”で開催されている『マンガ・クロニクル〜漫画がとらえた時代のすがた』展を見てまいりましたので、「60年代通信」HOT
TOPICSとして、ご報告させていただきます。
実は、この“ネスパス”というところには、私は、個人的に因縁めいたものがあると申しましょうか、ちょっとした借りがあると言った方がいいかもしれませんが、とにかく、ちょっと以前、接点を持ったことがありました。と申しますのは、昨年だったと思いますが、この“ネスパス”がオープンする際に、私が勤務する旅行関連出版社の編集部にも発表会見の取材依頼があり、私が新潟県の出身であるということで、私の名前で出席の返事を出してあったにも関わらず、抱え込んでいた原稿が終らなかったため、当日になって、欠席の連絡を入れ、「後日、フォローの取材をさせていただきます」と伝えたっきりのまま、今日にいたっておりまして、その罪滅ぼしの意味も込めて、今日は、この『マンガ・クロニクル』の模様を謹んで取材報告させていただこうと思うわけであります。
まず、『マンガ・クロニクル〜漫画がとらえた時代のすがた』と言われても、一体、何のことだろうと思われる方もいらっしゃるのではないかと思いますので、この一風変わった展示の開催趣旨をパンフレットから紹介させていただきます。
![]() |
〜『漫画王国にいがた』が漫画の新しい楽しみ方を提案〜
赤塚不二夫、水島新司、柳沢きみお、聖雄紀、魔夜峰央、叶精作、高橋留美子、小林まこと、近藤ようこ、しげの秀一‥‥。
60年代から今日に至るまで、数多くの人気漫画家を生み出してきた新潟。
そんな新潟県が、漫画の新しい楽しみ方を提案。漫画の中に描かれてきた、生活シーンの変遷をたどっていきます。
例えば食卓。丸いちゃぶ台を家族で囲む60年代。フォークソングが聞こえてきそうな学生アパートの70年代。洋風のダイニングテーブルが定着した80年代。そして、テレビを見ながら一人ディナーの90年代。
当時の生活をリアルにとらえている漫画は、まさに時代の影絵。愛の告白、学校生活、ファッション等々‥‥、身近なテーマをモチーフに、新潟漫画家が描いた名シーンでクロニクル<年代記>を展開します。
![]() |
何故、私が、この『マンガ・クロニクル』という展示を知るに至ったかと申しますと、先日の別宅への荷物運び込みのミニ引っ越しで手伝いに来てくれた元同僚のS君が、この展示の告知記事を貼り付けた葉書を送ってきてくれたからであります。
その葉書に張ってあった9月5日付の朝日新聞(夕刊)の告知記事は、次のように書いています。
「赤塚不二夫や水島新司、柳沢きみお、高橋留美子らを輩出してきた新潟県。そのアンテナショップ「表参道・新潟県ネスパス」(東京・渋谷区神宮前)で、日本の生活の変遷ぶりを、彼らの作品中のシーンでたどる。水島氏のトークショーなども。6日から23日まで」
ということで、要するに、その時代の漫画で使われていた当時の生活の様子などをベースに時代を振り返ってみようというもので、その趣旨は、大いに、この「60年代通信」にも通じるものがあるわけです。
展示の主催は財団法人・ニューにいがた振興機構で、先日、「60年代通信」へのリンクを張っていただいたオンライン・マガジン『nmp』の「マンガの国・日本」を執筆されている評論家の呉智英さんが監修をされています。
さて、またまた、前置きが長くなっておりますので、早速、実際の展示会場の様子に話を移していきましょう。
建物の玄関を入ると、正面に受け付けがあり、この展示のパンフレットや会場案内図などをいただきました。その左手のホールには、新潟県出身の漫画家の名前が書かれたパネルも飾ってあり、そのプレートの数だけで30枚はくだりませんでしたので、私は、改めて、新潟県出身の漫画家の多さに驚いたわけです。
パンフレットに名前が載っていた人たちは、既に上で書かかせていただいておりますが、その他にも、私の出身校である新潟県立長岡高等学校のOBで、「るろうに剣心」がヒットし最近メキメキ売り出してきている和月伸宏さんがいらっしゃいますし、長岡出身ということでは、藤田和子、うたたねひろゆき、桑田乃梨子の各氏などの名前もありました。
![]() |
![]() |
展示会場は、各時代の生活の場面を、「食」「学」「愛」「動」「楽」「装」の6つに分けて、それぞれの時代を象徴する漫画のコマを原画で紹介するコーナーの他、赤塚不二夫、水島新司の両巨匠については、地下の一角に、それぞれの特集展示のコーナーも設けられていました。
そして、日替わりのプログラムなど何も知らずに、品川駅電車ツアーの途中、ほとんど思いつきのように立ち寄っただけの私たち親子でありましたが、何と、今日は、あの水島新司大先生の公開スタジオという企画も実施されており、次男は、恐れ多くもガラス張りのスタジオ内で執筆中の水島大先生をバックに、記念撮影をさせていただくという快挙を成し遂げたのであります(右の画像)。
水島先生は、3人のアシスタントの方々と御一緒に、今月24日発売の『少年チャンピオン』に掲載される「ドカベン〜プロ野球編」を文字通り、わき目もふらずに、懸命に御執筆されておられました。机の上には「水島新司」と書かれた紙製のネームプレートまでおかれ、さながら、上野動物園のパンダか、多摩動物公園のコアラかといった趣きも感じられ、何か、お気の毒な気もしたりしたのでありました。
![]() |
![]() |
さて、地階の展示スペースには、「漫画雑誌タイムマシン」と銘打って、懐かしい60年代や70年代の『少年サンデー』や『少年マガジン』『少女フレンド』などの漫画雑誌が飾られていました。
通常、こうした展示では、この手の雑誌は、傷みも激しいため、ガラスケースの中に入れられたりしているものですが、何と、今回は、テーブルの上に生で置かれている上、「どうぞ御自由にお手にとってご覧下さい」という注意書き(?)まで添えられており、訪れる人々の間に感動の嵐を巻き起こしているのであります。
平成生まれてあるにも関わらず、おかしなオヤジを持ってしまったばかりに、60年代サブカルチャーに異様に詳しいというか、のめり込んでしまっているウチの次男は、天才バカボンが連載されていた当時の『少年マガジン』を手にとって、「あ、バカボンだ!」とか何とか言いながら、大胆にも無造作にパラパラとめくり、周囲をハラハラとさせたりしたのでありました。
さて、個人的に、独断と偏見に基づいて、今回の、この『マンガ・クロニクル〜漫画がとらえた時代のすがた』展のメーンイベントと断言させていただきたいのが、この地階に設けられていた赤塚不二夫コーナーであります。
この赤塚コーナーは、赤塚作品を代表する、ということは、60年代漫画文化を代表する傑出したキャラクター達、すなわち、「チビ太」「イヤミ」「バカボンのパパ」「おまわりさん」「レレレのおじさん」「ア太郎」「ニャロメ」という、7人の侍…、じゃなかった7人の愛すべきキャラクター達について、赤塚不二夫大先生が自ら直筆のコメントを寄せられております(左の画像)。この直筆のコメントが書かれたパネルは、この展示が終了した後、恐らく、新潟県の重要文化財として国宝級の扱いをされることになるのかどうか、私には知る由もありませんが、是非、そうしていただきたいと私は考えるわけであります。
それは、ともかく、この優劣つけがたい7人のキャラクターの中から、特に、私が、個人的に大好きな3人について、赤塚大先生が、どのように直筆のコメントを書かれているかをご紹介させていただき、仕事では到底考えられないほどの素早い処理だけが取り柄の「60年代通信」HOT
TOPICSの結びとさせていただきます。
◇チビ太…どんなめにあっても「平気だい!!」と元気一杯オデンをもって走りまわり、動物を可愛がる性格がなんともボクは好きなのです。
◇ニャロメ …70年安保闘争の真っ只中に生まれたキャラクター。目ン玉つながりのおまわりさんを権力の象徴として描き、学生の象徴としてニャロメを描いた。ニャロメはいつもやられて「ニャロメーッ」と泣くのだ。
◇バカボンのパパ …これはグタグタ言うより、皆さんの方がご存知(存の字は本当はニンベンがついていました)なのだ。これでいいのだ!!
| 参考データ: 『マンガ・クロニクル〜漫画がとらえた時代のすがた』 1998年9月6日(日)〜9月23日(水・祝) ■主催:(財)ニューにいがた振興機構 ■監修:呉智英(評論家) 表参道・新潟館 ネスパス 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-11-7 TEL:03-5771-7711 FAX:03-5771-7712 OPEN AM10:30-PM7:00 |
![]() |
(C)1998 Kiyomi Suzuki