60年代の雑誌

「月刊平凡」1967(昭和42)年7月号&8月号

1967(昭和42)年7月号

 1967(昭和42)年7月号の表紙は加山雄三と恵とも子です。この2人は、1966年9月号に続き2度目で、夏のイメージの強い組み合わせだったのでしょうか。というよりも、加山雄三は、このコーナーの資料が揃ってスタートした1966年7月号以降だけでも、66年9月号と67年1月号の2回、恵とも子も、66年9月号、12月号の2回と、どちらも表紙での露出頻度は極めて高かったわけですので、一緒に登場する機会も高かったというだけのことかもしれません。
 新聞広告の方に目を転じますと、ようやく、と言いましょうか、遂に、と申しましょうか、わがブルーコメッツの名前がいきなり広告の中でも一番大きい文字で初めて出てきました。この1967年7月号が発売されたのは5月26日のことでありまして、この時点で、ジャッキー吉川とブルーコメッツはレコード大賞も受賞することになる最大のヒット曲「ブルーシャトー」が大ヒットしている真っ最中であり、田辺昭知とザ・スパイダースは「太陽の翼」がヒット中という状況でした。企画タイトルは「対決特集〜おしゃれなヤツからモテるヤツまでNo1はだれ?」ということで、この時点で、スパイダースとブルーコメッツがGS2大バンドという構図は、社会的に(?)認知されていたということのようです。すでに、メンバー個々人の人気と注目度もそれなりのものだったらしく、「おしゃれ合戦」のところで、ブルコメは小田啓義と三原綱木、スパイダースは田辺昭知とかまやつひろしの名前が見えております。
 GS2大バンドの登場で、これまでの主役の皆さんは消え去ってしまったのかというと、そんなことはありません。ご覧の通り、御三家の一角である西郷輝彦は広告の中央で大きく顔写真が掲載されており、希望対談の企画の相手は、あの唐草模様の風呂敷きで一世を風靡した東京ぼん太であります。御三家の残り2人は、舟木一夫が木下恵介脚本の名作「その人は昔」の映画公開に先立って誌上封切という企画で登場すれば、橋幸夫も「スターがバッチリ答える…気になる4つのなぜ?」という企画で「ナゼ由美かおるさんとばかり共演するの?」という疑問にお答えになっています。
 この「スターがバッチリ答える…気になる4つのなぜ?」という企画の中では、当時ナベプロ3人娘の中では頭一つ抜け出る人気だった園まりも登場しておりますが、彼女に向けられた疑問は「ナゼ恋人ができない」という情けないものでありました。今に思うと、ナベプロ3人娘というのは、中尾ミエにしても、伊東ゆかりにしても、あまり、浮いた話を聞かない人たちだったという気がします。伊東ゆかりはジャイアンツの柴田選手との噂がありましたが、これは、どちらかとういとプレイボーイとして名高かった柴田側の網に伊東ゆかりが引っかかってしまったという感じで、川崎球場かどこかで、柴田が打席に入ったときに、「あなたが噛んだ小指が痛い…」という大洋ファンが大声で歌うヤジがテレビの中継でもはっきりと聞こえたのを思い出します。
 あとは、当時の芸能界の人間関係を知る参考になる企画として、「ハッスル先輩・フレッシュ後輩」というものがあり、その顔合わせは、三田明&永井秀和、内藤洋子&酒井和歌子、竜雷太&矢吹渡、由美かおる&奈美悦子の4組となっています。
 水前寺清子は「チータにどんとこい!14問」という企画で登場、「27歳までゼッタイ結婚しないワ」と宣言し、その公約を立派に守りきったのでありました。



1967(昭和42)年8月号

 1967(昭和42)年8月号は、元資料の状況が悪く、男性タレントの方は殆どシルエットクイズという趣きで、多分、西郷輝彦ではないかと思われます。三田明、あるいは、森進一という線もありかなという気もしますが、おそらく西郷輝彦で間違いないでしょう。女性タレントの方は、多分、原田糸子だろうと思います。原田糸子というのは知らない人もいると思いますが、前号の7月号で対談している由美かおると奈美悦子、それと金井克子を加えた4人がいたレ・ガールズとかいうグループのメンバーでもあったタレントです。この辺は、すべて西野バレエ団の団員だったと記憶しております。
 新聞広告の方は、舟木一夫の顔写真が大きく掲載され、前号の7月号で誌上封切された「その人は昔」の北海道ロケ・レポートがメイン企画となっています。7月号で新聞広告に初登場したブルーコメッツが続けて出てきておりまして、再びスパイダースとのセット企画「オール・グラフ〜ザ・スパイダース/ブルーコメッツのABC」ということであります。そして、この1967年8月号で、新聞広告では初めてGS(「グループサウンズ」ではなく「グループサウンド」となっていますが、初期の頃は、「サウンズ」ではなく「サウンド」という言い方も頻繁にされていたように記憶しています)という言葉が見出しとなっています。登場するのは、ブルコメ、スパイダースに加えて、ザ・ワイルドワンズ、バニーズ、ザ・タイガースというラインナップです。この時点で、前年、ブル・スパと並んで3大人気バンドという趣もあったザ・サベージは圏外扱いとなってしまっていたようです。
 それから、この号の表紙を飾っていると思われる原田糸子は、由美かおるをフィーチャーしたイメージ小説「レッツゴー!高校レモン娘」という企画で、奈美悦子とともに登場しています。新聞広告の左端に制服姿の3人の写真が掲載されていますが、中央が由美かおる、右が奈美悦子、左が原田糸子だと思います。






「60年代通信」トップページへ 「60年代の雑誌」INDEXページへ

 このページをご覧になって、甦ってきた記憶や確かめたい事実、ご意見・ご感想など、ぜひ「60年代通信」掲示板にお書き込みください
「60年代通信」掲示板=http://www64.tcup.com/6405/kiyomi60.html

 お便りもお待ちしています
 メールはこちらへkiyomi60@bb.mbn.or.jp

(C)1997 60年代通信