60年代の雑誌

『月刊平凡』1966年9月号&10月号


1966年9月号

 1966(昭和41)年9月号は、発売は夏真っ盛りの8月でありまして、当時としては、もう、この人しかいないという加山雄三が表紙を飾っております。隣の女性は、当時、いわゆるカワイコちゃんタレントとして活躍していた恵(けい)とも子ではないかと思われます。
 加山雄三については、ちょうど還暦を迎えた今年、ビッグ・アーチストが加山作品をカバーするトリビュート・アルバムも発売されるなど、今なお、第一線に位置する大スターでありますから、説明の必要もありません。思えば、昭和40年前後の第1次ブーム、昭和50年代の第2次ブームによって、20代から50代、60代にいたるまで、その知名度は強力なものがあるわけですが、夏に向けてのトリビュート・アルバムの発売により、第3次加山ブームすら予感され、今更ながら、息の長さに驚かざるを得ないわけであります。
 さて、その加山雄三と並んで表紙を飾っている(と思われる)恵とも子については、私も、あまり記憶が定かではありませんが、確か、プラチナ万年筆がスポンサーの「プラチナ・ゴールデンショー」という歌番組に司会のアシスタントがカバーガールというような感じで出ていた記憶があります。レコードなんかも出していたと思いますが、これといったヒットはなかったように思います。ちなみに、次号の『月刊平凡』1966年10月号の7大付録の一つとして「恵とも子チャームしおり」が入っておりますし、表紙を飾るくらいですから、それなりの人気があったのでしょう。
 この1966年9月号の付録は、歌本のほかに「9大スター歌うジャケットグラフ」「渡哲也のABC…」「内藤洋子のピンアップ・メロディー」「岡田可愛チャーム・ブロマイド」「あなたのジャニーズ・ブロマイド」というラインナップです。
 画面ではつぶれて見えないと思いますので、この「9大スター」の名前を順に挙げますと、橋幸夫、舟木一夫、西郷輝彦、吉永小百合、マイク真木、都はるみ、三田明、島和彦、加山雄三の9人となっております。
 御三家や、それを追う人気だった三田明、加山雄三、都はるみ辺りは、なるほどという感じではないかと思います。マイク真木は、いわゆるフォークソングの第一号という感じで「バラが咲いた」を大ヒットさせ、この年の紅白歌合戦にも出ています。吉永小百合は、恐らく40代前半より若い人達には、大女優としてのイメージしかないかもしれませんが、1962(昭和37)年には橋幸夫とデュエットで歌った「いつでも夢を」でレコード大賞を受賞していますし、紅白歌合戦にも、1962(昭和37)年から1966(昭和41)年まで5回連続で出場するなど、歌手としても、一時代を築いた人であったことを、改めて、確認させていただきたいと思うわけであります。
 島和彦あたりは、もう覚えている人も少ないかもしれませんが、「60年代の歌謡曲」のコーナーを参照していただければと思います。



1966年10月号

 そして、10月号の表紙でありますが、男性タレントは三田明、女性タレントは吉永小百合様であります。
 この『月刊平凡』のコーナーで、1966年7月号と8月号の表紙について、どちらも女性タレントが誰かよく分からないと書いたところ、早速、大田区のCTさんから、「7月号の表紙の女性タレントは、吉永小百合だと思いますが…」という指摘を受けました。しかし、いかに、人気の高かった吉永小百合様といえども、僅か中3カ月で表紙を飾るという事態は考えにくいものがあります。
 実は、1966年7月号の表紙の女性タレントについては、「よく分かりません」とは書きましたが、「多分、本間千代子ではないかな」という思いがあり、8月号についても、「多分、和泉雅子じゃないかな」という気はしておりまして、ただ、男性タレントほどには確信が持てなかったので、「よく分かりません」と書いたというのが実情です。多分、当時の女性タレントのメイクが、あまり個性がなく画一的だったのではないかと思われ、もともと取り込んだ表紙写真があまり鮮明なものではなかったこともあって、確信を持つまでに至りませんでした。
 しかし、7月号から10月号までの新聞広告なども併せて見ると、本間千代子や和泉雅子の名前も載っていますので、恐らく、7月号は本間千代子、8月号は和泉雅子ということで間違いはないと思います。
 それでも、異論のある方は、また、Eメールでもいただければと思う次第であります。






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