
ディレクターズ・カンパニーの
今日まで、そして明日から (3)
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●日本映画の状況は面 白くなっている ――最近ビデオシネマが活気をもってきたり、日本の企業が米国の映画会社を買収したりと、映画界の状況が変化していますが、好況の変化についてはどう感じてますか? 相米 俺は、何も感じてないよ(笑)。状況は、どんなになっても状況としてあるわけだから。映画監督ってスケベだから、常に外を見る癖があって、外に対する対応を考えるわりには、それほど外で生きないから。だから監督としての俺は、外に対する興味を捨てきれたら――どうせ捨てきれないんだけど――いいと思ってるのね。そういうものを見てる人たちとどれぐらい幅広く交際できるかの方が大切で。あれもこれもって全都に目が行くと、目が動くし結局一生懸命になるでしょ。その一生懸命さがどうも良くないみたいだから。プログラムピクチャーみたいなものの勢いとかいう所とは、少し違う所にいるからね。そういう所にいるんならまた別 なんだと思うけど。置いてくれないから、またそういう所に置いてくれって言ってみてもね(笑)。映画見る人も、企画する人も今ちょうど変わる時期でしょ。人が変わる時期と状況が変わる時期と当たる、そういう時期になってんじゃないの映画界自体が。外からの状況に対してっていうより、中からの状況の変化に嵌まっちゃったんだから、そこをどう生きるかということだけでいいと思うよ。 長谷川 映画の業界に限らず、毎年先のことを聞くと曲がり角だとかっていうのは多いけど、昔から言えば日本映画の状況も面 白くなってると思うけどね。いろんな人の映画が出てるから。(映画が)本職じゃない人が撮った映画が当たったりするのは、面 白いことだと思ってた方がいいんだろうね。映画ってのは誰でも、プロのスタッフさえいれば撮れるからね。それが面 白い所なんだろうから。状況は面白いと思うけど、他のジャンルにいるだけあって凄いなって思えるものが少ないのもまたこれなかなか面 白いね(笑)。友達だから悪口言うけど、村上龍なんか見ても、自分で独りでやる作業の時には村上龍でしかないものってのは出るけども、どうも映画やると何処に村上龍がいるのか分からない映画のような気がするね。監督、監督って凄く良くしてもらって、ほんとの意味でわがままを、.小説や自分の固有のジャンルの時ほどにはしてないんじゃないかな。映画の現場ってどんな人でも監督は絶対者だから、他のジャンルから来ると嬉しくなり過ぎるのかもしれないね。 ――本誌でエッセイを連載中の田村孟さんもお書きになってましたが、長谷川監督の映画が期待されていると思うんですが。 長谷川 こんなに長い問休むつもりは一回も無かったからね。そのつど六カ月後にはインするつもりでたいてい動いてるからね。なんか、困った奴になっちまったよな、俺も。結果 から思えば映画を撮りたいというボルテージが落ちてたのかも知れない。いろんな理由でね。去年は、鈴木清順さんの『夢二』(今春公開予定)で俳優さんをやってみたんだ。俳優はいい刺激になりましたよ。バキ(藤田敏八監督)さんのように俳優年鑑に乗るタレントになろうとは別 に思ってないから(笑)あれほどのプロ意識はないんだけど。清順さんという今村昌平さんなんかとは真逆のような作風の人だから、その勉強も出来たし、役者の目から現場って見たことないから面 白かった。溝順さんが監督してるのを見ると、なるほどと。しかし俺ならこう撮るなとか、それは勿論違う個性だからいい悪いじゃなくてね。役者をやってみて、映画を撮りたい、俺も監督したいというボルテージは上がってきたよね。でも自分の出た映画を見て恥ずかしくてもう映画は嫌だって思うかもしれないけど(笑)。 |
| はせがわ・かずひこ 昭和21年、広島生まれ。東京大学文学都中退。今村昌平監督の『神々の深き欲望』(68年)の助監督として、今村プロに入社。その後目活の契約助監督を経てフリーとなり、監督第一作『青春の殺人者』でデビュー。今春公開の『夢二』(鈴木清順監督)で俳優として出演している。シナリオ作品『怪盗ねずみ小僧』『青春の蹉践』『宵待草』監督作品に『太陽を盗んだ男』『悪魔のようなあいつ』(TV)など。(原文ママ) |
| そうまい・しんじ 昭和23年、岩手県生まれ。72年、中央大学法学部中退後、契約助監督として日活撮影所に入所。75年にフリーとなり長谷川和彦監督の『青春の殺人老』『太陽を盗んだ男』の助監督を経て、80年、『翔んだカップル』で監督デビュー。司台風クラブ』で第1回東京国際映画祭ヤングシネマ大賞を受賞。主な監督作品『セーラー服と機関銃』『魚影の群れ』『ラブホテル』『雪の断章・情熱』『光る女』『東京上空いらっしゃいませ』など。 |
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