心に残る名シーン、第三回は「いつか星の海で・・・」です。ただし、最終話の方ではなく「暗黒の大決戦」のラストシーンの方です。
ZX-06頭脳原種を護が浄解する。
護「僕にも出来た!」
原種核の浄解に初めて成功し、喜ぶ護。
そのとき、不意に通信が入る
撃龍神「防ぎきれない!」
ガイ「どうした!?、撃龍神!」
頭脳原種を倒したとはいえ、
頭脳原種の開いたESウインドウはまだ残っていた。
そして、そのESウインドウからは巨大な小惑星が姿を表していた。
撃龍神「とんでもないのが残ってやがった!」
超竜神「・・でかい・・」
雷牙「まずいぞ、直径十キロはある!」
撃龍神「これが地球に落ちたら・・・」
麗雄「間違いなく人類は滅亡する!、白亜紀に滅んだ恐竜と同じように!」
激「迎撃部隊の状況は!?」
スワン「マイク部隊、スサノオ、どちらも動けません!」
命「ガオガイガー移動開始、ですが計算上間に合いません!」
幸太郎「超竜神と撃龍神は!?」
麗雄「彼等の装備では到底太刀打ちできんぞ!」
撃龍神「ならば、あれしか手はないな」
超竜神「考える事は一緒か」
撃龍神「俺とあんたは言ってみれば兄弟だからな」
超竜神「撃龍神・・」
撃龍神「短い間だったが世話になったな、超竜神」
超竜神「まさか、お前!?」
撃龍神「あんたはGGGになくては成らない存在、この任務は新参者の俺にこそ相応しい!」
超竜神「待つんだ撃龍神!」
撃龍神「言い争っている時間はねえ!」
超竜神を突き飛ばす撃龍神、だが超竜神は強引に撃龍神をクライマー1から突き放す。
撃龍神「うぉ!、何しやがる超竜神!、待ちやがれ!」
超竜神「これは私の仕事だ」
超竜神はそう言うと、クライマー1を使い小惑星を目指した。
メインオーダールームにて
命「超竜神、小惑星へ向かっていきます!」
麗雄「なんと!」
幸太郎「無茶な事を!」
確かに、それが考えうる唯一の手段ではある。だが、しかし・・・
超竜神「うおああぁぁ!!」
クライマー1の最大加速で小惑星へと突撃する超竜神
ガイ「超竜神!」
超竜神、小惑星に激突する。
クライマー1の先端が砕ける、超竜神のミラーシールドにひびが入る。
超竜神「出力全開!」
超竜神はそれには構わず、全力で小惑星を押し返す。
命「小惑星、押し戻されていきます!」
幸太郎「超竜神・・」
激「超竜神・・」
メインオーダールームを重苦しい沈黙が支配する
命「小惑星、99.9%後退!」
スワン「ESウインドウ、消失していきます!」
幸太郎「超竜神は!?」
麗雄「あの状態で戻るのは、不可能じゃよ・・・」
激「じゃあ、アステロイドベルトに!」
雷牙「火星と木星の間を漂い続ける事になるだろうな、永久に・・・」
ガイ「超竜神!」
撃龍神「俺は、俺はあんたに教えてもらいたい事が山ほど有ったのに・・
超竜神・・、バカヤロー!!」
ガイ「聞こえるか?、超竜神」
超竜神「はい、聞こえます・・」
ESウインドウが消失しかけているせいか、通信の感度は悪い。
ガイ「いつの日にか、必ず、必ずお前を迎えに行くからな!」
護「僕も一緒に行くから!、絶対に!」
超竜神「了解・・しました・・・
その時まで、弟を、撃龍神を頼みます・・・
待っています、いつまでも・・
信じています、必ず、必ず再会できる日を・・・・
いつか星の海で・・・・」
それが最後の通信だった。
ESウインドウは消え去り、小惑星も、超竜神もいなくなった
今回は「暗黒の大決戦」ラストシーンを紹介する。
このシーンに代表されるように超竜神は自己犠牲的な面が見られる。
超竜神が自己犠牲的であるのは確かだ。
だが、それだけでは彼の本質を見誤ることになりかねない。
彼は、彼の果たすべき役割を理解した上で
彼の能力で選択しうる選択肢の中から最善と思える行動を選択し、
それを実行しているのである。
自己犠牲的な行動も、その結果である。
決して自分の存在を軽んじている訳でもないし、
安易に無謀な行動に出ている訳でもない。
自分の身を賭すという事の重大性を知りながらの行動なのである。
それゆえに彼の行動は心に残るのだろう
GGGを代表する勇者ロボは間違いなくガオガイガーである、
しかし、GGGの精神を体現しているのは超竜神であると僕は考える
(名シーンの紹介と言うよりも超竜神の紹介みたいになってしまったが)
また、これを書くにあたり、
新たに感じた事であるがメインオーダールームも
大河長官も超竜神の行動を「無茶な事」だとは言ってはいたが
超竜神の行動を止めようとはしなかった。
(あの状況ではどのみち、止めることは出来ないだろうが)
それは彼の行動が小惑星を食い止めるための唯一の選択肢である事を
わかっていたからではないだろうか?
正否に関わらず、仲間が確実に犠牲になるとわかりきっていても、
超竜神を止める事が出来なかったのではないか。
いや、GGGであるが故に止めてはいけないのだ。
そう思うとメインオーダールームを支配する
重苦しい雰囲気がより理解できる気がする。
その心中は察するにあまりある。