心に残る名シーン、第三回は「終焉序曲」からワンシーンを取り上げます。
ゾンダーロボの出現を知った護はガオガイガーの元へ急ぐ。
そこに、天海夫妻がいた。
これから護が何処に、何をしにいくのかわかった上で待っていたのだろう。
護「お父さん、お母さん・・・」
勇は全てを受け入れたかのような表情で
勇「行かなくちゃ、ならないんだろ?」
しばしの沈黙、そして
護「ごめんなさい・・、」
勇「謝る事なんてないさ、護は正しい事をしているんだから」
護、戒道の言葉を思い出す。
− 戒道「君は緑の星で生まれたカインの子・・・」−
護「僕・・、本当はお父さんとお母さんの子どもじゃないんだよね・・・」
躊躇いがちに言う護、天海夫妻、息を飲む、
勇「護・・」
愛おしそうに護を抱き締め、愛は言う。
愛「護ちゃん・・・、あなたは間違いなく、パパとママの子どもよ・・」
勇「そうさ、ただちょっと授かり方が他の子と違っただけさ」
そういう彼の言葉に迷いは無い。
つまり、それこそが彼の偽らざる本心。
そして、それに頷く護。
愛「あたしたちの事は気にしないで・・、いってらっしゃい」
護「・・でも・・」
勇「護、人はそれぞれ自分にとって大切なものがある。
それを守れる人間になって欲しい・・・
そう願って父さんはお前に護るという名前をつけたんだよ」
護「お父さん・・」
第三回は「終焉序曲」より天海夫妻と護くんの会話シーンを取り上げる。
第一回と第二回のテーマはこのコーナーを始めようと思ったときに決まっていた
(というよりも、あの二つのシーンを取り上げたかったので
このコーナーを始めたと言う方が正確なのだが)
で、第三回のテーマは幾つか候補があったのだが、
前回、前々回が戦闘シーンだったので今回は戦闘シーン以外から選んでみた。
この時の状況を振り返ってみよう。
天海夫妻の実の子で無い事を護は知っており、
そして天海夫妻も自分の子が特別な存在である事を知っていた、
それでも以前と変わらぬ家族としての生活を過ごしていた。
だが、いつか、こんな時がやってくる事は分かっていた。
いずれ護の出生に関する事実とは向き合わねばならない。
そして、その時が巡ってきたのだ。
今回はそのような状況なのだ
「他の子とは授かり方が違うだけ」と
天海勇は実の親子では無いという事実を否定しなかった。
しかし、それでも三人が間違い無く親子である事を示したのだ。
続いて、説明される護の名前の由来。
勇の望んでいた通りに護が成長している事が視聴者にはわかるだろう。
あの両親がいたからこそ、この物語が成立するのだ。
もし、仮に別の人間に護が育てられていたら、
この物語は成立しなかったかもしれない。
ガガガを見るのなら、こういったドラマの部分にも注目しなければならない。
これまで紹介したシーンもそうだが、 今回紹介したシーンは是非とも実際に見て頂きたいシーンである。