今回から始まった「心に残る名シーン」のコーナーでは
「勇者王ガオガイガー」で特に印象に残ったシーンを僕の独断と偏見で紹介してゆきます。
まず、第一回は「俺の・・勇気は・・死なない!」です。
地球外生命体ゾンダリアンのボス、EI-01パスダーを倒し訪れた束の間の平和。
しかし、それはすぐに終わりを告げる。
パスダーの敗北は結果的に、全宇宙のゾンダー、ゾンダリアンの頂点に立つ機界31原種による侵攻を招き寄せる結果となってしまったのだ!
突如出現した三体の原種。
その攻撃によりベイタワー基地は壊滅、唯一残されたガオガイガーが孤独な戦いを挑む。
そして・・・・
ヘル・アンド・ヘヴンを正面から受け止め、粉砕する巨腕原種
鉄髪原種によりドリルニーも砕かれる。
三体の原種の攻撃は苛烈を極めた
傷付き、ボロ雑巾のように成り果てたガオガイガー
もはや戦う事はおろか、動く事すらままならない。
万分の一の勝機すらない絶望的な状況。
「俺の・・勇気は・・死なない!」
だが、しかし、ガイは諦めていなかった。
もし勇者王ガオガイガーで一番印象的なシーンを挙げるすれば
やはりこのシーンをおいて他に無い。
無論、この直後に現れるキングジェイダーの圧倒的な戦いも
印象的では有るのだが、僕が挙げるのはあくまでこのシーンである。
突如襲来した三体の原種により仲間たちも基地も失い、
単身戦いを挑むが絶対的な力の差の前に完膚なきまでにやられてしまう。
それでもガイは諦めていない。
いくら諦めずに戦おうとも、だからと言ってそれで勝てるというものでもない。
今回が正にそれである。
「諦めなければ勝てる」というのは、勝者の視点から述べられる結果論に過ぎない。
そして、勇者王は負けたのだ。
完全な敗北の中の、ガイの言葉
「俺の・・勇気は・死なない!」
それこそがガイが勇者と呼ばれる由縁なのではないか。
ガイが勇者たる真の理由は、彼がサイボーグだからでは無い。
ガオガイガーとフュージョンできるからでも無い。
その精神にこそ有る。
もはや命運が尽き諦めざるを得ない状況であっても諦めないその精神
「勇者」に最も必要とされるものこそがこの精神なのだ。
このシーンは実に端的に、それを表している。僕はそう思う。
(無論、ガイとて決して諦めたり挫けたりしない訳では無い。
勇者であり続ける事は例えガイであっても困難なのであろう)