勇者王ガオガイガーの世界における世界的犯罪組織、それが《バイオネット》です。映像メディアではギムレットぐらいしか出てこなかったので印象が薄いのも事実ですがGGGやシャッセールと数度に渡り戦いを挑んでおり、戦術的あるいは戦略的に勝利を納めた事すらあります。
そういうわけで、《バイオネット》の戦力分析等を行ってみたいと思います。
《バイオネット》は様々な違法な人体実験を行っており、生体兵器の製造に関しては極めて高い技術レベルを有している事が確認されてます。
その一例として1995年の段階でID5のメンバーであった久我モモコのサイボーグ化に成功しています。ジュピターXの爆発に巻き込まれ一度は死んだ久我モモコのサイボーグ化を、です。 それは「プロフェッサー・モズマのメンテナンス無しには生きられない」不便な体でしたが、ガイのサイボーグ化が2003年にGストーンの力を借りることで始めて成功した事を考えればその技術レベルは驚異的と言わざるを得ません。 また、GGGからギャレオンから得たオーバーテクノロジーに関する情報を盗み出している上にゾンダーメタルに関わる独自の理論、技術体系も築いています。GGGに次ぐ、あるいは分野によってはGGGをも上回る技術力を有していると考えられます。
大多数を占める通常のエージェント達です。多種多様な人種、職業から構成され、《バイオネット》に入った目的も様々です。フレール・カーディフのように一般人を装い、任務のために要人に近付く者もいれば、他の組織から機密情報を盗み出すのを主任務とする者、あるいは鰐淵シュウのように自ら志願して生体兵器の実験台となる者もいます。彼等はその任務で成功をおさめる事により上級のエージェントへと昇格する事ができます。 また、中には胎児に遺伝子操作を行い知能、体力を強化することにより生み出された「作られた天才」たちも存在します。こういった「天才児」たちは生まれてすぐに親元から引き離され、《バイオネット》の施設で英才教育が施されます。
バイオネット製のサイボーグです。戦闘能力の強化のため、肉体を改造しており改造の程度は個々で異なります。初期型のバイオネット・ボーグであるルネは高い戦闘能力を有していたものの熱効率に欠陥が存在し処分される所をシャッセールにより救出されました。ラプラス、メビウスなどは外見的にはサイボーグと言うよりもロボット兵器といった感じです。現在、主力はメタルサイボーグへと移項しつつある様です。
ジュピターXと遺伝子操作を利用し生み出された獣人「ハイブリッドヒューマン」、彼等は高い戦闘能力や特種能力を持っています。しかし人間と比較して知能が低く道具等は使用できないようです。そのため、常人でも専門の訓練を積み武装していれば(例えばID5のメンバーのように)対抗は可能です。ヴェロケニア共和国においてジュピターXが爆散消滅した為に熊人間やサメ人間などの完全型は製造が不可能となりましたが、カマキリ人間やホタル人間等の簡易型の製造技術に関しては確立されているようです。ちなみにプロフェッサー・モズマが中心となって開発されました。
ゾンダーメタルのテクノロジーを元に地球上の技術で製造された「疑似ゾンダー」、それがメタルサイボーグです。プロトタイプである鰐淵シュウは無数のワイヤーからなる体をしており変幻自在な攻撃を得意としていました。またフェイクGSライド搭載型のメタルサイボーグ、クロイツ、カーロ、カーロ、ピークは連係攻撃によりエヴォリュダー・ガイを追い詰めました。さらにギムレットは専用パーツと合体する事により巨大ロボット兵器へとその姿を変じました。
彼らは《バイオネット》のエージェントの中でも最高クラスの戦闘能力を有しています。エヴォリュダー・ガイ、ルネ・カーディフ・獅子王、そして勇者ロボでなければ対抗は難しいでしょう。素体となる人間さえ都合がつけば「量産」が可能です。なお、その開発プロジェクトにはギムレット、ドクター・タナトスが深く関わっています。
ルネが《バイオネット》トゥールーズ支部を壊滅させた時に発見したもの。《バイオネット》が核兵器を有しているという事の動かぬ証拠です。ただし《バイオネット》製なのか、某国で作られたものを密かに入手したのかまではわかりませんが。ちなみにルネはゾンダー化した《バイオネット》のエージェントを抹殺するためにこれを使おうとしました。もう無茶苦茶です。実際に使ってたら国際問題に発展していたのは間違いありません。
イレイザーヘッドなどを使えば核爆発も放射能も無効化できそうですが、それでも核の持つインパクトは強大です。
「リオン・レーヌ」において登場した機動兵器。全長は2m足らずですが小型だが起動力が高く小回りも利きます。状況によっては勇者ロボを苦しめる事も可能でしょう。「リオン・レーヌ」に出てきた一体のみが確認されてますが他に存在しないとも限りません。
「リオン・レーヌ」に登場した巨大機動兵器です。全高は50m近く、単純な出力だけならガオガイガーをはじめとする勇者ロボをも凌駕します。さらにフツヌシの創世炉を取り込んでいるためにゾンダーロボに匹敵する再生能力を有しています。弱点としてはその巨体と重量のために起動力が低いという事、機体を制御するAIが愚鈍であることです。創世炉が失われてしまったので再び登場する事はないでしょう。
《バイオネット》の機動兵器の総称です。2007年、《バイオネット》のATの対処はGGGの大きな任務となっています(他に任務がない、という説もありますが・・・・)。
ギムレット・アンプルーレも《バイオネット》のATの一種だと考えられます。戦闘能力は決して低くはないのですが、流石にGGGに対抗するには些か力不足の様です。
ギムレットの空中要塞です。巨大な帽子のような形状をしています。《バイオネット》の作戦行動においてATの運搬等に使用されていると考えられます。作戦指揮官毎に専用の移動要塞が与えられています。オービットベースにハッキングできるだけの設備を兼ね備えています。
「獅子の女王」編における風龍、雷龍のデータ漏洩に始まりGギガテスクの撃破までの一連の事件です。最終的にGギガテスクは破壊されたものの、多数のフェイクGSライドを入手し、Gギガテスクは「フェイクの性能アピール」に成功したので戦略的に見て《バイオネット》の勝利と言っても過言ではありません。
「ID5は永遠に…」において描かれたジュピターXを巡る攻防戦です。最初の「ジュピターX奪回作戦」においてID5は壊滅、それから十年後の間にプロフェッサー・モズマはハイブリッドヒューマンなどの開発に成功します。最終的に彼は久我モモコにより殺害され、ジュピターXも爆散消滅しました。これは《バイオネット》にとって人的、物的に大きな損失であったと考えられます。しかし、久我モモコの行動はプロフェッサー・モズマを追い落とさんとするドクター・タナトスによる《バイオネット》内部の勢力争いが関わっているとも、あるいはこの時殺害されたプロフェッサー・モズマは影武者であったとい説もあるのですが。
「エヴォリュダー・GUY」において描かれた《バイオネット》との攻防戦です。《バイオネット》は一連の戦いで一時的とは言え、全ての新型ガオーマシンを奪います。この時、ガオーマシンのデータ解析により対勇者用ウィルスをも作成します。尤もパリで使用されなかった事からすぐにワクチンが作られたと考えられますが。また、この解析データは《バイオネット》の機動兵器の製作にも利用されると考えるのが順当でしょう。そういう点では《バイオネット》に軍配が上がると言えるかも知れません。
さらにこの物語でメタルサイボーグの脅威が表面化します。最大の問題点はメタルサイボーグに対抗可能な人材が絶対的に不足しているのです!。勇者ロボは人間よりも遥かに巨大な体躯をしています。当然、活動範囲も限られます。しかしメタルサイボーグは違います。人間とほぼ同じかそれよりも多少大きい程度です。勇者ロボが行動不可能な地域でメタルサイボーグが作戦行動を行った場合、どうすれば良いでしょうか?。ガイとルネだけで対処するしか無いのです。たとえ相手が何体存在しても!
五月探偵リオン」における一連の誘拐事件およびその救出劇です。内容がアレなので(笑)見落としがちですが、これも重要な事実を示しています。民間人の桜さんや囮としてさらわれたパピヨンさんはともかく、スワンさん、平田博士をああいとも容易く誘拐されてしまうのは大きな問題です。スワンさんからGGGの内部情報、平田博士からはディビジョン艦に関する情報が《バイオネット》にもれてしまう危険があった(あるいは既に漏れている)わけですから・・・・。GGG内部でも重要なポストにある人物を誘拐する能力があるわけですから《バイオネット》が侮れない組織である事がわかります。まあ、内容がアレなんで全然説得力ありませんが(笑)。
「勇者王新生!」におけるガイ、ルネとギムレットとの戦いです。作中では描かれませんでしたが、ツェルン中央研究所よりQパーツを強奪したギムレットの手並みは相当な物でしょう。結局、ギムレットはガオファイガーに敗れた上にルネに「害虫駆除」されてしまいます。パリ市街への被害はむしろ、光竜・闇竜の攻撃による物の方が大きいというぐらいです。この戦いはGGG側の勝利と言って良いでしょう。しかしギムレット・アンプルーレのようなATに対抗可能なのはGGGなどのごく一部の組織である事もまた事実なのですが。
なお、話は逸れますがこの話のGGGの描写は、「祭りのお神輿」であるかのような雰囲気が感じ取られました。ゾンダリアンの侵攻、アルジャーノン症候群の流行などのあまりにも深すぎる傷を癒すため、GGGは防衛組織であると同時に精神的支柱としての役割も求められているのでしょう。
相当な戦力を有している《バイオネット》ですが、最強勇者ロボ軍団を撃ち破る程の戦力はないようです。また《バイオネット》側にはGGGのハイパーツール類への対抗策がないのも大きな要因です。 しかし、《バイオネット》は機界31原種のようにGGGを壊滅するために行動しているわけではありません。《バイオネット》の目的は乱暴に言ってしまえば「利益を得る事」であり、その違法な手段のためにGGGやシャッセールと敵対しているわけです。そのため、《バイオネット》に対する勝利とは、個々の戦闘に勝てば得られるというものではありません。 無数に存在するダミー企業群や基地を一つずつ見つけ、そして潰してしていくしかないのが現状です。そのための水面下の戦いは日夜続けられています。
ガオガイガーの世界において、人類は機界昇華を、そして物質昇華をも乗り越えました。しかし人間自身の業は未だに乗り越えられません。かつてZマスターは言いました「マイナス思念は宇宙を滅ぼす」と。ですが、マイナス思念は欲望のみを生み出すわけではありません。勇気ある心ももたらすのです。
だから、戦い続けねばなりません。
勇気ある誓いの元に。