アーケードゲームにはゲーム独特の「専用筐体」。ゲーム自体だけでなくその形状を見ているだけで結構面白いものだったりします。
今回は専用筐体ゲーム「まじかるスピード」を取り上げたいと思います。
トランプの「スピード」をそのままアーケードゲームにしたゲームです。
何でも願いがかなう「虹のカード」を求めて御伽噺のような世界で大冒険をするストーリーになっています。
トランプのスピードとは2人対戦でそれぞれ黒と赤26枚+ジョーカー1枚の合計27枚ずつ持ち、条件にしたがってカードを減らしていきます。
最初は手札に4枚。残り23枚は山札となります。お互い山札から「いっせーのせ」の掛け声と共に中央に1枚ずつ場札としてカードを置きます。手札に2枚の場札と隣接する数字のカードを持っている場合、そのカードを場札の上に置くことが出来、手札を減らした分だけ山札から補充することができます。
お互い場札におけるカードが手札に無い場合、または有っても場札に置かずに数秒経過した場合はリスタートとなり、お互い山札から1枚ずつ「いっせーのせ」の掛け声と共に場札に置きます。
これを続けて、時間切れまでに手札・山札をすべて場札に置く事が出来れば勝利。時間切れの場合は残り枚数が多いほうが勝利となります。
ルールを補足すると、「場札と同じ数字は置けない」「ジョーカーはオールマイティでどの札の上にも置くことが出来、更にジョーカーの上にはどの札も置ける」「山札がなくなったときのリスタートになったときは場札に何も置かない」…といったあたりもあります。
このゲームは専用筐体となっており、画面は平面状になっており、高さは大人が立って丁度良いくらいで、お互い向き合えるような感じに設計されています。
操作はお互い「6ボタン」です。
ボタンは2列に並んでおり、手前に4つ(向かって右から1〜4の数字が割り当てられている)、奥に2つ(左からA、B)となっています。
手前のボタンは手札の選択で、奥のボタンは選択した手札をを場札におきます。
たとえば、一番左の札を左の場札に起きたい場合は、1を押してからAを押します。
一人プレイの場合は「初級」「中級」「上級」の3つのモードから選びます。真のエンディングを見るためには難しいモードをクリアする必要がありますが、序盤から強敵になっています。
勝負は一本勝負で勝てば次のステージでラストステージクリアでエンディングとなりますが、負ければその時点でゲームオーバーになります。
2人で対戦することも可能です。対戦は3本勝負となっており、前述の通り向かい合う形でボタンが配置されているので、お互い向き合ってプレイする様になっています。
ゲーム中はお互いの山札の枚数が表示されていますが、対戦時はお互い見えるように両方の向きに数字が表示されています。
…とはいえ、さすがはゲームセンターのゲームなので普通にトランプのスピードをやるだけではなく、特殊なルールがあります。
連続してカードを場札に置くと得点に倍率がかかるだけでなく、相手に「使い魔」を送ることが出来ます。使い魔は相手が手札を減らしたとき手札の補充を邪魔します。つまり、敵から送られた使い魔が沢山残っているときは手札が3枚以下で戦わなくてはならなくなります。
敵の使い魔を減らすには敵の使い魔が憑いている場所の手札ボタンを連打をすることで消すことが出来ます。大量に使い魔を送られるとかなり辛くなります。
専用筐体でしかもトランプのスピードをやらせるだけ…というかなり独特なゲームでした。
格闘ゲームブームでアーケード業界のちょっとしたバブルっぽい時期にポンと出した専用筐体物らしく、対戦を重視した作りでしたが、専用筐体であることが逆に出回りを悪くしてしまった感じもしないでもない…内容も言ってしまえば「スピードそのまま」…ですし…。
まぁ、トランプ52枚を使用するので、極端にランダムに左右されない内容なのが対戦向きといえば…そうかもしれませんが、ゲームセンター向けのゲームとしてはどうだったのかな…今なら同人ゲームで作れそうなレベルですし…。