昔懐かしい昭和の雰囲気が漂うクイズゲーム。
今回はセガが贈る「クイズ宿題を忘れました」「クイズ廊下に立っていなさい」この2作を取り上げたいと思います。
どこかで見たこと有るような「天才科学者 天野博士」により、子供の姿にされ、過去に送られた主人公達。
元の時代に戻るには子供の頃の友人達と(何故か)クイズ勝負に勝たなければならないらしい…果たして主人公達は無事に元の時代に返ってくることは出来るのでしょうか?
ゲーム開始直後、何故か急にプレイヤーの誕生年を聞かれます。
選択肢は、昭和31年〜46年までの1年毎と「昭和30以前」「昭和47年以降」となっており、誕生年を選択するとプレイヤーが小中学生の頃の時期の問題がメインとなります。
例えば、昭和40年を選ぶと昭和50年前後に関するクイズが多く出題されます。
このゲーム自体が1991年(平成3年)なので1972年(昭和47年)以降の人は一纏めになっているのは仕方ないですかね…
ゲームの背景はどこか昭和な雰囲気がする町並みや小学校や田畑が広がる光景…。
すると、主人公のところに子供が近づいてきます。
彼は小学生のときの同級生らしいのですが、何故か急に「子供時代にようこそ。僕のこと覚えているか? 同級生の○○だよ。 僕と×××まで競争しよう。」…みたいな感じの事を言われます。
台詞から察するに、彼は主人公がタイムスリップさせられたのを知っているみたいですが…何故?…とツッコミたくなります。
スタートは右端でゴールは左の方にあり、そこまでの道のりがマス目が区切られています。クイズは常に8問連続で出題され、8問終了後に正解した数だけ主人公が進み、誤答した数だけ相手が進みます。正解数・誤答数に関わらずライフが残って居ればゴールできるまで繰り返されます。 ゴールまであと1マスでもクイズを8問答える必要があります。
左端のゴールまで辿り着けばステージクリアですが、「競争だ」と言われた割には相手より先にゴールしても後にゴールしても展開的には変化が無いようです…。
また、ゴールまでの道のりの途中には「BONUS」とかかれた場所があり、そこを通過すると何故かヘンテコな音楽と共に、怪しげなハゲオヤジが出現してボーナスステージになります。
ボーナスステージは昭和な雰囲気の福引所で「ふくびき」「福袋」「ひよこ釣り」「(小動物の)レース」等の種類があり、ボタンで選ぶと1等〜4等が決定され、ライフ回復や次のクイズの選択肢が減る等のボーナスが得られます。
ゴールまで辿り着くと次のステージへ進むことが出来、そこで別の同級生や近所の知り合い達と出会い、同じようにゴールを目指して競争します。
8ステージクリアでエンディングとなります。
クイズはライフ制で誤答するとライフが-1され、0になるとゲームオーバーとなります。
操作系は「4方向レバー+1ボタン」です。
レバーで選択肢の操作、ボタンで決定です。
クイズゲームにしては珍しくボタンを多数使わないのはゲーセン側への配慮だったのか、はたまた「システム24」はボタンを沢山使うゲームが無いので、このゲームのためにボタンを4つも5つも増やすような仕様にしたくなかったのか…。
昭和の町並みという子供の頃の光景に、プレイヤーの誕生年から逆算して子供の頃の問題を出題するというニクい演出ですが…
まぁ、ライフ制のクイズなので3問連続誤答で即100円が飛ぶというクイズゲームの難点はお約束な感じもしますが…しかも、なぜかこの作品はデフォルトが5択という珍しいクイズゲームだったりします。
個人的には、「ボナンザブラザーズ」と同じシステム24を使用した基板なので、「ボナンザブラザーズ」をプレイしようとゲーセンに行ったら、「クイズ宿題を忘れました」に替えられていてショックだった…という悪い思い出しかないですね。
妙なタイトルですが、「宿題を忘れました」の続編に当たるクイズゲームです。「宿題を忘れました」→「廊下に立ってなさい」というのは小学生のときのコンボでしたからね…
私も忘れ物が多かったですから…先生からビンタされたり、教科書で殴られたり…今やったらニュースになるくらいのことも有りましたよ…
何故か、小型宇宙船を発明した博士が助手(?)のロボットと男の子と女の子を乗せて出発…と思ったら、どういう訳かタイムスリップをして過去に飛ばされてしまった…。
しかも、宇宙船は故障までしてしまう…主人公達はタイムマシンのパーツを集めて無事に帰ることができるのでしょうか?
…という前作以上にぶっ飛んだストーリーとなっています。
ゲーム開始時にプレイヤーの誕生年を聞かれるのは今回も同様。今回は昭和24年から53年までの1年毎と「昭和23年以前」「昭和54年以降」に選択肢が増えました。
前作同様に、誕生年から逆算して小中学生の時期のクイズがメインで出題されます。
今回のフィールドは背景が昭和な町並みでの双六みたいな感じになっています。クイズは6問連続で出題され、正解数だけ進むことが出来、ゴールに辿り着くとステージクリアとなります。
ちなみに今回はデフォルトは4択クイズになっています。流石に前作の5択はマズイと思ったのでしょうか。
2ステージごとに何故かボスキャラが出現し、クイズ勝負になります。
ボス戦は6問中一定問題数以上正解すると勝利となり、タイムマシンのパーツが貰えます。何故過去に居る人達がタイムマシンのパーツを持っているのかというツッコミは無しにしておきましょう。
全10ステージクリアでエンディングとなりますが、このゲームはマルチエンディングとなっており「無事に現代に戻れるもの」と「現代に戻るどころか恐竜の時代にタイムスリップする」という2パターンが用意されています。妙なところに凝っていますが、誰がそこまでやり込むのかと…。
ステージクリアごとにボーナスステージがあるのですが、内容は「スロット」と「上から落ちてくるアイテムを拾う」…という前作とは打って変って昭和っぽい雰囲気が無くなってしまいました。
「上から落ちてくるアイテムを拾う」タイプのボーナスステージは何故か空を飛んでいるキャラクターがアイテムを次々と落としてくるので、下に居るキャラクターを操作して籠にアイテムを一定数入れればハートが貰えます。但し、爆弾とダイナマイトに触れてしまうと拾ったアイテム数が0になってしまいます。また、たまに落とすハートを拾うとその時点でライフ+1になります。
「スロット」は4つの絵柄をボタン1つで止め、その絵柄の揃い方によって様々なボーナスが貰えます。ちなみに「絵柄4つのうち3つ以上揃うと当たり」と言われますが、3つ揃わなくても「2種類の絵柄が2個ずつ」や「ハートマークが出現」したときもボーナスが貰えたりします。
操作系はこちらも「4方向レバー+1ボタン」です。
レバーで選択肢の操作、ボタンで決定です。
何となく作りが適当な気がしないでもない本作。
前作の不満点(誕生年の拡張、5択クイズの廃止)の解消目的だったのかもしれませんが、クイズゲーム自体のプレイ時間とインカムのバランスの難しさは結局解決されていない感じもありますね。前作でほぼ方針が固まっていたので、制作自体にそんなに手間がかからなかったのかもしれませんが…
また、クイズの内容も結構微妙でジャンルセレクトで「野球」を選ぶと「××××年のタイトルホルダーは?」という感じのマニアの域を超えたかなり細かいところを聞かれたりする問題も有ったり…と、楽しむのが難しい感じがしないでもないです。
もっとも、「クイズマジックアカデミー」や「an×an」が出るまではライフ制のクイズゲームしか無かった訳で…クイズゲーム自体は安く作れたのかもしれませんが、3問連続で間違えて即終了という仕様って、楽しむ以前の問題な気がしないでもない…
更に、1991年といえば格闘ゲームが登場しだした時期でもあって、段々クイズゲーム自体(というか格闘ゲーム以外のジャンルの大半)が衰退していく時期でもありました。
クイズゲームというジャンルを流行らせるには「見た目の演出」や「ちょっとした工夫」ではないということを実証してしまった作品なのかもしれませんね。