戦国時代の最強大名の1人の武田信玄。
400年経った今でもその英雄伝は様々な所で語り継がれ、彼をモチーフとしたゲームは多々存在しますが、その中でも珍品…ともいえるジャレコのアクションゲーム「武田信玄」を今回は取り上げたいと思います。
ファイナルファイトなどのような奥行きのある横スクロールアクションゲームです。
プレイヤーは武田信玄と影武者(確か1Pが影武者で2Pが本人と聞いたことがありますが…どっちがどっちかまでは…)を操作して、信濃制圧時の宿敵「諏訪頼重」「小笠原長時」「村上義清」そして「上杉謙信」と戦います。
武田信玄(と影武者)は刀だけを持っており、それで敵の兵士を倒していきます。
…とはいうものの、敵の兵士の方が強力で体力が無くなるまでスーパーアーマーっぽいので強引に攻撃ボタン連打で斬りに行っても逆に斬られてしまいます。しかもこちらの体力は結構少なく、3回くらいやられると体力がなくなってしまうくらい…です。
普通に戦ってみても、あっという間に体力も残機も無くなってしまいます。
ポイントとしてはこちらの攻撃は3つのボタンのうち左と中央のボタンで行い、左ボタンが左への攻撃で中央ボタンで右への攻撃となっていますが、背後への攻撃(左向き時に右攻撃、右向き時に左攻撃)のリーチが長いのでこれを有効に使うと楽に進めます。
武田信玄は左右移動だけをしても振り向かないので、雑魚敵と縦軸を合わせたまま後ろを向いてそのまま下がり(敵の方に近づき)、敵が間合い内に入ったら背後斬り…という手が有効です。
横にリーチの長い敵や鉄砲隊の様な飛び道具を使う敵に対しても敵の攻撃範囲と攻撃モーションに気をつけながらの背後斬り。ボスも「背後斬り」→「斜めに移動して間合いを調整」→「背後斬り」→…が有効です。
…というか、背後斬りだけで慣れれば結構進めます。…が有効な背後斬りを持ってしても結局このゲームは「ダメージの高い攻撃を3発喰らったら死ぬ」ので気は抜けません。
また、他に気をつける点としては「敵と接触すると無防備で弾かれる」という仕様があり、敵に左右挟まれた状態で弾かれると延々と跳ね返り続けていずれ斬られてやられる…という流れになることがあります…。
全5ステージで「諏訪頼重(諏訪氏攻撃)」「小笠原長時(塩尻峠の戦い)」「村上義清(戸石崩れ)」「上杉謙信・影武者(川中島の戦い)」「上杉謙信」の順番になっています。
各ステージまずは「雑魚敵との戦い」で左右2画面ほどの広さで登場する敵を全滅させるシーンです。
シーンクリアをすると「ボーナスステージ」となり、何故か武田信玄が馬に跨って弓を撃ちまくるシューティング(?)。攻撃ボタンでショット、ジャンプボタンでジャンプします。体力が3ゲージ存在し、敵の攻撃や罠に当たると1ゲージ減ります。
一定時間経過か体力がなくなると終了になりますが、あくまでボーナスステージなので本編の体力や残機には影響しません。
ボーナス面の後は再び「雑魚敵との戦い」になります。内容は最初と同じですがフィールドが変わっており、今度は横だけでなく縦にスクロールできるような広さになっていることがあります。
その後は「ボスとの一騎打ち」となります。ボス戦は雑魚は一切登場しませんが、強力な攻撃をしてきます。斬り続けて画面下の体力ゲージを0にすれば勝ちです。
4つのシーンをクリアすると次のステージに進むことができます。また、ラストの上杉謙信だけは「ボーナスステージ」と「ボス戦」しかありません。
操作系は「8方向レバーと3ボタン」です。
8方向レバーでプレイヤーの移動です。
3つのボタンは、左ボタンは左への攻撃、中央のボタンが右への攻撃、右のボタンがジャンプになっています。
前述の通り、後方への攻撃の方がリーチが優れており、これをメインに戦っていきます。
左右攻撃ボタン同時押しにすると特殊な構えを取りますが効果は不明です。構え中にレバー下で特殊モーションの斬りを出しますが、背後斬りのほうが強いので…
ゲームは体力+残機制で敵の攻撃を喰らって体力が減り、0になるか足場から転落すると残機が減ります。残機が無くなるとゲームオーバーです。
雑魚敵を倒すとたまにアイテムを落とします。
取ると色々な効果があります。基本的に損をする物はないので拾って問題ないのですが「風林火山」だけはちょっと工夫が必要です。
「風」「林」「火」「山」と文字が変わり続けるパネルで取ると文字に応じた効果が得られます。一度獲得したパネルは画面上部に表示されます。また、同一パネルを拾ったときは得点になります。
「風」:移動速度が上がる。
「林」:軍配を装備する。正面の敵の攻撃に対して自動的にガードしてくれる様になる。ガードの信頼性が高いわけではないが、それでもかなり有用。
「火」:刀が光りだし、攻撃力が上がる。
「山」:体力の最大値が上がる…が「山」を拾ったときの最大値増加分の体力は回復しないし、ミスをしてのリスタート時にも「山」増加部分は空っぽ(体力回復を取らない限り意味が無い)
「風林火山」全てを集めるとそのシーンだけ通常攻撃が刀を投げる攻撃に変わります。
刀投げはY軸併せて攻撃連打で雑魚敵は何とかなるくらい便利で強力になりますが、その次のシーンでは「風林火山」を全て失います。
風林火山全てを失うのはかなりデメリットといえ、しかもボス面では風林火山は一切出現しないのでボス面の手前で揃えるのはNGな位です。
どれか1つだけ取らないままの状態にし続けた方が楽な気がします。(「山」が余り役に立たない)
一定時間、雑魚を一撃で倒せる様になります。
青地に白の武田菱の様なマークで体力が少しだけ回復する。
ボーナス面でも登場しますが、これはボーナス面内での体力が回復します。
赤地に白の武田菱の様なマークで体力が大幅に回復する…が殆ど見かけない。
取ると得点が増える。兜は1万点とかなり大きい。
残機が増える。当然のごとく余り出現しない。
アイテムと言うよりはステージの仕掛け。
フィールド上にある樽(?)を斬ると爆弾が転がりだして爆発する。
プレイヤー側には影響は無いが敵が爆風に触れると一発で倒すことができるので強力な雑魚敵が多いステージで上手く使うことが攻略のポイント。
キャラクターのぎこちなさ過ぎる動きに、大味すぎるゲームバランス…とゲームとして褒める部分が少ない(失礼)程の珍品ですかね…
横スクロールアクションといえば、1人でアタック連打で多数の敵をぶった切る「某無双」な爽快感が…というイメージがありますが、敵をちまちまと座標を合わせながら1人ずつ背後斬りで斬り続けるのはかなり地味です。
雑魚敵から貰うダメージが、何故かまちまちで少ししか減らないこともあれば、1/3位持って行かれることがあります。
しかも4ステージ目では上杉軍雑魚兵士から1発で半分近くもって行かれたり、ラスボスの上杉謙信は一撃で体力をごっそり持っていくとか…「出来る限り敵の攻撃を喰らわない」のがポイントになってきますが、結構辛いですね。
更に、このゲームはステージクリアしても体力が一切回復しないのが更に難易度を悪くしていますね…
後は「敵に挟まれると死ぬまで弾かれ続ける」…うーん、こういう理不尽さを味わい楽しむのが良いのかもしれませんね。
通常攻撃よりも背後斬りがかなり強く、飛び道具を持たない雑魚やボスもそれだけを1発ずつ当てるだけでなんとかなる…という背後斬りの扱い方次第なのもまた、微妙なバランスです。
更にボスキャラのデザインも奇妙なセンスが…「小笠原長時」の公家とか僧侶とか色々な衣装を混ぜたような格好や「村上義清」はバズーカっぽい筒を小脇に抱えたロボットみたいだし…
余談ですが、このゲームは海外版もあり、タイトルが「サムライファイター シンゲン」…おぉ、何となく『妙な海外で強引なアレンジされた似非侍映画的なタイトル』…侍じゃなくて大名なのに…。
内容はほぼ同等ですが、「風林火山」の4文字が「"SA"、"MU"、"RA"、"I◆"」("◆"は武田菱)に変更されています。