2012年は辰年…ドラゴンが登場する作品でも…と思ったときに「サイバリオン」を思いつきました。
という訳で、今回はタイトーの「サイバリオン」を取り上げたいと思います。
ドラゴン型の戦闘機「サイバリオン」を操作して、ゴールを目指すアクションゲームです。
フィールドは奥行きの無い任意スクロールで幅広の迷路を只管前進していくタイプです。「サイバリオン」は壁以外の場所を自由に移動することが出来ます。
只、操作はレバーではなくトラックボールになっています。「サイバリオン」はトラックボールを転がす速さと向きに準じた移動を行ってくれます。
ボタンを押すと「サイバリオン」は口から炎を吐きます。炎は飛び道具ではなく棒状の火柱を噴出します。炎は画面半分弱ほどの長さですが、
「サイバリオン」を中心としたスクロールの為、結構広い範囲をカバーしてくれるように感じます。
炎を当てると破壊不可能な敵(青く光っている敵の殆ど)を除けば雑魚は全て1発で倒せます。
炎は敵を倒すだけでなく、敵の弾を弾く事も出来る為、クルクル回りながら炎を吐き続ければ結構安全になります。
ボタンを押しっぱなしにすれば何時までも炎を吐き続けられますが、画面下に「FIRE」と書かれた赤色のゲージがあり、炎を吐いている間はどんどん減って行きます。
炎ゲージが減ると、炎の長さや威力が減ってしまうため、常時吐きっぱなしという事は出来ません。
炎ゲージは炎を吐いていない間に徐々に回復しますが、待機しているよりも動いている方が高速に回復します。
これが意外とミソであり、道中は移動し続けているためにゲージ不足に陥る事が少ない反面、ボスとの対決の際は固定画面なので動きにくくなっている為にゲージの回復には
ボスの回避ついでに回復させるか、ボスの動きを見切って同じ場所でクルクル回り続けるか…とちょっと工夫が必要になります。
迷路状のフィールドのゴールを目指し、ゴール地点に居るボスを倒すとステージクリアとなります。5ステージクリアでエンディングになります。
「サイバリオン」は体力制で、敵や敵の弾やダメージ地形に触れるとライフが減ります。
ライフは3以下になるまでは数値として表示されませんが、ダメージを受けるたびに「サイバリオン」の体が徐々に金色から赤に変わって行きます。
8回ダメージを受けると残機が減ります。これ以外にも制限時間があり、これが0になってもミスになります。
残機が無くなるとゲームオーバーになります。
操作系は「トラックボール+1ボタン」。
トラックボールで移動。ボタンで炎を吐きます。
トラックボールを使うものの、操作系は比較的シンプルになっています。
トラックボールというキャラクターを細かく強弱を含めて自由に動かせるデバイスであることが微妙に上手い具合にマッチしており、
フィールドが細長い迷路の為に先を急ぐ為に『トラックボールを激しく転がして』先に急ぐ状況と、
周囲から敵が襲い掛かってきたときに、炎を周囲に撒き散らかして対処するために『ボタンとトラックボールを丁寧に操作して』敵に対処する状況と…
常に引っ切り無しに変わる状況によって操作を変化していく…という面白さを味わえます。
(若干移動の方が多いゲームですが)特殊操作系にしては中々、操作の絶妙さが出ていた作品だった気がします。
敵を倒すとアイテムを落とすことがあります。
アイテムは「小さい丸が沢山くっついた様なもの」と「三角の形状」の2種類が登場します。
丸いほうは得点アイテムで頻繁に登場します。連続して回収し続けると1個当たりのスコアが上がり続けます。
三角のほうはライフ回復です。+1や+2が多めに出ますが稀にMAX回復もあります。
極稀に「大きな○」のアイテムが出ることがあります。これは殆ど見かけない変わりに「体力全回復+一定時間無敵+攻撃性能UP」という便利なものになっています。
このゲームは初心者向けの「基礎編」と難易度と得点が高い「実戦編」の2つがありますが、どちらも全5ステージのみです。
物足りない数ではありますが、「実戦編」はプレイする度にステージがランダムに変わるので、何度でも目新しいステージが楽しめます。
また、変化はプレイ中の腕前(ミスの回数やスコア)にも影響する事があります。
ステージだけではなくボスキャラも変わることがあります。特に、一定スコア以上で無いと出現しないボスも居たりします。
さらに(ステージスタート時に表示される)ストーリーとエンディングも変わるため、何度でも楽しめるつくりになっています。
これ以外にもステージスタート時に特典が貰えることもあったります。いきなり1UPしたり、炎攻撃が超強力になったり、一定時間無敵になったり…と龍の様に変幻自在な展開は実に面白いものです。
只、こういったプレイするたびにランダムで変わるゲームは他では殆ど見かけないあたり、一般的にはどうだったんでしょうか…ハイスコアとか…
前述のとおり、ストーリーとエンディングはプレイするたびに変わるのですが、
エンディングの種類は約100種類あり、さらにミスやダメージやクリアタイムなどにより変化する事もある為にちょっとしたプレイ回数では全て見ることが出来ません。
ストーリーの大半は「メカドラゴン『サイバリオン』で地球侵略を企む異星人の星を倒す」類のようですが、
5面をクリアしても地球侵略が防げずに既に地球が滅亡していたり、仲間が犠牲になったり、敵の惑星を撃破したものの主人公が異星人の残党に襲われて生還できなかったり、
主人公が異星人に体を乗っ取られ地球侵略を行おうとしたところで辛うじて残された希薄な意識で自爆ボタンに手をかける
…というショッキングなバッドエンドに辿り着く事も多い…というか約100種のエンディングの半分は何らかの犠牲がある内容になっています。
他には主人公や仲間や敵にダライアスやレイメイズ等の同社のゲームの人物が登場する展開になることもあり、思わぬ方向で楽しませてくれます。
宇宙・惑星での闘いを想像させる美麗なグラフィック。そして、それをのんびりと眺めさせてはもらえない程に引っ切り無しに襲い掛かってくる敵
…ルールはシンプルなのですが、とにかく(回避と移動で)常に操作し続ける緊張感はプレイすればすぐに味わえると思います。
「サイバリオン」は仕様上専用筐体である以上、中々プレイできる機会は少ないでしょうが、でも見かけたら是非プレイしてもらいたい作品だと思います。
家庭用にも移殖されていますし、今回初めて知った方でしたら試しに触れて損は無い作品かと思います。