世の中には「風変わり」なゲームも多々あるものですが、その「風変わり」な一面によって、
有名になってしまうゲームも多々あります。
今回はそんな作品「大江戸ファイト」を取り上げたいと思います。
「大江戸ファイト」は(やや誇張表現気味の)江戸時代の日本風の世界観の格闘ゲームです。
プレイヤーは9人のキャラクターから1人を選んで対戦をする…という一般的なルールですが、内容が一般的ではないです。
まず、キャラクターが「実写取込み」であることです。
(前作に相当する作品「富士山バスター」では全てドット絵だった)
忍者や侍等のキャラクターや背景全てが実写取り込みで「モータルコンバット」を彷彿とさせる様な味のあるモーションを繰り広げてくれます。
また、「モータルコンバット」をモチーフとしているのか、やたら血が出ます。
ダメージを受けたときは勿論、連続して攻撃を食らったときに発生する気絶時も大量に体から血が噴出しています。
只、出血の演出もホラー性よりもコミカルさがあり、ある程度の演出なら平気という人にとっては
「馬鹿馬鹿しいくらいにありえない」というお笑いに近い雰囲気になっています。
ルールは、通常の格闘ゲームと同様にお互い技を繰り出してダメージを与え、相手の体力を0にしたら1ラウンド獲得となり、
2ラウンドを取ると勝利になります。
また、2ラウンド勝ったときに「モータルコンバット」の様に相手に止めを刺すことが出来ます。
負けた相手は気絶状態になり、勝利側は任意のボタンを押すことにより止めが発動されます。
止めは通常必殺技と同じですが、喰らった相手が真っ二つになったり、木っ端微塵になったり…と
「モータルコンバット」に負けないくらいの演出になっています。
因みに、一定時間以内に止めをささなかった(ボタンを押さなかった)場合、止めを刺さずに勝負が終了します。
(勝った側は普通の勝利ポーズをとり、負けた側は感謝する等の特別なモーションを取る)
こういった流れを繰り返し、全ての敵を倒すとエンディングになります。
操作系は「8方向レバーと4ボタン」。
レバーでキャラクターの操作。左右方向で移動、上方向でジャンプ、下方向がしゃがみ、敵の攻撃に対して後ろ方向がガード…
とこのあたりは一般的な格闘ゲームと同じような操作系になっています。
ボタンは攻撃(強弱のパンチとキックの計4つ)になっています。
操作自体は他の格闘ゲームと同様になっています。
このゲームに登場するのは全9キャラ。
侍の「金四郎」、忍者の「嵐」、河童の「三平」、鎧武者の「秀月」、
くのいちの「霞」、歌舞伎の「獅子丸」、「五右衛門」、「弁慶」と、なぜか地蔵の「一休」
名前は日本的だが「ちょっとどこか可笑しな」雰囲気を醸し出している、濃いキャラたちです。
「弁慶」も名前の割には細腕で(笑)背中に槍とか長刀を大量に持っている割には爆発する鉄球とか投げてくるし、
地蔵の「一休」は見た目からして間抜けすぎる…等、「こんなキャラをよく作ったものだ」と違う意味で感心します。
必殺技はキャラクター選択画面に表示されているのでインストが無くても安心…でも2〜3個くらいしかないですが…
とにかく見た目の濃さに惹かれたゲームでした。
モータルコンバットが好きでしたので、抵抗無く楽しめました。
グロというよりはちょっとコミカルな感じもあるのですが、ちょっとこの時点で一般受けは難しかったのかもしれませんね。
結構連続技重視の展開で、あっという間に体力を奪える技もあったり…格闘ゲームとしても強烈なインパクトがありました。
個性としては結構トップクラスのゲームだったのかもしれません…がイロモノとして見られていたのか、どうも有名になりきれませんでした。
まぁ、格闘ゲームといえば2DはカプコンとSNK、3Dはセガとナムコ…という流れになってしまったのか、
あまりそれ以外のメーカーの作品は注目されにくい感じでもありましたが、その雰囲気に飲まれてしまったのかもしれませんね…。