個人的名作124

フォゾン(ナムコ・1983)

 

 昔のナムコは『挑戦作』ともいえる様な異色なゲームが多々有りましたが、その1つとも言える作品がこの『フォゾン』ではないでしょうか。
 今回は『フォゾン』を取り上げたいと思います。

【結合…科学?】


 プレイヤーは『ケミック』を操作し、画面上に存在する『モレック』と結合し、指定された図形を作成するゲームです。
黒い丸っぽいのが『ケミック』。周りに浮遊している粒粒がついたボールみたいなのが『モレック』。 幾つかのカラーボールの塊みたいなのが『アトミック』です。
 モレックは周囲を漂っており、プレイヤーの操作するケミックと斜め4方向のいずれかと接触すると結合されます。
 更に別のモレックに対し、ケミック本体もしくはとケミックと結合したモレックの4方向いずれかと接触すると、そのモレックも固定されます。
 こうして沢山のモレックと結合し、指定されたフォーメーション(フィールド背景に表示されている)を作るとステージクリアとなります。

…くっつけるだけのゲームという訳ではなく、敵もちゃんと居ます。
『アトミック』が敵に相当し、アトミックとケミックが接触するとミスになります。 また、アトミックは弾を出し、これが結合中のモレックに当たるとモレックが消滅します。

 アトミックは通常は倒す事が出来ませんが、一回り大きな『パワーモレック』と結合したときは一定時間だけ反撃する事が出来ます。
 只、『パワーモレック』は余り沢山登場しないので…回避重視の展開が多くなります。

 パワーモレック等による無敵中以外にアトミックに触れた場合はミスとなり、残機が減ります。残機が無くなるとゲームオーバーになります。
 また、ステージ当たりのモレックの数は決まっており、指定されたモレックを全て使っても指定された図形が作れなかった場合、 ステージの最初からやり直しになります。

 

【不思議でも操作は普通】

 操作系は「8方向レバー+1ボタン」。
 レバーで『ケミック』の移動です。
 ボタンは『モレック』の分離です。
 ボタンを押すと最後に結合した『モレック』を分離するので、付け間違えたときに使用します。  但し、『ケミック』を外周付近に移動させ、最後に結合した『モレック』が画面端にくっついているときは、 その『モレック』は分離せず、最後から2番目の『モレック』が分離されます。
 最後から2番目の『モレック』を間違えてつけたが、分離する前に正しくモレックを付けた場合等に使用するテクです。
(最後から2番目の画面端ならば3番目…と遡って一番最近の『モレック』が分離される)

 また、(完成形より1個多く『モレック』をくっつけた状態で)分離により完成形が出来た場合はクリアとなりません。 もう1個分離させ、再結合させる必要があります。
 ボーナスステージではボタンはショットとなり、『アトミック』を倒す事が出来ます。

 

【簡単そうだけど…】

 中々個性的なシステムなだけあって、ややとっつきにくい感じもありますが、実際にプレイすると慣れるまでは思った以上に難しいです。
 やはり『モレック』を上手く結合させるのが難しいだけでなく、敵キャラのアトミックの妨害が非常に邪魔 …回避がかなり難しいだけでなく、アトミックの弾で折角繋げて来たケミックが消されて…と兎に角、妨害の雨霰…
 とにかく難易度が高いゲームに仕上がっています。

 只、こういう意味不明な世界観とゲームシステムになぜかついつい熱くなってしまうのが…計算なのか偶然なのか…本当に不思議なゲームでした。
 実際にプレイしてみると、『こういったアクションを思いついてゲームにしてしまう』 クリエイターの力と当時のナムコの勢いというものなのかもしれませんね。  

 

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