「技・脳・体」に続く、ナムコの専用筐体物の能力測定ゲーム「テクノドライブ」。
今回はこの作品を取り上げたいと思います。
「ドライブ」の名前の通り、ハンドルとアクセルとブレーキを使って車を操作するゲームです。
プレイ内容に応じて、ゲーム終了後にプレイヤーの腕前がプリントアウトされます。
「技脳体」をご存知なら、これの操作系がハンドルとペダルになっただけということです。
コイン投入後、プレイヤーは3つのジャンルから1つずつミニゲームを選んでプレイします。
最初はハンドルだけを使用したゲームから1つを選んでプレイします。
次はアクセルペダルだけを使用したゲームを、最後に両方を使用したゲームになります。
それぞれプレイ後に結果に応じた評価がされ、全ゲーム終了後に総合結果がプリントアウトされます。
評価は、「技脳体」と同じように 0%〜100% の間で評価されます。
…が、今回はとある条件を満たしたときに限り100%を超過した結果を得ることが出来ます。
その条件は『全ゲームを100%以上の結果でクリアすると出現するミニゲームをノーミスでクリアする』です。
達成できなかったときは100%でカンスト。達成したときは結果に応じた値が最終結果となります。
100%超過の結果が出ることにより、100%を出しただけでは終着点とはならず、
最高のハイスコアを求めて更に究極の技術を身に付ける必要が出てきます。
この辺りは、100%がカンストとなる「技・脳・体」(厳密には100%がカンストではないが…)よりも長く遊べるように出来ていますが、
「ハンドル」「ペダル」「総合」の各ジャンルのそれぞれのゲームの最高点が異なる為、
ハイスコアを出すにはそれぞれのジャンルで最高点が最も高いゲームを選ぶしかないのが、バランスの難しいところでもありますが…
(確か、「テクノドライブ」にはインターネットランキングがあったのですが、
そのときのランキングトップクラスの人が選んだゲームは殆ど同じだった)
テクノドライブでプレイできるゲームの種類です。
ゲーム内容自体は「リアルな運転技術」を測定するものではなく、「ハンドルとペダルを使ったミニゲームをプレイする」様な内容になっています。
基本的に操作する車は決まった速度で自動運転され、それをプレイヤーが巧妙にハンドル操作をして目的どおりのゴールを目指していきます。
ゲーム名
内容
動体視力
パイプ状の道路にランドルト環(視力検査の”C”みたいなやつ)の形をした壁が多数存在します。
プレイヤーはハンドルでパイプを回転させ、壁の隙間に車を通してゴールを目指します。
車幅間隔
車はパイロンや穴のあいた壁のある道路を自動走行します。
できるだけパイロンや壁に当たらずにゴールを目指します。
誘導反射
車の前方にボールが置かれています。ハンドル操作でボールを前方へドリブルしながらゴールを目指します。
決断力
分かれ道のうち、青信号のほうを選んで進んでいくゲーム。
分かれ道ギリギリまで信号が変わらないこともある。
高速適応力
自動で高速で走行する車をハンドルのみで制御し、他の車に当たらないように進んで行くゲーム。
車は一本道を移動するので、アクセルとブレーキで目的通りの運転をしましょう。
ゲーム名
内容
ジャンプ技術
前方にあるジャンプ台に時速150キロ丁度で突っ込ませる。誤差があるだけ減点。
スタートからアクセルを踏みっぱなしにし、時速160キロ前後でアクセルを離すと、いい感じの速度になる。
パワー制御
一定速度で移動している四角いレーザーに囲まれた状態で走行している車をレーザーに当たらないように
アクセルとブレーキで制御(上り坂ならアクセル。下り坂ならブレーキ。)していくゲーム。
難易度が非常に高いが、ノーミスならかなりの高得点が出る為、ハイスコアには必須ゲーム。
度胸
「チキンレース」の一言で説明が終了するゲーム(笑)
状況判断力
道路の前方に振り子のように左右に移動する岩(?)が多数あります。
アクセルとブレーキを使って、岩に当たらないようにゴールを目指します。
反応速度
車の前方に巨大な目玉が出現。「だるまさんがころんだ」の要領で目玉が閉じているときのみ前進可能。
完全停止しないとミスになるので、ペダルのメンテナンスが結果にかなり響く。
面白いゲームもあれば、極端に難しいものも…
ゲーム名
内容
思考リンク走行
走行中に計算問題が出現。その答えの数字を体当たりして破壊しながらゴールを目指す。
連続集中走行
コース上に大量の旗があり、それを回収しながらゴールを目指す。
スピン走行
後輪がボール状の車を操作してゴールを目指す。
車の制御が非常に難しく、コーナーも慎重に曲がらないと滑りまくる。スピンすると減点。
スムーズ走行
車の後部に液体入りの容器が詰まれた状態でコースを走り、できる限り液体をこぼさずにゴールを目指す。
バック走行
その名の通り、バック走行でゴールを目指す。
他の車にぶつかるとミス。
選んだ3つのゲームの結果が全て100%以上のとき、ミニゲームが登場します。
ミニゲームは「技脳体」の「連続反射能力」のようなゲームで、画面上部から人形が落下してきます。ペダルを踏むとボールが発射され、
それが人形にヒットすると上に弾き飛ばされます。(ハンドルは発射位置の調整)
この要領で制限時間内に人形を画面下に転落させなければクリアとなります。
クリアできた場合は前述の通り、各ゲームの成績が100%を超過した値で表示されますが、
失敗したときは結果に関わらず100%以上の成績は100%として扱われます。
3つのゲームの成績の平均が150%を超えると「神」と評価されます。「神」の評価自体は簡単に150%を超えるゲームだけを選べば、
達成はそんなに困難では有りませんが、150%を更に大きく超える成績を出すのは高難易度のゲームを完璧にクリアする必要があり、
ハイスコアにはかなりのゲームスキルを必要とします。
(逆を言えば、特定のゲームで無いとハイスコアが出せませんが…)
また、評価には100%達成以外にも、各ゲームで特殊な行為
(「決断力」で全て赤信号を通過する。「度胸」でブレーキを踏まない等)を行うと
「異常判定」とされ、特殊なコメントが印字される事があります。
こういった微笑ましいお遊びを作り込んでいるあたり、開発者の気合いを感じずにいられません。
ゲームの説明は結構簡単に書いていますが、実際にプレイするとどれも慣れが必要で、
高得点をたたき出すにはある程度のやりこみが必要です。
ですが、ゲーム自体がやり込みたいと思いたくなるほど非常に面白い出来なのがこのゲームの素晴らしいところでしょう。
シンプルなルールにシンプルな操作系…そして高得点を目指したくなる熱さがこのゲームにはありました。
只、「技脳体」同様に専用筐体である上、バージョンアップもされなかった為、
長期にわたってゲーセンに設置される事が無かったのがちょっと残念です。
専用筐体のゲームの宿命でもありますが、「テクノドライブ」はとても楽しめる作品だけに惜しい感じがします。