個人的名作

スペランカー(アイレム・1985)
スペランカー2 〜23の鍵〜(アイレム・1986)

 

〜 スペランカー 〜

 ♪穴に落ちればすぐに死ぬ〜、フンに当ればすぐに死ぬ(ファミコン版(以下FC版)スペランカーのテーマに勝手に作詞)
 誰が決めたか知らないが、「最弱の主人公」としてファミコンでは超有名な「スペランカー」。 今回はそのアーケード版を取り上げたいと思います。

 

【最弱…じゃないみたいだが…】

 FC版をご存知なら話が早いのですが、要するに「地底探検」というやつです。
 上下方向に重力があるフィールドで、プレイヤーはジャンプとショットを駆使して地底目指して探検をしていきます。

 各ステージの最下層にはゴールがあり、そこまで辿りつくとステージクリア。4ステージクリアでエンディングとなり2週目が始まります。
 エンディング等のメッセージを見る限り、アーケード版は「地底に存在する幻の国を目指して…」というストーリーらしいです。
 

 FC版同様、各ステージには鍵と誰が設置したのか知らないが鍵のかかった扉があり、 ステージのどこかに有る鍵を拾って扉を開けて進むと言う流れになっています。

 FC版と似たようなゲーム進行ですが、異なる点の1つに「エネルギーが高速で減少する」という点があります。
 FC版でもエネルギーは存在し、無くなるとミスになりますが、減少速度が遅いので(普通に進行していれば) 無くなってミスになりにくいです。
 アーケード版ではエネルギー回復(水色の薬瓶)はたくさん落ちていますが、エネルギーの減少速度が非常に速く、 ちょっと手間取るとあっという間にエネルギーが無くなってミスになってしまいます。
エネルギー切れを防ぐ為に『(スコアはゲーム上大きな影響が無いので)得点アイテムを諦めた方が安全』というケースも出てきます。
 アーケード版の流れとしては『鍵とエネルギー回復の有る場所を経由しながらゴールを目指す』という感じになっています。
 

 さて、気になるのがミスの条件ですが、前述の『エネルギー切れ』の他に『爆弾の爆風に巻き込まれる』『敵や敵の攻撃に当る』とミスになります。
 『アーケード版はライフ制』と言われているらしいですが、いくらエネルギーが残っていても敵に当ると即ミスです。
 (アーケード版の)続編にあたる「スペランカー2 〜23の鍵〜」はライフ制になっていますが、 『ライフは一応有るけど無いも同然』という仕様になっています。(詳しくは後述)

 只、FC版で有名(?)な転落によるミスだけは変わっており、どんな高さからでも転落しただけではミスにはなりません。
 アーケード版の主人公は膝が丈夫な様です…が落下中はエネルギーの減少速度が上がるので、 状況によってはエネルギー切れのミスに繋がることもあります。

 ステージ構成はFC版と似た感じ(ゲームスタート時のゴンドラや道中のトロッコ(?)等)もありますが、 全体的にはFC版とは異なった仕組みになっていたりします。
 また、『特定の場所に移動すると隠し通路が出現する』ことがあります。  特定の場所に触れると壁や足場に穴が開いたりロープが追加されて移動できるようになります。
 隠し通路によっては、鍵を使わずに扉の先へ進むことも可能になるケースもあり、攻略において非常に重要になったりします。
 あと、FC版4面にある偽物のピラミッド(?)はアーケード版には『ちょっとした仕掛け』があります。 FC版で再現されなかったのは、何故なのだろうか…

 洞窟内に居る敵は「蝙蝠」と「幽霊」だけでなく、アーケード版オリジナルの敵がたくさん登場します。
 FC版同様、殆どの敵をショットで倒すことが出来ます。因みにFC版とは違い、ショットを使用したときにエネルギーが大幅に減ることはありません。  また、『マシンガンを撃つ』のではなく、『前方に短い射程の弾を撃つ』感じになっています。
 

 
敵キャラ 特徴
芋虫  水色の芋虫。特定の範囲を左右に移動するだけ。
ショットを当てると一定時間気絶させることが出来、気絶中は触れてもミスにならないので、 単体で居るときは問題ない敵。
 しかし、完全に消滅させることが出来ない上、気絶状態の芋虫をショットが貫通しない為、 他の敵と一緒に居るときは芋虫にショットを止められてしまうので非常に凶悪な敵。
幽霊  FC版でもおなじみの幽霊。
プレイヤーが特定の場所を通過すると登場する。
FC版よりも高速で移動するが、ショット1発で倒せる(当てた瞬間に消滅する)ので対処は楽… というか逆によっぽどのことが起こらない限り、こいつにやられる要素がないと思うくらい弱い。
蝙蝠  FC版と異なり、フンは落とさない。
特定の範囲を左右に移動し、プレイヤーが真下に来たときに降下して襲い掛かってくる。
アーケード版は「フラッシュ」が無いので、降下を誘う等してショットで倒すしかない。
偽の岩  洞窟内のジャンプで飛び越せる小岩に似た姿をしているが、プレイヤーが近づくと炎を吐いてくる。
ショットを当てると芋虫と同じように一定時間気絶になり、消滅させることは出来ないが、 他の敵と一緒に出るシーンが少ないので、芋虫ほどの脅威は無い。
 黄土色の敵。普段は静止しているが、プレイヤーが近づくと周辺を飛び回る。
高速で移動するが、下手に近づかなければ危険は少ない。
一角獣  全身が黒く、巨大な体をした敵。
一定範囲を左右に歩き回り、プレイヤーを見つけると剣を投げて攻撃してくる。(剣はショットで破壊可能だが高速で射程は無限)
倒すには5発必要だが、剣を消しながら近づき、接近(だいたい1キャラ未満くらい)してショットボタンを押しっぱなしにすれば、比較的楽に倒せる。
後半ステージでは芋虫と一緒に居ることが多く、このときは強敵と化する。
火柱  敵と言うよりは罠かな…。特定の場所には上下に高さを変える火柱がある。
低いときにジャンプで飛び越せるが、火柱が一番低いときは当たり判定が無いので上を歩いて通過することが可能。

※敵キャラの名称は、バキューブJr.が勝手につけた名称であり、実際の名称とは異なる事があります。 

 

【探検のイロハ】

 操作系は「4方向レバー+2ボタン」。
 レバーでキャラクターの操作。右ボタンで「ジャンプ」、「左ボタン」でショットになります。
 「ジャンプ」はキャラクターが普通にジャンプします。空中での制御などや押した長さによる使い分けなどはありません。
 「ショット」はプレイヤーが弾を撃ちます。射程は画面1/3程で連射は出来ません。一部の敵に当てると弾がすぐに消えず、 次が中々撃てないことがあります。

 

【地中深く…】

 「落ちても死なない」という違いが有りますが、難易度に関してはFC版よりも高いと思います。
 FC版は攻略手順が分かれば後はジャンプミスに気をつければ、中々ミスらないという流れになることがありますが、 アーケード版はジャンプミスよりも「敵の対処」という部分が非常に難しいです。特に前述の芋虫と一角獣が一緒にいるシーンがかなり手強く、 一角銃を倒そうにも芋虫が邪魔で中々ダメージを与えられないが、時間を掛け過ぎるとエネルギーが無くなる…という事になります。 しかも一発で即ミス…。躓くとキツイゲームとなっています。
 芋虫如きが微妙なバランスを作り上げてしまっているのが妙に微笑ましいと言うか、何というか…。

 また、回復薬の配置場所は『普通にアイテムと鍵を回収しながら進めば、とりあえず持つ』様に作られていますが、 稀に正しいルートを通らずに鍵を取り忘れたりするとハマることがあります。
 アーケード版はミスをしたとき『最後にアイテムを拾った場所からリスタート(一部例外あり)』になっています。 リスタート場所から鍵を取りに戻るのに全エネルギーを消費する時間近くかかる距離の場合、取りに行くのが困難になります。  仮に取れたとしても戻るのが困難です…。回れる所をきちんと回れば取り忘れる事は少ないのですが、一応気をつけた方が良いです。


 全体的にFC版と比べると「膝の高さ分だけ転落で即死」「蝙蝠の糞で即死」等の俗称が付けられるほどの強烈なインパクトが無く、 『普通の難しいだけのアクションゲーム』という感じになっている気がします。笑いのネタにもなりにくいかもしれませんね。
(まぁ、FC版のインパクトは強烈過ぎるくらいですからねぇ…)
 ちなみにVGMはFC版とは全く違うものになっています。あのミスしたときのテーマもありません…。

 

〜 スペランカー2 23の鍵 〜

【本当に23個有るのか知らんが…】

 「スペランカー2 23の鍵」はアーケード版のスペランカーの続編に当たる作品です。
 ゲームの内容は『前作スペランカーとほぼ同等なルールでマップが異なっている』と言う感じになっています。

 変更点としては、隠し通路の出現条件が前作では『特定の場所を通過する』だけだったのに対し、今回は『特定の場所をショットで撃つ』 『特定の壁は通過することが出来る』『特定の場所で爆弾を使用する』等、色々な仕掛けが組み込まれています。
 只、『特定の場所で爆弾を使用する』場合、ストックがないと詰みのようです…無駄遣いしないようにしましょう。

 他には敵キャラに変更が入りました。
 前作の芋虫のように『一定時間気絶』する敵は居なくなり、全ての敵をショットで消滅させる事が出来るようになりました。 (一部、ショットが撃てない場所にいる敵は倒すことはできない)
 但し、一部の敵は一定時間後に再度復活します。
 一角獣も別の大型モンスターに差し替えられ、飛び道具に射程距離がつくようになりました。
(厳密には斜め下に撃ったり、ブーメラン風に飛んだりする)
 また、前作の雑魚の幽霊が3つの火の玉のオプションを引き連れて登場。 火の玉は幽霊の体の周りをくるくる廻り、こちらのショットを防ぎますが、その隙間を縫ってショットを当てれば…やはり雑魚。

 最後に有名な「エネルギーゲージ」の仕様変更。
 時間で減り続け、回復薬(今回は赤い薬瓶)を取ると全快するのは同じ。 但し、今回は敵や敵の弾に当たると即ミスにならずにエネルギーが減少するようになっています。
 …が、敵に当たっても敵は消滅しないし、キャラクターも無敵化しない為、敵に触れ続けるとエネルギーがどんどん減ってしまいます。
 エネルギーが満タンでも1秒持たずに0になります…。一瞬だけ触れる程度ならミスになりませんが、 普通は敵に触れると殆ど持って行かれるので、即ミスに近いです。
 また、回復薬の置かれている間隔が結構長いので、一度的に触れてエネルギーを減らしてしまうと、次まで持たずにミスになることもあります… 要するに『ライフ制という割には、敵に触れたらミスに近い状態になる』と言う事です。
 

 それ以外は基本的にはルールは前作と同じです。鍵と回復薬のある場所を経由しながらゴールへと進んでいきます。
 全6ステージのループ制になっています。

 

【再度探検したいこともあるのでしょうかねぇ…】

 芋虫の削除とライフ制により、「敵の対処」はある程度はやりやすくなった感じもあります。
 だからと言ってそんなに簡単になった訳でもなく、相変わらずの難易度の高さだったりします。
 前作でもそうなのですが、出来が良くても『即死しやすい』ゲームは意外とやりこまれにくい感じもあるので、ちょっと勿体無いかな…。 アーケード版もFC版並に『強烈なインパクトを持つ作品』だったらもうちょっと有名になれたのかもしれませんが…。

 

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