SNK…格闘ゲームがブームになった時期なら誰もが聞いた事のある会社名ですが、
その歴史は古く、かつてはこんなゲームも作っていました。
今回取り上げるのは、SNKの「ファンタジー」です。
さらわれたシェリーを助ける為に主人公が様々な冒険に挑むアクションゲームです。
操作系は4方向レバーのみで、ボタンはありません。スタートボタンはありますが、ゲーム中のアクションには使用しません。
レバー1本+ボタンやレバー2本というタイプのゲームは多々ありますが、レバー1本だけというのは珍しいです。
レバーはキャラクターの移動のみですが、それだけでも十分な面白さがあるゲームとなっています。
ゲームは残機制で敵に当たるなどのミスで残機が減り、0になるとゲームオーバーです。
只、当時では珍しくコンティニューがあったりします。
全8ステージの構成になっており、8ステージクリア後ループとなるタイプのゲームです。
シェリーをさらった海賊船(?)を気球に乗って追いかけていき、上手く船に着地できればクリアとなります。
海賊船からは大砲の砲撃がありますが、真上、右斜め上、左斜め上しか撃たないので見切るのは簡単です。
海賊船(?)での戦いです。
主人公が左右を向いているときに剣を振り回すので、これで敵を全て倒します。言い換えれば左右から敵に当りにに行けばOKです。
但し、ステージ中央に大砲(というには小さいが…)が置いてあり、主人公と上下左右のラインが合うと砲撃してきます…が、
大砲の上下左右に居続けなければ当たる事はありません。
海賊を倒しシェリーを助けたかと思いきや、どこからとも無くやってきた鳥にさらわれてしまいます。
『3000KM ススメ』の指示と共に気球に乗って強制横スクロールになります。
鳥と地上にいるゴリラの投げる木の実の妨害をかわしつつ先に進んでいきます。
ゴリラは大したことも無いのですが、鳥が意外とスピードがあるので注意。結構3000キロが長いので疲れるステージ。
シェリーが連れ去られた木に到着。しかし何故鳥が3000キロも離れた場所に連れて行ったのだろうか…
5階層の木の最上段に上るだけのステージですが、上からはサルや鳥が木の実を投げて妨害してきます。
また、2〜4階にはリスが歩き回っていますが、なぜかリスに触るとミスになります…毒リス?
シェリーを助けたと思いきや、訳のわからない生き物に再びさらわれてしまいます。
シェリーを追いかけて森の中を進みます。ステージ3の様に強制横スクロールです。
2000キロ歩くとクリアになりますが、2000キロ…歩くのかよ。
敵は後ろから襲い掛かってくるトラと森の木から飛び出してくる謎の敵。どちらも動きは単調なので楽でしょう。
あと、何故か木に当たるとミスになります…打ち所が悪かったのかな?
2000キロ先に辿り着いてみると、シェリーが怪しげな奴等に火炙りにされそうになっています。
しかし、奴等が何故2000キロかけてさらって来たのか…については触れないほうが良いですかね。
ステージ2と同様に剣で戦います。ステージ2と比べると壁が多いですが、大砲が無い分ステージ2よりも楽です。
ようやくシェリーを助けたかと思いきや今度はヘリコプターがやってきて、シェリーをさらっていきます。
海賊やら怪鳥が出てくると思いきや、今度はヘリコプター…どういう世界観なのか…と言わずに追いかけましょう。
再び3000キロの横スクロールです。ヘリコプターは真っ直ぐ進みますが、時々高度を変えてきます。
海面ぎりぎりを進み、ヘリが当たりそうな高度で来たら上に移動してかわす…を繰り返すだけで行けます。
3000キロ飛んだ先はお城。「キングアンドバルーン」を思い出したのは私だけではないはず…。
お城にはたくさんのヘリコプターと大砲があり、大砲はプレイヤーと真上か斜め上になると弾を撃ってきます。
大砲の弾に当たるとミスになりますが、ヘリコプターに当たると倒す事が出来ます。
ヘリコプターを全て倒すとお城の中に着地する事が出来、ようやくシェリーを助ける事が出来ました…。
二人で幸せそうに帰っていきますが…残念ながら2週目が始まり再び海賊船に…(以下エンドレス)
このゲームを初めて見たのは数年前、某レトロゲーム系で有名なゲーセンでした。初めて見たときは「ボタンは?」と、ちょっと戸惑ってしまいました。
「ファンタジー」はずいぶん昔のゲームですが、それでも当時のゲームの殆どはレバー1本だけという操作系はありません。
必ずと言って良いほどプレイヤーには「移動」と「攻撃などのアクション」を取らせるのが普通です。しかし、このゲームには「移動」だけを
プレイヤーにさせるだけ…ある意味寂しい感じもしないでもありませんが、逆に『独自性』という部分でもあるのかな、と思ったりします。
レバー1本だけの単純なアクションですが、『単調さにはまる』というのでしょうか、途中でミスをすると思わず熱くなってしまいそうな感じもありました。
『名作』と言うには賛否両論あるかもしれない作品ですが、私はこういった異色性は嫌いじゃないですね。