個人的名作62

出世大相撲(テクノスジャパン・1984)

 

 スポーツゲームは数多くあれど、『相撲』は余り多くない感じもします。
 でも、今から20年以上前、『相撲』のアーケードゲームが登場しました。それが、今回紹介する 『出世大相撲』です。

 

【 東ぃ〜 】

 ルールは簡単。ごく普通の相撲で横綱を目指していくゲームです。

 操作は「8方向レバー+2ボタン」です。
 レバーは、プレイヤーの操作と技を仕掛けるのに必要です。
 左のボタンは「技ボタン」です。レバー前なら「突っ張り」。レバー斜め上前なら「張り手」等、 レバーとの組み合わせで様々な技を出す事が出来ます。
 相手に組まれたときや相手を組んだときにも使用し、連打することにより有利になります。
 あと、技だけでなく立ち合いのときにも使用します。立ち合い時、画面下に数字が表示され高速でカウントダウン されます。「0」に近いときに押すと立会いで有利になります。
 右のボタンは「気合いボタン」です。『気合い』を消費して強力な技を出す事が出来ます。
 

 アーケードゲームだけあって、1場所15番勝負ではなく3番勝負となっています。勝ち越した場合は、 上の位に昇進して次のステージに進めますが、負け越した場合は即ゲームオーバーです。
 また、最高位の横綱になった場合は負けた時点でゲームオーバーです。

 

【 西ぃ〜 】

 とにかくガチンコ相撲勝負、「突っ張り」で敵を押し出すのも良し、「張り手」で突き倒すも良し、 単調な操作性ながら、様々なことが出来るゲームです。
 「突っ張り」等の打撃技のほかに相手に組み付いたとき、画面下に『根性』ゲージが表示されます。 ボタン連打するとゲージが増え、MAXになるとレバーとの組み合わせで技を掛けられます。 「寄りきり」「上手投げ」「浴びせ倒し」「釣り出し」「すくい投げ」…かなり種類があるようです。
 また、相手に組まれてしまったときは『辛抱』ゲージが表示され、ボタン連打でMAXにしないと相手に 技を掛けられてしまいます。

 操作の話し少し触れましたが、このゲームには「気合い」というものがあります。「気合いボタン」を押すと 『気合い』を消費して一定時間パワーアップし、強力な攻撃が出来ます。
(『気合い』中の突っ張りは、相手をかなり吹っ飛ばすことが出来る等…)
 また、『辛抱』『根性』ゲージの上昇速度が上がり、軽い連打でも勝てます。 『気合い』の使用は白星への近道となっています。(というか、無いと勝てない…)
 

 『気合い』は、相手に技を4回仕掛ける度に1個追加されます。また、『辛抱』ゲージをMAXにしたときも 1個追加されます。『気合い』は30個までストックされます。

 

【 『気合い』を溜めろ 】

 ある意味『気合い』を溜める事が横綱への近道ともいえます。しかし、1番で技を4度も決めるのは かなり大変です。(技を4度決める前に勝負がつくこともあるし…)

 只、簡単に4度技を決める方法があります。序盤の敵に張り手(レバー前斜め上+ボタン)を 当てると『いてぇ〜』と言いながら、全身を真っ赤にして怒り出します。
 怒った状態では突っ込んできますが、ボタンを押さずにレバー上または下の捌き動作で避ける事が可能です。一度捌くと 続けて捌く事が可能です。(レバー連打ではなく、敵の「おっとっと」の最後の「と」辺りを見たら レバーを上または下)
 捌きも技扱いなので、これを4回やれば『気合い』が溜まります。MAXの30個まで100回以上必要(汗)ですが、 MAXにしておけば、横綱への道が開けます。
 MAXにしたら「捌いた瞬間にボタン」の「はたきこみ」で決めてしまいましょう。

 また、一定時間以上経過した場合も敵が怒り出します。同様に『気合い』を溜めるチャンスになりますが、 後半はそこまで粘るのは難しいかもしれません。

 

【 敵は十人十色? 】

 番付は「幕下」「十両一〜四」「前頭一〜五」「小結」「関脇」「大関」「横綱」となっており、 前頭までは勝ち数に応じて昇進先が変わりますが、小結以降は2勝1敗でも全勝でも1つ上に昇進します。

 対戦相手は、自分の番付付近の敵が登場するのですが、それぞれが個性的です。幕下の名前の通り「よわの里」や 十両の吊出しが得意な「つりの山」等、名前がその敵の特徴を現していることがあります。
 敵一人一人は基本的な攻め方が変わるだけではなく、勝負前の立ち合いや顔なども違います。 細かい部分ですが、開発者の拘りのようなものを感じます。…でも相撲取りに髭は…。

 特に印象的なのは「にげの谷」等の避けるタイプ。彼らはこちらの攻撃を捌いてから攻撃する タイプで、突き進むだけではかならず捌かれてやられます。一人一人に対してキチンと攻め方を変えないと いけないのが、このゲームの良く出来ている点だと思います。

 あと、敵の力士に「所属部屋」が表示されるのですが、一部の敵には 「こどもべや」とか「てつこのへや」 …とかがあったり…。「てつこのへや」って、歴史はあるけど、話ばっかりする相撲部屋なのかねぇ…。

 

【 個人的には大好きでした。 】

 何度か書きましたが、このゲームは「細かいところ」を拘っているところが印象的でした。
 発生は稀ですが、「物言い」などもちゃんとあります。 昇進すれば、背景の観客も増えていき、後半では 「満員御礼」の垂れ幕も出てきます。 また、勝負前の呼び出しもありますし、千秋楽では「勝負前の広告」も あります。(勝利時のボーナス点が書かれている)

 当時にしては良く出来た作品だと思います。只、一つ不満点を挙げるとすると、序盤から敵が強い 感じもします。慣れないと、下手をすると初場所でゲームオーバー(プレイ時間1分)もありえます。 『気合い』も捌きを使わないと殆ど溜める事が出来ないのも…

 ちなみに、ゲームオーバーの画面は弓取り式。最後の最後まで相撲の細部に拘った作品でした。
 

 

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