今から20年前の1984年、ナムコから名作「ドルアーガの塔」が登場しました。黄金の騎士ギルガメスが恋人のカイを救う
ために魔物が住むドルアーガの塔に向かうゲームで、『RPGという当時ビデオゲーム上では余り馴染みが無い世界観』
『数多くの謎を解かなければ進めない』…色々な目新しさとそれを充分に引き立てた素晴らしいゲーム性で多くの
プレイヤーを楽しませ、多くのファンを作りました。
それから10年。ドルアーガの塔の物語が1つのエピローグを迎えました。それがスーパーファミコン(以下SFC)から
登場した『ザ・ブルークリスタルロッド』です。
本当は『ドルアーガの塔』についても書きたかったのですが、数多くのサイト様で語られていることを今更語るよりは、
もう1つの印象に残るゲームを書く方が面白いかな、と思い、今回はこのゲームを取り上げました。
ナムコの名作『ドルアーガの塔』の(ストーリー上の)最終章にあたるゲームです。ドルアーガの塔から
脱出したギルとカイが「ブルークリスタルロッド」を天上界へ返却するというストーリーです。
只、内容的にはゲーム的な要素が少なく、『ゲーム』というよりは『ビジュアルノベル』に近いです。
今までのドルアーガシリーズには無かった内容です。
ゲームはギルとカイの祖国である『バビリム』とその周辺を舞台に、『天上界へ行ける資格』を入手すべく旅を続ける
ものです。『バビリム』には女神イシターと会うことが出来る『イシター神殿』があり、そこでイシターと会話する事により
次に進むべき場所が決定されます。
行くべき場所は合計で4箇所あり、そのうち3箇所以上を訪れ、イベントをこなすと天上界へ進む事が出来、エンディングを
迎えることが出来ます。
但し、その『行くべき場所』を訪れた順番により、(4×3×2)+(4×3×2×1)=48通りのエンディングとなっています。
ゲーム自体は、他のドルアーガシリーズの様なアクション性が全く無く、Aボタンを押し続ける事による会話だけを延々と
見続けるだけです。このゲームを『ビジュアルノベル』と書いたのは、そういった点からです。
ちなみに、ゲーム中にはゲームオーバー的な要素は一切ありません。
簡単に言えば、「イシターと会って、占い師「ハーサグ」(次に行くべき場所を教えてくれる)に会って、
行った先でイベントをこなす」を4回繰り返すだけです。…「単調」といってしまえば単調な作りです。
『行くべき場所』は、1つはバビリムの北にある『嵐の山』。「嵐の神」と呼ばれる「ラマン」か「サキュバス」と
出会います。どちらと出会い、どのような会話をするかは今まで訪れたルートにより決まります。
東にあるのが『炎の崖』。炎と正義の神「ガールー」と会うことが出来ます。会話の内容は「ラマン」達と同様に
ルートにより変わります。
西にあるのが『死の砂漠』。黄泉の国に通じる道があり、中でかつて倒した「ドルアーガ」と黄泉の国の神「ナーガル」と
出会います。
南にあるのが『スーマール帝国』。(ストーリー上では)『バビリム』を滅ぼした国であり、そこで皇帝の「バララント」と
皇帝を陰で操る悪魔「アンシャー」と出会います。
行くべき場所は、女神イシターとの会話(必ず選択肢がある)で決まりますが、行く場所が決まっても
目的地へいけない場合があります。ギルには画面では表示されていませんが、能力のパラメータを持っています。
どのような値でもエンディングには影響しませんが、目的地へ進むために変更しなければならないこともあります。
能力値はバビリムの町の中央にある「ジグラッド」か、町の南東にある「エルブルズの岩穴」で変更する事が出来ますが、
『今の能力で目的地にいけるかどうか?』『何の能力が過不足のか?』が一切分からないため、その辺りは不親切です。
基本的には攻略本が無いとどうしようもないです。
「ジグラッド」「エルブルズの岩穴」について
ストーリー進行について
先にも書きましたが、このゲームは『ビジュアルノベル』的な要素が強く、誰かと会って会話を聞いて終わり的な
内容でどんどん話が進んでいきます。ハッキリ言って会話自体は5分掛かることが無く、4箇所回るので20分くらいで
ゲームが終わる計算になります。
その対策なのか、このゲームは明らかに時間稼ぎといえるシーンがあります。
東の炎の崖
西の死の砂漠
南のスーマール帝国
先にも書きましたが、このゲームには48種類のエンディングがあります。普通にバビリム王になるエンディングが24種類
(王になった後の話が違う)と特殊なエンディング24種類になっており、特殊なエンディングにはギルが神になるものや、
命を落としてしまうものもあります。
それらの分岐は全てイシター神殿で女神イシターの質問に「はい」「いいえ」のどちらで答えるかによって変わります。
その答え方と目的地で起こるイベントでギルの心が変わっていき、エンディングを迎える…という感じです。
しかし、イシターの質問に「はい」「いいえ」のどちらで答えるかによってガラリと人生が変わってしまうギルは
それだけ流されやすい人だったのでしょうか…。それとも人の考え方とは、ギルの様にちょっとしたことで大きく変化
してしまうものなのでしょうか…。
それを考察するためにもう一度このゲームをする必要があるのかもしれませんが、
48種全エンディングを見るなんて面倒臭い事、二度とやりたくないよ!!!(笑)
エンディングまでのフロー
私はドルアーガシリーズが好きなので楽しめたのですが、ドルアーガシリーズのストーリが好きな方でないと
楽しめない一品である事は間違いないでしょう。(笑)
まぁ、私自身も『ゲーム』ではなく、『ビジュアルノベル』という感覚で楽しませていただきましたし…。
只、前述の「時間稼ぎ」が明らかに馬鹿馬鹿しいのが、少し残念でした。私もこの辺りはちょっと萎えてしまいましたし…。
こんな事以外でプレイ時間を延ばす工夫が有ればよかったのですが…。
このゲームはSFCでのみプレイできます。他機種への移植は間違いなく無いでしょう。(笑)
最後に遅くなりましたが、