この国民投票は、総選挙で敗れた中道・右派が政権担当時に準備したもので、政権交代後に 国民の判断を求める形となった。共和国憲法第2部の改正案への賛否を求めるものであり、 主として首相権限の強化と地方分権の拡大に重点がある。 それ自体は、ある種時代の要請に適合したところもあるが、この改正案の推進の中心である 北部同盟に見られる南部をお荷物扱いする姿勢や、すでに中道・右派政権が進めた予算削減 などによる地方財政の苦境から、南部では右派の改正案が地方切捨てとも解釈された。 結果は、中道・左派のすべての勢力のほか、中道・右派からUDC(旧DC系中道政党)の一部 も改正「反対」に終結し、北部のロンバルディーア、ヴェネトの2州(どちらも中道・右派 政権の州)以外のすべてで「反対」が多数を占めた。 今回の国民投票は憲法改正のための国民投票であるため、昨年に実施された生殖医療に関す る国民投票(賛成多数ながら投票率が50%を割り、投票自体が不成立に)のような個別争点 の国民投票と異なり、有効投票率(50%)は適用されない。 ちなみに投票率は53.7%であり、左右の対立による総選挙の延長戦と、憲法をめぐる危機感 が近年の国民投票よりも高い投票率に現われたといえるであろう。
州名 | 賛成 | 反対 | 合計 | |||
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票数 | % | 票数 | % | 票数 | % | |
ヴァッレ・ダオスタ | 35.7 | 64.3 | 100.0 | |||
ピエモンテ | 43.4 | 56.6 | 100.0 | |||
ロンバルディーア | 54.6 | 45.4 | 100.0 | |||
トレンティーノ=アルト・アディジェ | 35.3 | 44.7 | 100.0 | |||
ヴェネト | 55.3 | 44.7 | 100.0 | |||
フリウーリ=ヴェネツィア・ジューリア | 49.2 | 50.8 | 100.0 | |||
リグーリア | 37.0 | 63.0 | 100.0 | |||
エミーリア=ロマーニャ | 33.5 | 66.5 | 100.0 | |||
トスカーナ | 29.0 | 71.0 | 100.0 | |||
ウンブリア | 31.3 | 68.7 | 100.0 | |||
マルケ | 33.9 | 66.1 | 100.0 | |||
ラツィオ | 34.6 | 65.4 | 100.0 | |||
アブルッツィ | 33.3 | 66.7 | 100.0 | |||
モリーゼ | 28.3 | 71.7 | 100.0 | |||
カンパーニャ | 24.7 | 75.3 | 100.0 | |||
プーリア | 26.5 | 73.5 | 100.0 | |||
バジリカータ | 23.1 | 76.9 | 100.0 | |||
カラーブリア | 17.5 | 82.5 | 100.0 | |||
シチーリア | 30.1 | 69.9 | 100.0 | |||
サルデーニャ | 27.7 | 72.3 | 100.0 | |||
国内合計 | 38.3 | 61.7 | 100.0 | |||
国外合計 | 52.1 | 47.9 | 100.0 | |||
国内+国外 | 38.7 | 61.3 | 100.0 |