イタリア[大学・研究機関]リンク集


  1. 大学
  2. 図書館
  3. 研究所、財団

1.大学

フィレンツェ大学
 ボローニャと並び政治学部の評価が高い大学です。アメリカに研究の拠点を移した比較政治学の
 権威ジョヴァンニ・サルトーリ(現コロンビア大学名誉教授)がいたほか、共和党書記長で首相
 も務めたスパドリーニ(故人)はこの学部の現代史講座初代教授でした。

ミラーノ大学
 政治、経済の新しい動向の研究については、やはりこの大学の成果を無視できません。

トレント大学
 世界史に出てくる宗教会議のことでしか日本人には印象が薄い町ですが、旧オーストリア領の南
 チロルに接した土地柄もあって、近年、国際的な学術交流や社会科学の成果で注目されるように
 なった大学です。あるオーストリア人学者によれば、現代的な社会科学ではイタリア一だとか。

LUISS 社会科学国際自由大学(ローマ)
 新興の私立の社会科学専門大学。経営学、国際関係などに重点を置いた英米流の教育を志向して
 いる。記念名称として掲げるグイド・カルリはイタリア銀行総裁、産業総同盟(コンフィンドゥ
 ストゥリア)会長(日本の経団連会長に相当)、国庫相を歴任したエリート中のエリートで戦後
 の国際経済交渉を指揮した人物であり、この大学が養成したい人物像を体現している。

IUE (EUI) ヨーロッパ大学院大学(フィエーゾレ)
 フィレンツェ郊外フィエゾレにある欧州各国の優秀学生が集まるEU後援の博士課程大学院大学。
 歴史・政治・経済・法の4学部で著名な教授陣が指導。大学のある丘のふもとのエディソン広場
 には関連施設としてEUの歴史文書館(大学と関係は深いが独立の機関)がある。

ジョンズ・ホプキンズ大学ボローニャ・センター
 アメリカの主要大学の幾つか(スタンフォード大学など)はイタリアに研究拠点を持っているが、
 この大学の場合はヨーロッパ全体の研究拠点をボローニャに定め、すでに数十年の活動歴がある。
 カトリックと共産主義の知識人が共存するこの都市に拠点を置いたこと自体が慧眼である。


2.図書館

国立ローマ中央図書館
 ローマ中央駅テルミニから1駅の地下鉄駅が至近にある好立地の図書館だが、机や閲覧室などの
 設備はやや古い。最近、閲覧室前のスペースに新しいきれいなバールができた。


BNCF 国立フィレンツェ中央図書館
 アルノ川沿いにあるため、洪水で蔵書に被害がでたこともある。閲覧室はローマと違い、きれい。
 オン・ラインの蔵書型録あり。



3.研究所、財団


(研究所・財団の一覧)
AICI イタリア文化財団協会
 各種の文化財団の加盟する連合組織。会員財団の名簿からそれぞれのホームページにアクセスで
 きる。


(政治、社会科学)
Fondazione Luigi Einaudi エイナウディ財団
 トリーノの社会科学分野の研究所。初の公選による共和国大統領で、トリーノ大学財政学教授、
 イタリア銀行総裁も務めた自由主義的経済学者ルイージ・エイナウディを記念する。

Istituto Carlo Cattaneo カッターネオ研究所
 ボローニャの著名な出版社「イル・ムリーノ」(同名の総合雑誌を発行)に集った知識人たちが
 作った「カッターネオ協会」をもとに1965年創立。政治参加や中央・地方の行政に関する研究
 などを行い、政治・社会に関する雑誌《Polis》や、年ごとにイタリア政治の動向を追った年鑑
 "Politica in Italia"などを発行している。カルロ・カッターネオ(1801〜1869)はイタリアの
 連邦主義思想の父として尊敬されている政治家、思想家。

Fondazione Istituto Gramsci グラムシ研究所財団
 1950年創立。旧共産党系の伝統ある社会科学総合研究所。旧共産党のアーカイヴはここにある。
 豊富な蔵書を誇る図書館はイタリア現代史研究には欠かせない存在である。定評ある年鑑や季刊
 の歴史学雑誌《Studi Storici》、欧州統合研究雑誌《Europa/Europe》などを発行している。
 グラムシはイタリア共産党の創設者の一人で世界的に著名な思想家。

Istituto Luigi Sturzo ストゥルツォ研究所
 キリスト教民主党(DC)の前身である人民党の創設者ルイジ・ストゥルツォ(1871〜1959)を
 記念する研究所。キリスト教民主主義研究の権威ガブリエーレ・デ=ローザが所長を務める。

CISS ストゥルツォ国際研究所
 上記とは別の新興の研究所でキリスト教民主主義の立場から政治、経済、国際関係を研究する。
 グローバリズムに対するカトリックの視点からの批判などの論文を雑誌等で発表している。

Fondazione Giulio Pastore パストーレ財団
 カトリック系労組のナショナル・センターであるイタリア労働組合同盟(CISL)の創設期の
 リーダーであったジュリオ・パストーレを記念して作られた。パストーレの個人文書やCISL
 の文書を最も多く所蔵しているのはここである。


(地域問題)
ANIMI イタリア南部の公益のための国民協会
 後進的な南部を支援する目的で1910年にパスクワーレ・ヴィッラリを名誉会長として創設された。
 当初は託児所や学校の設置や識字率の向上など教育を中心とする支援活動が中心だったが、戦後
 の国家による南部支援や公教育の発達により、活動の重点を南部問題に関する会議、セミナー、
 研究活動など純粋な文化活動に移した。サルヴェーミニ、クローチェ、ロメーオ、ロッシ=ドー
 リアなどイタリアの「南部主義」を代表する知識人が各種の活動に参加した。


(国際関係)
IAI 国際問題研究所(ローマ)
 欧州連邦主義運動家スピネッリの提唱によりフォード財団の支援を得て1965年に創設。72年から
 94年まで年鑑《L'Italia nella politica internazionale》を刊行してきた。2000年から下記の
 ISPIと共同編集で《L'Italia e la politica internazionale》を刊行している。

ISPI 国際政治研究所(ミラーノ)
 ファシズム期に創設された歴史ある研究所。1935年から72年まで年鑑《L'Annuario di politica 
 internazionale》を刊行。1992年から96年までは《Rapporto sullo Stato del Sistema Inter-
 nazionale》を刊行。

ISIG ゴリツィア国際社会学研究所
 スロヴェニアとの国境に面するイタリア北東部の都市ゴリツィアにある国際社会学専門の研究所。
 国際「社会学研究所」ではなく「国際社会学」研究所であることがミソ。国境地域の複雑な歴史
 を反映し、ナショナリズムや地域主義、民族問題などに高い関心を示す。1968年創立。

IPALMO アフリカ・ラテンアメリカ・中東研究所(ミラーノ)
 1971年、イタリアと途上国との関係を研究するために創設。近年は欧州統合など国際地域統合に
 も研究を広げている。約30年間にわたり、季刊の《Politica internaionale》を刊行。


(注)各団体の訳名は「やそだ」が仮訳したもので、これらの機関が訪日した場合に用いる日本語
   表記とは違うことがあります。(最終更新:2006/04/25)

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