リンク集:EUと欧州統合

 最終更新日:2012/7/1

 EUとその他の欧州機関  欧州レベルの経済・社会団体
 欧州統合支援団体  連邦主義運動組織  アンチEUな人々
 欧州統合を研究する  欧州統合の歴史
 欧州統合専門メディア  テーマ別・注目すべき文書

1.EUとその他の欧州機関

EU(欧州連合)公式サイト
 EU(欧州連合)のあらゆる公開情報が集められた公式サイト。プレス・リリースのほか、EU
 の条約文、制度、各部局の政策文書、バローゾ委員長の演説などの基本情報、EUの各機関と
 EU以外の各種欧州機関へのリンクがある。Real Player で欧州議会審議の同時中継も見られる。

EU議長国(2012年下半期)キプロス
 EU理事会(EUの最高決定機関)は半年ごとに議長国を輪番で担当している。特に統合に熱心
 な国は自国の議長担当期間に重要な成果を挙げようとする。サイトにはEU理事会の決定文書、
 記者会見、議長国首脳の演説など。
  (議長国サイト) 1995年-2020年の議長国はこちら

ECB 欧州中央銀行
 EU加盟27ヶ国のうち17ヶ国が参加している共通通貨ユーロの管理を行う加盟国から独立した
 中央機関。現総裁はマリオ・ドラーギ前イタリア銀行総裁(2011年11月就任)。
 執行理事会は総裁と副総裁(ヴィクトル・コンスタンシオ元ポルトガル銀行総裁)、
 他の4人の理事(ホセ=マヌエル・ゴンサレス=パーラモ元スペイン銀行理事、
 ブノワ・クーレ前フランス財務省チーフエコノミスト、
 ピーター・プラエット元ベルギー国立銀行執行理事、ヨルグ・アスムッセン前ドイツ財務次官で構成される。各国中央銀行総裁と政策理事会を構成。

EP 欧州議会
 もともとは各国議会の代表者が集まる諮問機関の性格が強かったが、1979年に加盟国市民による
 初の直接選挙を実施、委員会、理事会との共同決定手続きなどが増加し、近年とみに権限を拡大
 しつつある。現在の議長は、マーティン・シュルツ(ドイツ、2012年選出, 任期2年半)

ECJ 欧州司法裁判所
 現在の欧州統合はこれまでに制定された膨大なEU法に則って進められている。欧州裁判所では
 EU機関、加盟国の係争を扱い、私人に関する係争などはまず第一審裁判所で扱われる。。
 加盟国に直接適用されるEU法の各国での解釈の当否を判断するのもこの裁判所の任務である。
 現在の裁判長はヴァシリオス・スクリス(ギリシャ、2003年就任)。

EESC 欧州経済・社会評議会
 経済統合の開始とともに経営者、労働組合を中心とする社会アクターの諮問機関として誕生。
 現在の議長はスタッファン・二ルソン(第3グループ=労使以外の諸団体、スウェーデン出身、任期:2010-2013年)。

COR 地域委員会
 統合の進展による地域格差、各国での地方分権の進展により、欧州でも地域の声を直接反映する
 機関が望まれるようになった。地方自治体の首長などが参加。
 現在の委員長はメルセデス・ブレッソ(イタリア、前ピエモンテ州知事)。

EIB 欧州投資銀行
 域内開発への投資を行う銀行。

駐日欧州連合代表部
 EUの駐日代表部は港区南麻布にある。欧州統合の進展に伴い、域外主要国に置かれた代表部の役割も重要になった。
 リスボン条約発効により、以前の「駐日欧州委員会代表部」から現在の名称に改称。千代田区三番町から現在地に移転。
 現在の駐日大使(代表部代表)はハンス・ディートマール・シュヴァイスグート氏(オーストリア出身、2011年着任)。
 日本EU学会、日本各地のEU協会など日本にあるEU関連団体へのリンクがある。

EU駐米代表部
 EUの主たる対話相手がアメリカであることを実感できるサイト。駐日代表部のサイトにはない
 各種情報が充実、大変見やすく出来ている。フロントページに最新ニュースが新しいものを上に
 並べられている点ではEU本部サイトより手早く概観できる。左コーナーの項目もただ本部サイ
 トにリンクを張るのでなく、本部サイトの項目を米国の関心に合わせて別方針でまとまなおして
 ある。アメリカと交渉中(係争中?)の項目もフロントページにリンク表示してあり、便利。
(主要駐在代表部) 国連 ロシア  中国 インド  ブラジル  南アフリカ
 オーストラリア・ニュージーランド  イスラエル ヨルダン川西岸・ガザ地区
 インドネシア・シンガポール・ブルネイ


Eurostat ユーロスタット
 EUとその加盟国の公式統計。加盟国を統一した基準で比較できるので、EU研究者だけでなく、
 各国の研究者にも便利である。人口、経済指標など項目ごとに検索できる。拡大に向けて交渉中
 の国々の数値も追っている。統計年鑑などはPDFファイルとしてダウンロードできる。

Eurobarometer ユーロバロメーター
 1973年から実施されている、EU加盟国市民の欧州統合に対する意識を中心とする世論調査。
 各国1000人(ドイツ2000人、イギリスは1000人+北部アイルランド300人、ルクセンブルク
 600人)の様々な人々から聞き取り調査している。EU関係の研究でもよく引用される。

部門別市場アクセス・貿易障壁データベース
 欧州委員会の提供する、EUの主たる貿易相手国である世界各国の市場アクセスと貿易障壁に関
 するデータベース。国別、部門別、項目別で検索できる。WTOなどの国際基準とEUへの開放
 度という二つの視点から分析されている。

(EUの外庁、独立規制機関)「庁」=Agency、「機関」=Authority
 EEA 欧州環境庁 1990年設立、1994年活動開始、本部コペンハーゲン。
  域外からEFTA4ヶ国とトルコも加盟。
 EMEA 欧州医薬品庁 1995年設立。本部ロンドン。
 EFSA 欧州食品安全機関 2002年設立。本部パルマ。
 EASA 欧州航空安全庁 2003年設立。本部ケルン。
 ECHA 欧州化学品庁 2007年設立。本部ヘルシンキ。
 Frontex 欧州対外国境管理協力機関 2005年活動開始。本部ワルシャワ。

ユーロ・オンブズマン
 統合の進展は、EU行政当局の施策が加盟国の市民の利害と対立することも少なくない。
 欧州議会によって任命され、加盟国市民の利益を守る任務を担う。

EFTA 欧州自由貿易連合
 EEC(欧州経済共同体)に対抗してイギリスなど7ヶ国(イギリス、スウェーデン、スイス、
 ノルウェー、デンマーク、オーストリア、ポルトガル、後にアイスランド、フィンランドが加盟)
 が1960年に結成。その後イギリスなど加盟国が次々とEC、EUに加盟し、現在はノルウェー、
 スイス、アイスランド、リヒテンシュタインの4ヶ国のみ。スイスを除き、EUと単一の経済圏
 を作る欧州経済領域(EEA)を形成している。

Council of Europe 欧州評議会
 他に、欧州審議会、欧州会議の訳語あり。


OSCE 欧州安保協力機構

NATO 北大西洋条約機構


2.欧州レベルの経済・社会団体

ビジネス・ユーロップ(欧州ビジネス総連合)
 欧州各国の産業・経営者団体の連合組織。分かりやすくいうと、経団連の欧州版。
2007年にUNICE(欧州共同体産業連盟、1958創立)から改称。長い名称は、
欧州ビジネス総連合(Confederation of European Business)。
CEEP 欧州公企業・公益企業センター
 欧州に多い公企業(政府出資ないし経営参加の企業)の連合組織。
ETUC 欧州労組総連合
 欧州各国の労連の連合組織。
CESI 欧州独立労組連盟
 欧州各国の独立労組の連合組織。
欧州社会NGOプラットフォーム
 欧州各国の社会政策に関するNGOのプラットフォーム。欧州レベルの閣僚会議に陪席することも
 ある。
(その他の団体)
UEAPME 欧州手工業・中小企業連合  Eurochambres 欧州商工会議所
Hotrec 欧州ホテル・レストラン・カフェ  Eurocadres 欧州管理職会議(ETUC加盟団体)
BEUC 欧州消費者連合ビュロー  COFACE 欧州共同体家族組織同盟
ECAS 欧州市民活動サービス  EDF-FEPH 欧州障害者フォーラム EEB 欧州環境ビュロー
EURO COOP 欧州消費者共同組合共同体 PGEU EU薬品会議  欧州女性ロビー
欧州青年フォーラム  ユーロリンクエイジ(高齢者組織)

3.欧州統合支援団体

Britain in Europe 欧州の中のイギリス
 労働党の「改革の双子」ブレア首相、ゴードン蔵相と、保守党の欧州統合支持派のクラーク元蔵
 相(党首選で前回はヘイグ、今回はダンカン=スミスに敗北)、ヘーゼルタイン元副首相、自由
 民主党のケネディ議員などによる欧州統合推進のための超党派グループ。研究者になじみのある
 人名としては連邦主義の研究で知られるジュリエット・ロッジ女史も参加している。
 (関連サイト)ケネス・クラーク議員のサイト

4.連邦主義運動組織

Union Paneuropeenne Internationales 国際パン・ヨーロッパ連合
 オーストリアの名門貴族リヒャルト・ニコラウス・クーデンホフ=カレルギ伯爵(母親は日本人
 青山光子)は1923年、著書『パン・ヨーロッパ』によって欧州統一の必要性を説いた。伯爵は
 続いて実際に著書と同名の「パン・ヨーロッパ」という運動を起こし、各国に支部をもつ国際
 的な組織に拡大した。ドゥ=ゴールなど各国の指導者の参加も得ている。1986年から2004年
 まではハプスブルク家の当主オットー(1977年?1999年にドイツ選出欧州議会議員、CSU)
 が総裁を務めた。

UEF 欧州連邦主義者連合
 対独レジスタンスから始まった、各国の欧州連邦主義運動の国際組織として1946年にパリで設立
 された。

JEF 青年欧州連邦主義者
 若年層の欧州連邦主義運動。集会やピクニックなどの活動をしている。

MFE 欧州連邦主義者運動
 1943年のムッソリーニ失脚後、内戦状況下のミラノで設立されたイタリアの欧州統合運動組織。
 「ヴェントテーネ宣言」を書いた連邦主義運動家スピネッリのほか、歴史家のヴェントゥーリ、
 共和国大統領のエイナウディらが加盟していた。

Europa Union オイローパ・ウニオン
 ドイツ語圏の欧州統合運動組織。



5.アンチEUな人々

EU懐疑派リンク集
 数十件に及ぶ欧州懐疑派団体、欧州懐疑派サイトはもとより、関連記事や文書へのリンクがある。
 レイアウトもすっきりと洗練されており、EU関連機関やライヴァルである欧州統合推進派のサ
 イトへのリンクもよく吟味して選んである。欧州の連邦化に反対する立場からではあるが、議論
 や他のサイトへの情報提供に役立てようという真面目な意図がうかがえる。

自由ブリテン(イギリスのEU懐疑派リンク集)
 大きなユニオン・ジャックでお出迎え。イギリスのその名も「欧州統合懐疑派ウェブ・リソース
 完全リスト」。日本でもよく知られている「ブリュージュ・グループ」(サッチャー首相がドロ
 ールEC委員長を中心とする統合熱にイギリス的留保を付けた1988年ブリュージュでの有名な
 演説に共鳴する勢力)など様々な欧州統合懐疑派グループのサイトへ解説つきのリンクがある。

EUに「ノー」(ノルウェーの反EUキャンペーン)
 ノルウェーは歴代の政府が何度かEU加盟を図ったが、その都度国内の反対を押し切れず、加盟
 に至っていない(NATOには加盟)。表記はノルウェー語だが、新聞のように日々情報が更新
 されており、内容は豊富である。英語ページは1ページのみだが、これまでのノルウェーとEU
 の関係、国内の賛否の論点、反対キャンペーンの活動などが箇条書きにまとめられている。

緑の党(アイルランド)
 アイルランドはユーロに参加し、EU補助金の恩恵も受けつつ、域外からの外資導入にも成功し
 R&Dなどで近年めざましい発展を見せた。今回のレファレンダムは欧州統合に賛同しつつも
 域内の充実の前に加盟国を増やすニース条約の批准に待ったをかけたものである。反対キャンペ
 ーンは超党派の組織「平和と中立同盟(PANA)」が指揮したが、この党も多いに活躍した。


6.欧州統合を研究する

EUSA EU研究協会
 各国のEU研究学会の国際組織。過去のシンポジウムの報告ペーパーも読める。

EUSA Japan 日本EU学会
 法律、政治、経済分野を中心とする、日本のEU研究者の学際的学会。現在会員は400名以上。
 毎年、研究大会を開催し、その報告を中心とする年報を発行している。

EUI ヨーロッパ大学院大学
 フィレンツェ郊外フィエゾレにある欧州各国の優秀学生が集まるEU後援の博士課程大学院大学。
 歴史・政治・経済・法の4学部で著名な教授陣が指導。大学のある丘のふもとのエディソン広場
 にはEUの歴史文書館(大学と関係は深いが独立の機関)があるが、そのHPへのリンクもある。
 ゼミの文献なども分かるので、どんなものが読まれているか、のぞいて見てもいいのでは?


7.欧州統合の歴史

ユーロピアン・ナヴィゲーター
 ヨーロッパ統合史に関する基礎資料をテキスト、記事、写真、動画から当事者インタビュー、
 風刺漫画に至るまで収録している驚異のウェブ史料ライブラリー。

欧州統合史研究サイト(ライデン大学)
 EUIで欧州統合史を指導したグリフィス教授がオランダのライデン大学現代史研究所で作った
 サイト。基本史料、文献案内、近刊書評、短評つき各国歴史文書館案内など、至れり尽くせり。
 この分野は文献ではまだいい入門書がないので、大変貴重なサイト。

「超国家領域としてのヨーロッパ」
 米ユタ州、ブリガム・ヤング大学図書館司書リチャード・ハッケン氏の欧州研究サイトの一頁。
 古代から現代まで国家を越える大領域としてのヨーロッパの意味を考える上で重要な基本文書や
 歴史文書コレクションへのリンク集。欧州統合を長いスパンで文明史的に考察したい人向き。
 収録は「サリカ法典」(5世紀)からチャーチルの「鉄のカーテン演説」、EUの主要文書まで。


8.欧州統合専門メディア

アジャンス・ウーロップ
 EU情報の速報として長く報道、学界から信頼されているメディア。有料サービス。
 故エマニュエル・ガゾが創始。見本誌請求(数日間のアクセス・コードがもらえる)も可能。

ユーロピアン・ヴォイス
 イギリスの権威ある経済雑誌『エコノミスト』グループ発行のEU情報専門の週刊新聞。



9.テーマ別・注目すべき文書

イギリス上院 コミトロジー調査報告
 官僚、専門家、NGOなどで構成され、EUの政策決定に参加する諮問機関である各種の「コミ
 トロジー」委員会の活動をイギリス上院が調査。




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