やそだ[EU&イタリア]総研   20世紀イタリア人名辞典                         


 ニルデ・ヨッティ(1920〜1999)
 [履歴]
 1920年 レッジョ・エミーリア州生まれ
 ミラーノ聖心大学文学部
 第二次大戦中に共産党入党
 1946年 制憲議会議員(イタリア共産党)
 1948年 下院議員
 1979年 下院議長(〜92)
 1993年 制度改革委員長
 1997年 欧州評議会副議長
 1999年 死去
 
  正式の名前はレオニルデで、ニルデは愛称だが、こちらのほうが定着している。
 イタリア共和制期を通じて活躍したイタリア共産党の女性政治家。「共和国の貴婦人」
 (Signora della Repubblica)と呼ばれ、対立勢力からも尊敬を受けた。

  父は鉄道員で社会党系労組の活動家。ファシズム期に入り、娘を敢えて安全なカトリック系
 のミラーノ聖心大学に入学させる。私立大学の学費負担は下級家庭には重く、ヨッティが社会主義
 思想に傾倒していく一因となったと思われる。
 
  第2次大戦中に共産党に入党すると、レジスタンス活動を支援するため連絡活動などを担う。
 その間に早くも女性の権利保護に関する党の責任者と見なされるようになった。

  初めて女性に参政権が認められた1946年の制憲選挙で当選。この間にトリアッティ共産党
 書記長と親交を深め、事実上の伴侶となる。ただし、トリアッティは既に結婚しており、子供も
 いたため、以後この関係は批判され続けることになる。

 
  離婚、中絶をめぐる国民投票でも女性の権利保護に活躍した。

  国内政治が緊迫していた1979年に下院議長に就任、以後13年にわたりバランスのとれた議会
 運営を行う。

  2006年の女性参政権60年記念切手の図案に採用されたのは、ヨッティが制憲議会選挙で
 投票する写真であった。この図案採用には右派のカジーニ下院議長(当時)も賛同した。

 [エピソード]

 (随時改稿:この項は書きかけです)

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