06年3月26日 超御近所見仏「楽市楽座」にて (姫路市 亀山本徳寺)

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今回は家族で行きました。

「超」が付くくらいご近所です。
我が家から歩いて行けるくらい、近くにある「亀山本徳寺」です。
毎月第四日曜日に「楽市楽座」(通称「御坊さん」)が開かれて、フリーマーケットや地元の特産物や骨董品の出店があり、結構にぎわっております。京都の東寺の「弘法さん」のミニチュア版といった感じです。
フリーマーケット好きの我が家としては、この「楽市楽座」には何回かこれまで行ったのですが、恥ずかしながらまだ本尊さまを拝んだことはなかったので、仏像好きの私としてはどうしても行かねばなりません‥。

この本徳寺は浄土真宗のお寺で、「本願寺の西の拠点」として栄え、多くの門徒を抱えていました。
江戸時代、「安政の大地震」で本堂が倒壊したり火事で消失した為、京都の本願寺にあった「北集会所」を解体した廃材で再建したそうです。幕末時に一時本願寺が、新撰組に占拠された時、つまり「北集会所」時代に新撰組が「嫌がらせ」で付けた「刀傷」が、現在の本堂の柱に生々しく残っているそうで、是非それも見てみたいと思っておりました。

そういう逸る気持ちの私が運転する車は家族を乗せて本徳寺に向かいます。
歩いていける距離なのに、車で行ったのが間違いでした。やはり「御坊さん」の日、駐車場が満杯でかなり待たされました。いつもは歩いていくのに、今回は大丈夫だろうと思って車で行ったのが間違いでした。結局一旦車で家に帰って歩いて来れるくらい待ってから、やっと駐車場に停めることが出来ました。
正面の「大門」をくぐると目の前に立ちはざかる「目隠し塀」。そして寺の周りを囲む頑丈そうな土塀。まるで城郭のような「太鼓楼」。戦国時代に真宗教団は、全国的な組織を確立しており、一向宗などの外敵から守るためか「城郭寺院」のたたずまいを残しています。


家族はフリマ、私は本堂へ

本徳寺に入ると早々に、「お父さんは行かねばならない、君たちはフリマにでも‥」と言い残して私は一人本堂に向かいます。しかし本堂の正面では「よさこい踊り」のパフォーマンスが。
機動隊のように「正面突破」して本堂に入るのは目立つので、今回は本堂の北にある「大広間」から上がって渡り廊下を渡って本堂に入ることにします。
大広間は姫路城の城主が来訪したときの公式の対面所として使われてきたようです。天井には四季折々の美しい花を描いた天井画である「花曼荼羅」が描かれており、とても華やかでありました。
大広間の出て、上を歩くと「ミシミシ」言う渡り廊下を渡って、本堂につきました。
本堂の北側の2本の柱に「刀傷↑」の表示がしてあって、刀傷はすぐに見つけることが出来ました。生々しい傷ですが、よく見ると刀傷の横に「100円玉チョップ」のような小さい傷、つまり明らかに後から付けられたような細かいイタズラの傷が見えます。悲しい事です‥
そして襖を開けていよいよ本堂内に入ります。
本堂内には誰もおらず、刀傷目当ての人たちも「入っていいの?」なんて言いながら私の後につられて入ってきました。
本堂内は200畳敷きの広い空間です。播州一円の真宗門徒の集まる「一大空間」と言った感じか。
奥の内陣には像高100cmくらいの本尊、「阿弥陀如来立像」が居られました。しかし内陣手前には木組みの低い柵が並べてあって、「内陣に入るとセキュリティーが働きます、注意!」と貼り紙が‥よく見ると内陣の柱にはセンサーが取り付けてありました。
かなり離れた位置からの拝観なのでよく本尊が見えません。金箔が剥げかけて素地の黒い木肌が見えていますが、細かい所まで見えないのが残念。「見仏スコープ」は今回持ってきておりませんでした‥
次に本堂の更に奥に「蓮如堂」があり、さらに渡り廊下を通って向かいます。
そこに本徳寺の開祖で本願寺第八代宗主である「蓮如(れんにょ)聖人像」がありました。こちらも離れたところからしか拝観できませんでしたが、志(こころざし)の力強そうな表情だけはよくわかりました。


今度は子供と共に本堂へ

家族の元へ戻ってみると、休憩所でたこ焼きやアイスクリームを食べておりました。私も地元の天婦羅屋の出店から「いか天」と「お好み天」を買ってきて一緒に食べました。食後にカミサンが「もう少しフリマを見たい」と言い出し、子供からも「仏像見に行こう」と言ってきたので(珍しい)、今度は子供連れで本堂に再び向かいます。

大広間から本堂に向かう渡り廊下で、「バタバタミシミシ」いわせながら走る子供たちをなだめながら再び本堂に入りました。
今度は老夫婦が入っていて、本尊前の柵の手前にある焼香台でお参りをしていました。「アレやりたい」と次男が言い出したので、私たちもお賽銭を入れて焼香してお参りをしました。
そして本堂の正面の襖を開けると、さっきまでやっていた「よさこい踊り」はとっくに終わって、一人のフォークシンガーが唄っていました。
観衆は孫を抱いたおばあさんのみ‥あまりに可愛そうなので本堂の上、つまり彼の後ろから親子3人で暫く聴いていました(唄っている本人にはもちろんわかりませんが)。
そうしているとカミサンから「もう帰るよ」と携帯にメールが‥


やはり子供は「花より団子」か

カミサンが大門で待っているので、子供を引っぱって大門に向かおうとすると、「アレ買いたい」と次男が言い出しました。フリマを見て廻ったときに目に付けていた「ゲームボーイ」の中古のゲームソフトが500円‥まあ良いかと買ってあげました。「説明書なしだからもうちょっと負けてよ」と言いましたが、「500円なら安いよ」と店のおじさん。子供は早く買ってもらいたくて「説明書いらん」。あまりセコイ親だと思われるといやなので500円払って買ってあげました(フリマで値切るのも楽しみなのに‥)。

帰りの車の中で子供たちに「お寺楽しかったか?」なんて言うと「ウン、ゲームソフト買えたし」‥

やはり子供は「花より団子」、「寺よりお土産」ですな‥

ご立派な「大門」。入るとすぐ「目隠し塀」があります。

これも立派な「太鼓楼」。まるで城郭です。

出店があちこちにあり、賑わっていました。奥は本堂。兵庫県下最大規模の仏堂だそうです。

本堂前では「よさこい踊り」のパフォーマンスが。

本堂の柱に付けられた新撰組の刀傷。

大広間からの渡り廊下から見た本堂。

ミシミシの渡り廊下。

観衆は孫を抱いたおばあさんのみ。頑張れシンガー、後ろで我が子がちゃんと聴いているぞ(?)‥




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