06年2月4日 御近所見仏 お寺じゃないけど仏舎利塔
(姫路市 名子山霊苑

これが名古山霊苑の「仏舎利塔」。この中に凄い世界があるとは、40年以上も姫路に住んでいて知らなかった‥

塔内は高さ27mにもなり、上部には巨大な天蓋、巨大な鳳凰の姿が‥

知らなかった「仏舎利塔」の内部

名古山霊苑の中心的存在の「仏舎利塔」。
小さいときから、この名古山には遊びに着ていました。写生したり、花見に来たり、そして親父のお墓がこの霊苑内にあり、毎月のように墓参りに来ていましたが、「仏舎利塔」の内部がどうなっているのかは、今まで全く知りませんでした。

ある姫路市の情報誌に、この仏舎利塔の特集が組まれていて、なんでも昭和29年、姫路市の戦後復興の一環として、名古山に広大な霊苑を作る計画が起こり、時のインドのネール首相から送られた「仏舎利」を納める為、巨大な仏舎利塔が作られたそうです。
その本を読むまで仏舎利塔について殆ど解っておらず、そばまで何度も行っているのですが、全く内部のことなんて気にもしていませんでした。


とにかく行ってみました

2月4日(土曜日)、丁度その日は午前中で仕事が終わったので、会社の帰りにそのまま名古山に車で直行。好都合に丁度デジカメもカバンに入っているし。
駐車場に車を停めて、正面に見える「仏舎利塔」に歩いていきます。
いつもは見慣れた仏舎利塔ですが、こうやって改めて見ると結構デカイ‥
まず、すぐには内部に入らずに、塔の外側に階段があって、外側の二階に上がります。
姫路市の中心に当たる市街地が一望できて、中々良い景色。いつもは見慣れた風景なのに、高いところから見ると違った街のように見えます。しばらくボーっと見ていましたが、本来の目的を思い出し、早速塔の中に入っていくことにします。
この日はこの冬で一番の寒さだったそうで、風は強いし寒いこと寒いこと‥早く入りましょう。
入り口の受付ではオバチャンが、造園関係者とおもわれるヘルメット被ったおじさんたちと、ストーブ囲んで話し中。私が入ったことなど全然気付いていない様子。まさかこんな寒い日に拝観者なんて来ないだろうとでも思っていたのか。受付けの窓をコンコン叩いてようやく気が付いてくれました。拝観料200円を払い、オバチャンに撮影許可もらっていよいよ突入です。


とにかく息を呑む

入った瞬間「うす暗い」が第一印象。
そしてすぐ目が慣れるとドーム内の広くて「圧倒的な世界」に息を呑む‥思わず「うわ〜」っ声が出ました。
まず正面の「仏舎利殿」で呼ばれる厨子に目が行きます。
多角形の厨子で、中心のガラスケースの中に黄金の壷のようなものが安置されているのが見えます。おそらくこの中にインドから贈られた「仏舎利」が納めてあるのでしょう。周りを十二神将たちが守っています。
仏教の祖である釈迦の舎利に出会えた感動より、スケール感に呑みこまれて、お参りすることすら忘れてしまった私‥
天井を見上げる。高さ27mといわれるドームの頂上には巨大な天蓋。そして2羽の10mもある巨大な鳳凰。その下段には「雲中観音」。そしてその下、ドーム中段に鎮座する黄金の「釈迦三尊像」。それを囲む「十大弟子像」。
「見仏スコープ」を持ち合わせてなかったので詳しくは見れなかったのですが、お釈迦様の顔は丁度小野市にある、「浄土寺」の阿弥陀三尊の阿弥陀様のお顔のようなおだやかなお顔でした。
さらにその下段には、鮮やかなタイルを使ってモザイクで描かれた「釈迦一代記」。お釈迦様の生涯を描いています。ちょっと不気味な(お釈迦様、スイマセン)「涅槃図」をみて息を更に呑む。
その時突然、「みなさま、名古山仏舎利塔にようこそ。この仏舎利塔は‥」と案内テープが流れてきました。うす暗いドーム内に一人いる時に、いきなり流れてきたものだからもうビックリしてデジカメを落としそうになりました。オバチャン、テープ流すのだったら、入ったときにやってよ‥
一番下の段、つまり地上には、日本の各宗派の祖、「空海」「最澄」「親鸞」をはじめ「聖徳太子」の像までがずらりと並んでおります。
そして、東大寺の法華堂に居られるお方を模して創られたと思われる「日光・月光菩薩像」までもが居られるではないですか。オリジナルの法華堂に居られるお方の創られた当時は、こんな彩色だったのかなと考えながらしばらく見ていました

全ての仏像は中心、つまり「仏舎利殿」に向かって立っているのですが、私が丁度ドームの真ん中あたりに立っていると、「全員に見られている、囲まれている」と言う感じになり、ちょっと恐かったりして‥(仏像たちよゴメンナサイ)

そうだ、この世界に圧倒されてばかりにはいられない。デジカメを持っていることをすっかり忘れておりました。
オバチャンに撮影許可をもらったのでここぞとばかりに撮らせてもらいました。
しかしうす暗いドーム内、しかも古いデジカメなのでピンボケしまくりです。フラッシュを使いたいけど、「電池切れ」の表示も出てきだしたし。
次にドーム内を全体に撮ろうと思って、しゃがんだり、座り込んだりしましたが、スケールが大きくて、やはりフレームには収まりきれません。もうチョット広角に撮影出来たらいいのに、なんてデジカメに文句言いながら、あっちこっち撮らせてもらいました。


とにかく「石仏堂」は寒かった

最後に仏舎利殿前の賽銭箱にお賽銭を入れてお参りして、外に出ることにします。
出口を出るときに「ありがとうございました」とわざわざ窓を開けて、オバチャンが御礼を言ってくれました。それほど拝観者が珍しかったのか‥
この仏舎利塔の北側に「石仏堂」というものがあるそうなので、そちらに向かいます。

「石仏堂」もやはり私一人でした。仏舎利塔をそのまま小さくしたようなお堂で、人が4、5人入るともう満員状態の広さ。その中にインド渡来の釈尊の石仏を中心に「十六羅漢」や色っぽい「薬叉女神像」がぐるっと並んでいます。
堂内に入ると一斉に石仏たちの視線を浴びせられる感じでちょっと恥ずかしい。
どれもインドっぽい表情で石仏堂の造りからも「ここはインドか?」と思わせる感じがしました。
しばらく石仏たちを堪能していましたが、外から吹き込む風が寒くて、このあたりで帰ることにしました。


私的には「グッとくる」仏像はやはり無かったのですが、これらの多くの仏像たちを一度に見れる、圧倒的なスケールの場所なんてそう在りません。
今回は寒いし、一人で寂しかったので、長居は出来ませんでしたが、次回は「見仏スコープ」を持って時間をかけて、各仏像たちや天蓋なんかをじっくり見たいものだと思った寒い午後でした‥(でも一人ではやはり恐いかも)

近くによるとその「デカサ」がよく解ります。時より「風鐸」が風に揺られて「カランコロン」と鳴っていました。

塔のに登ると、姫路の市街地が一望。「姫路城」も見ることが出来ます。

多角形の厨子。この中心にお釈迦さま骨である「舎利」が納めてあります。周りを十二神将が守っております。

黄金の「釈迦三尊像」。その周りを「釈迦十大弟子像」が並んでおります。ピンボケしまくり‥

こんなところで聖徳太子に会えるとは‥凛々しいお顔です。

東大寺法華堂そのままの「月光さま」です。

タイルで作られた「釈迦涅槃図」。チョット恐かった(スイマセン)

「石仏堂」。ここはインドか?
丁度ここでデジカメがバッテリーが切れて、息絶えました‥

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