大阪の色っぽいママさん  如意輪観音 (大阪 観心寺) .

密教色豊かな六臂如意輪観音。
いろんな「持物」やしぐさにもそれぞれ意味があります。

「あらいらっしゃい、お久しぶりね」と夕暮れに色っぽくママが言っているようで‥

■ BACK
■ HOME
※ここに掲載する写真はパンフレットや雑誌等からスキャンしたものです。まずかったら訴えずにまずご一報を。                                

大阪は河内長野にある観心寺。
山岳信仰の「修験道」の創始者である、あの「役の行者」(えんのぎょうじゃ)と言われる役小角(えんのおずぬ)が修行の道場として創設したお寺で、平安時代に空海が密教寺院として当時「雲心寺」と言われたこの寺を「観心寺」として再興した古刹です。

その観心寺に居られる密教色満載の六臂(腕が六本)の如意輪観音。
一年に4月17・18日の2日間しか御開扉にならない秘仏のため彩色がよく残っており、鮮やかな感じを受けます。

六本のうち数珠をもって下方に伸ばしている右手は降魔(悪魔を降伏させる)の意味。胸元で宝珠を乗せている右手は衆生の願い、望むもの全てをこの宝珠から生み出して叶えてあげるという意味があります。上に向けた左手の人差し指の先には輪宝(りんぽう:太陽や釈尊をイメージしたもの)を乗せて釈尊の徳をたたえています。
そして頬にあてた右手は「いかにして衆生の願いを叶えるか」を考えているのを表していると言われますが、私はこの右手のしぐさが気になります。
考えていると言うより「ゆったりくつろいだ」雰囲気がにじみ出ています。

密教の仏像の特徴で各所にこんもりと肉付けがされており、それが切れ長でくっきりした目のお顔の表情とマッチして「官能的」・「なまめかしさ」「色っぽさ」を感じずにはいられません。

観音様には失礼かもしれませんが、大阪の小さなクラブで夕暮れにママがくつろいでいる、そんな感じが似合います。
毎年4月17日の御開扉時に固い厨子の扉を開けた瞬間、中からこの観音様が現れて「あらいらっしゃい、一年ぶりねお久しぶり」って大阪のママがくつろぎながら話しかけてくる。(観音様スイマセン)
そして御開扉が終わるとまた一年間厨子の中にこもって、来年までクラブは「閉店」。

そう考えると衆生の願い、苦しみから救ってくれる観音様と言うより、色んな相談に乗ってくれる話し上手・聞き上手の親しみの沸く観音様(やっぱりママというイメージが離れない)だと私は思います。

まだ一度もお会いしたことないこの如意輪観音。
不謹慎かもしれませんが、一度お酒を飲みながら話をしてみたいものです。







■ HOME