本当はいいヤツなんです  四天王邪鬼 (東大寺戒壇院)

※ここに掲載する写真はパンフレットや雑誌等からスキャンしたものです。まずかったら訴えずにまずご一報を。

今回は脇役の邪鬼たちがメインです。

東大寺の戒壇院の四天王は誰もが認める超リアルでカッコいい四天王ですが、彼らに1200年以上もの間踏まれながら我慢し続けている邪鬼のファンも多いのでは。

戒壇院にはこれまで何度か足を運びましたが最近は男前の四天王よりも邪鬼たちの表情が気になって、四天王よりも長時間邪鬼たちを見つめている私です。

邪鬼は悪いことばかりして四天王から懲らしめられている小悪魔たちのように見えますが、本当は四天王たちの部下であり、お釈迦様の説法や仏法を邪魔するためにやってくる悪魔たちを追い払うために四天王から「やっつけてこい」と指示を待つ夜叉神(善神)のことなんです。
ですから見た目には「イテテ‥四天王のダンナ、もっと優しく踏んでくださいよ!」と言っているように見えますが私にはやってくる悪魔たちに対して威嚇して「いきり立っている」、そう感じずにいられません。
少しでも四天王たちが足元を緩めると、すぐに飛び出して悪魔たちに向かって行こうかというところではないのでしょうか。

「コラーッ、俺たちは踏まれっぱなしだけど本当は怒ったら怖いんだゾーッ!」と歯軋りしながら強がって威嚇する声が聞こえてきそうです。


かつて、みうらじゅん氏が朝日新聞の寄稿でこの邪鬼たちに対して『ナイス踏まれっぷり邪鬼!』と言っていましたがその通りみんな良い表情しています。


この邪鬼だけでなく、蓮華座、乗り物(動物など)、飛雲など仏像たちの足元にもいろいろな意味があって、その意味をちょっと解るようになるだけでも仏像鑑賞に深みが増します。

これぞ見仏の醍醐味‥。

誰もが絶賛する「持国天」邪鬼の表情。

私は個人的にこの「増長天」邪鬼が好きです。

「多聞天」邪鬼。
いきりたっています。
歯軋りしてます。

「広目天」邪鬼。
彼もいい表情。よく見ると敵を睨みつけている感じにも見えます。

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