これぞアイドル  大仏  (東大寺)

ニッポン中の人たちに「ポーズをとってください」と言ったらほとんどの人が真似できるはずです。

日本中の人たちに最もよく知られ、仏像=大仏と言われるほど愛されている仏像です。
「キング・オブ・仏像」そういっても過言ではありません。

この文章を書きながら(と言ってもキーボードですが)何かウキウキして来ます。
癒されるとか、のめり込むとかそういうことではなく、見ているだけで、見上げているだけで何か暖かくなって、ウキウキしてハイテンションになってきます。
プロレスで言うとジャイアント馬場さんといったところか(たとえ方が変!)‥
それくらい見てて安心する不思議な仏像です。

しかし仏像解説の文献を色々見ていていつも思うのですが、何回首が落ちたとか、お顔は江戸時代のものだとか、昔はもっと面長の顔をしていたとか、そんなことばかり。
もっと「仏像」としての美とか魅力とかを語った文章はどこにもないではないか!(一人吼えている私)
でも私にはそんな魅力なんか語る文書があっても、この仏像を見た人は(日本人のほとんどの人が見たことあると思います)分かっているはずです、この仏像の魅力を。

まず「大きいなぁー、凄い」と、デカさに驚き、そして見ていて安心する。そして周りをぐるっと回って光背を後ろから見てまた大きさに驚き、最後に大仏殿を出るときにもう一度振り返って大仏様を見て「また見に来ます」と挨拶して帰る。私はもう何回も(と言っても十数回くらいですが)大仏殿に来ていますが、来るたびにほかの拝観者たちがどんな顔をして大仏さんを見ているのか気になっていつも観察しています。するとほとんど人がそのような感じで大仏さんを拝んでいるわけです。

本当の「アイドル」というのはこういうことを言うのかなと思います。
私でたとえるなら興福寺の「阿修羅」に麻薬のようにのめり込んだり、同じ東大寺の「月光菩薩」のように魅せられてうっとり見つめていたりと、そういう感じではなく、ただ見ているだけで安心、ほっとする、あんまり意識していないけど凄い存在感、「アンタがそこに居なきゃ始まらない」と言った感じ(また変なたとえ方)です。

皆さん御存知かと思いますが、お腹と蓮弁の一部以外は鎌倉時代や江戸時代のものです。天平時代の面影はほとんどありません。
しかし少しずつ姿かたちを変えながらも人々にずっと「愛され続ける」というのは本当に凄いことであり、こんな仏像は他にあまりありません。
奈良に来て大仏殿を見るたびに「ああ、奈良に着たんだな、大仏さんの所に着たんだな」と安心するのは私だけではないはずです。
まさに奈良のシンボルです。

「毘盧遮那仏」の名の通り、いつまでも、いつの時代も私たちを照らし続けて、安心させてください。

これぞアイドル‥

※ここに掲載する写真はパンフレットや雑誌等からスキャンしたものです。まずかったら訴えずにまずご一報を。
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ここに来るたびに「あの中に居られるんだな」と思い、早く会いたくなります。




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