小野市に行きました。以前から小野市に住んでいる人から「浄土寺はええで、一度行ってみなはれ」と言われて気になっていたのですが、久々の平日休みが出来たので出かけてみることにしました。
実は恥ずかしながら浄土寺の存在自体それまで知らずにいたのでちょっとドキドキ状態で期待半分、不安半分で浄土寺に到着、田園地帯の一角にあってなかなか静かで落ち着く場所に在りました。
平日ということもあり私以外誰も伽藍には居らず、ちょっと寂しかったが気持ちを引き締めて国宝の「浄土堂」に突入。
お堂の入り口にステテコ姿のおじさん(多分お坊さん?)が居て、拝観料300円を払う。堂の中には国宝「阿弥陀三尊」が中央にデンと構えていました。阿弥陀如来立像を中心に勢至菩薩、観音菩薩像が両脇に構えるといういわゆる「亡くなって極楽浄土に向かう人を迎えに来られる」パターン。しかも阿弥陀如来は5メートル、脇侍の両菩薩も像高だけで4メートル近くもあり、さらに蓮華座の上に乗っているのでより高く感じられ、実際に天井まで届くくらいの高さもあり、10メートルくらいはあるんじゃないかと錯覚してしまうほどデカイ。
このデカさがポイントなんですね。大いなる包むような優しさで極楽浄土に行く私たちをお迎えに来てくれてアリガタや‥‥。と言いたいところだけど、入り口でじっとパイプ椅子に座って拝観料を徴収するステテコおじさんがラジカセのラジオを聴きだしたので雰囲気丸つぶれ。しかもお堂の中には私とそのおじさんだけ(仏像を入れると5人ですが)。ありがたい阿弥陀三尊像と私とステテコおじさん、BGMは毎日放送ラジオ‥‥。なんともミスマッチで不思議な世界がそこに展開されていたのであります。
まあいいか。快慶作といわれるこの阿弥陀三尊の優しい表情、浄土寺の周りの閑静な風景に免じてこんなことで腹を立てていては自分も死んだら「極楽浄土に行けなくなるわい」とラジオを聴きながらコックリと居眠りをはじめたおじさんを心の中で許してあげました。

浄土堂を出ると眩しい日差しでBGMもラジオから更にうるさい蝉の泣き声に代わっていた夏の一人見仏でした。

2004年07月13日 一人見仏 ありがたい阿弥陀三尊に免じて許してあげよう(小野市浄土寺)

狛犬も暑そう‥

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