素直に「ありがたい」と思いました。阿弥陀三尊像 (小野市 浄土寺)

※ここに掲載する写真はパンフレットや雑誌等からスキャンしたものです。まずかったら訴えずにまずご一報を。

「OH MY 見仏記」でも述べましたが、「ありがたや」と素直な気持ちにさせてもらえる仏像です。
初めて浄土寺に行ってこの三尊像を見てまず大きさに驚き、次に三体の立体的な配置に納得して、次に「ありがたみ」を感じ、最後に作者である快慶の懐の深さに感嘆させられて、その後2回ほどこの仏像に逢いに足を運びました。

浄土寺の浄土堂、朱色の柱、白壁、黄金の三尊像、ただそれだけの堂なのです。
しかしなぜか惹きつけられます。
まず浄土堂の入り口で拝観料300円を払います。堂に入って中央にデンと構える三尊がまず視界に飛び込んできます。像高自体は4、5m位ですが、蓮華座、飛雲の上に乗っており、しかも伸びやかな作りをしており、10m位はあるのではと錯覚してしまうほど大きく感じられます。
次に本尊の阿弥陀如来が一歩引いて、両脇侍の観音菩薩、勢至菩薩が少し踏み込んだ形で正面から見ると、すごい奥行きを演出させて、「今迎えにきましたよ」と感じさせられるところがニクイ。
今から極楽に向かうものを包み込むような大きさ・優しさで西方浄土から迎いに来るという演出に感嘆させられます。
男性的な運慶に対し、女性的な顔立ちの仏像作りの多かった快慶の作品らしく本当に優しいお顔で見るもの全てを優しく迎えてくれる、そう感じずにはいられません。

このやさしさ、ありがたさが心地よく感じられる浄土寺はまた何度も足を運びたいと感じさせせられました。

それとちょっと気になったのは三尊たちの爪の長さが意外に長いということ。入り口にいる拝観料徴収のおじさんに聞こうと思っても恥ずかしくて聞けないままになっていたので、あとで文献を色々調べて見ると当時の中国の仏画、つまり「宋画」の影響を快慶はかなり受けていたとのこと。「宋画」に描かれている仏たちはみんな爪を長く描かれていたみたい(何故かは知らないけど)。

しかしこんな素晴らしい仏像が私の地元(姫路市)の近くの浄土寺にあったとは今まで知らなかった私は恥ずかしい。
これからは私の住む近辺あたりの素晴らしい仏像たちの発掘・出会いを求め「ご近所見仏」を始めようと企んでいるこの頃です。

「さあ、お迎えにきましたよ」と阿弥陀さまが言っている様で‥

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