新薬師寺の本堂におられる十二神将・薬師如来は「仏像」というより人間らしく「天平人たち」と言った方が似合うくらいとても親しみがわいてくる仏像たちと私は思います。
これまで5回ほど新薬師寺には足を運んでいますが、私にとって仏像を見に行くと言うより、会って話をしに行くと言うつもりで訪れています。

本堂に入るときの私なりの「作法」というものがあります。
まず薄暗い堂内(最近はステンドグラスを取り入れて幾分明るくなりましたが)に入って目が慣れてきたときにまず一番下手の因達羅に「こんにちは」と話しかけて「ああ、こんにちは」と返事が返ってきたら(ように感じられたら)めっけもの。十二神将たちに次々に話しかけていきます。
3番目の迷企羅には「1200年左手を振り上げたままで疲れませんか?」毘羯羅には「振り上げた三鈷杵がカッコいいですね」昭和に入ってやってきた(江戸時代に地震で崩壊したため補作)波夷羅には「皆には仲良くしてもらってますか?」など話しかけ、最後に伐折羅にはあえて正面からではなく横顔に話しかけて「やっぱりあなたが一番カッコいい!そのポーズ最高」と話しかけていくのです(常人からするとおかしいと思われるかも知れないけど)。
それくらいこの仏像たちは人間ぽくてどこかで見たことあるようで親しみのわく顔立ちをしているのです。
そして最後に正面に回って大きめの賽銭箱にお賽銭をいれて、薬師如来さんに「最近また肩がこって仕方ないんですよ‥」と、不謹慎かも知れないけどお医者さんに話しかけるように気軽に話しかけるのであります。この薬師如来はカヤの木で出来ているのですがこちらに向けた右手の手のひらに注目。見る限り本当に人間の手のひらのような肌触りで、触ると柔らいのではないかと思うくらい温かみを感じさせられます。
みうらじゅん・いとうせいこうの「見仏記」ではぐるぐる早歩きで回って「仏像メリーゴーランド」といっていますが、ここはじっくり仏像たちとの会話を楽しみながら過すのもGOODです。(これぞ癒し)

それと近くにある奈良写真美術館もお勧め。新薬師寺から歩いて5分も掛からない近くにあり、いつもは見れない仏像の細部や表情もよく勉強できます。(大好きな入江泰吉の写真も多数展示)

PS:薬師如来像の横にいつもひっそり座っている(写真の赤丸)水牛? 一体どういう意味があるのか誰か教えてください。いつも気になっています。





会話の出来る仏像たち 十二神将像・薬師如来 (新薬師寺)

水牛が気になります。

あなたが一番カッコいい!

※ここに掲載する写真はパンフレットや雑誌等からスキャンしたものです。まずかったら訴えずにまずご一報を。

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