2005年05月20日 仏像は見れなかったが「大悲」の気持ちで (加西市 一乗寺)

5月20日はなんと会社が平日休み。
これを利用して見仏に行かねばと考え、行き先は姫路市のお隣、加西市の「一乗寺」、これだけは決めていたのでカミサンに「チョッと出かけてくるわ、昼過ぎには帰るから。」と言ってサッと地図帳と見仏セット(デジカメ、朱印帳、カミさんからもらったミニ双眼鏡)の入ったウエストバックを掴んで車に乗り込む私でした(この下調べ無しに向かったことで後で失敗を招く)。
自宅を出て、国道372号線に入って約40分ほど走って一乗寺に到着。
駐車場横には水子供養のお堂がいくつかあって、それを通り過ぎて受付に到着。
拝観料300円を払って受付を通り過ぎるとすぐ左側に「宝物館」がありました。しかし宝物館の周りを囲っている柵の門が閉じられており、そのとき「まさか」という、小さな不安が私の前を横切ったのでありました。

とにかく何も考えず一乗寺を目指しました。

とにかくその宝物館をかわして、石段を登っていくと正面に修復中の本堂である「金堂」が見えてきました。
その手前には仮本堂にしている「常行堂」があり、そこに秘仏である本尊の白鳳仏「聖観世音菩薩像」が金堂から修復の間、移されているそうです。
その常行堂にはプレハブ建ての「仮納経場」が繋がって建ててあって、チョッと雰囲気が壊れている感じがしています。
その納経場の中を通過して常行堂に入りました。常行堂内には厨子があってそこに金堂から移された秘仏の聖観世音菩薩像が入っているのですがやはり硬く閉じられて見ることが出来ません。厨子の前には「御前立ち」として金色の観音様が祀ってありましたが後世の作のようでやはり私的に「グッと」来るものがありません。
すぐ常行堂を出て、隣の国宝の三重塔をウォッチすることにしました。
さすが「国宝」と呼ばれるだけあって、堂々とした創り。特に屋根の下の木組みが複雑で素晴らしい。しばらくボーっと眺めておりました(最近になって三重塔フェチに変わりつつある私)。
しかしあくまでも私の目的は仏像であり、ここにいつまでもジッとしていてはいけないと考え、先に進むことにします。
修理中の金堂を横切って奥の院である「開山堂」に向かいます。
開山堂までは参道、と言ってもほとんど荒れまくった山道が続いており、道の両側は樹齢何百年もあろうかというほどの高い杉の木が並んでおり、参堂と言うより「修練場」を歩いている感じがしました。わずか数百メートルの道のりなのに汗は吹き出るわ、息は上がるわで、いかに最近運動不足であるか、ということが身にしみて分かりました。

石段を登っていくと‥

常行堂にくっついた納経場、チョッと雰囲気台無し。

三重塔には「グッと」きました。

デジカメがもっと広角だったら全体を撮れたのに‥

しかし開山堂の扉が硬く閉じられており、周りは何も無く(山の中なので当たり前か)、その数百メートル先にある「賽の河原」に行く気力もすでに無く、仕方なく参道(といっても山道)をとぼとぼ降りていきました。
「さあいよいよ宝物館だぁー」と不安をかき消すように言い聞かせて入り口の受付に到着。拝観料を徴収するおばさんに恐る恐る聞いて見るとあっさり、
「予約制ですけど‥」
「無理ですかねぇ」
「すいません」
「やっぱ無理ですか」
「申し訳ないです。今度来られるときは往復はがきか、電話などで申し込んでください」

そのままうなだれて出ようとして、朱印を貰うのを忘れていたことに気が付く。
また石段を登って納経場に行って朱印を貰うことにしました。

朱印に書かれた文字は「大悲閣」。大悲とは、思いやりの心、いたわりの心、困っている相手にどうかしてあげたい心、つまり「愛」と言うことらしいです。(丁寧に説明してくれたお坊さんアリガトウ)
そうかこんなことでくよくよしたり、いつまでも腹を立てたりしてはいけない、きまぐれに何も下調べなしにここに来た自分にも非があるんだと気付かされました(我ながら納得がハヤイ)。
そしてお坊さんからピンク色のきれいな「散華」も貰いました。観音経の一文字が記されており、西国三十三箇所で全て回って集めると満願で「観音経」が完成するそうです(※JR西日本のキャンペーンで平成18年の3月までやっているそうです)。

奈良や京都あたりのメジャーなお寺では必ず、秘仏以外なら大概の仏像は拝観できますが、ご近所見仏で巡るお寺では必ずしも仏像を拝めるとは限らない、それも楽しみの一つとして「大悲」の気持ちで「お気楽に」これからも「ご近所見仏」、続けます(我ながらいいまとめかただなぁ)‥。

さあ、次の「ご近所見仏」、どこへやら‥


歩いた果てに「予約制」。しかし「大悲」の気持ちで‥

いかにも山の中のお堂と言った感じの奥の院「開山堂」。

納経場で貰ったきれいな「散華」。観音経の一文字が記せられています。

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