09年5月22日 第2回自転車石仏巡り  G-ZO巡礼 
(松原地蔵尊〜袖もぎ地蔵〜八家地蔵)

「八家地蔵」。
お堂の中では群を抜く大きさです。

「松原地蔵尊」。うつむき加減の表情もグッときます。
水を飲んで一休み中のようです

八家地蔵」は海のそば、と言っても防波堤のもうギリギリの所に居られました。
向こうには姫路遊魚センター(海釣公園)が見えます

「八家地蔵」。近寄って見ると、温和なお顔に癒されます。
割れた光背にはかすかに蓮華紋様が見えます

お堂のそばには不動明王も祀られていました。このお方もイイ表情でした。
防波堤の向こうは穏やかな播磨灘。

「袖もぎ地蔵」。
ピントが中々合わないのでお顔の表情はよく分かりません。大きめの額の白毫(びゃくごう)が気になります。

今、「G-ZO」はマイ・ブーム

最近お地蔵さんが気になります。
地蔵といえば、観音さん、お不動さんと並んで「三大庶民信仰」の一つ。
特にお地蔵さんは、お寺に行かなくても道端のあちこちで見かけます。お寺では拝観時間が決まっていて、最近では16時には締めてしまうお寺も所々あります。しかしあちこちに点在するお地蔵さんはいつでも拝めます。そして親しみのあるお顔のお方がほとんどで、24時間私たちを守ってくれる身近な存在です。
しかし身近すぎるためか、一般的にはお地蔵さんは「地味な存在」。もっと地蔵さんを見直してほしいと思います(と勝手に一人決め込む)。
そして地蔵菩薩といえば、地獄に落ちた私たちを地獄まで来てくれて助けてくれるありがたいお方。
従って現在私はG-ZO(「G-SHOCK」のパクリ)ブーム。
自分が死んでもし地獄に落ちたら助けてもらうため、今のうちに「媚を売っておこう」と(セコイ!)、今回自転車でご近所の地蔵さんめぐりを行いました。


うつむき加減の松原地蔵尊


我が家を出て南に向い、海沿いの国道250号線を東に向かいます。
まずは「松原地蔵尊」です。国道の道沿いにある階段を上って、チョット小高い位置にあるお堂の中に居られました。
うつむき加減で衆生の願いをじっと聞いているかのような表情。前に供えられたコップの水を飲んで一休みしているかのようにも見えます。キュッと締まった口元がチョイセクシーでもあります。
丁度このお地蔵さんの居られるお堂の国道を挟んで前にあるのが「灘のけんか祭り」で、各町の屋台が練り合わせする「お旅山練り場」なのです。毎年このお地蔵さんは祭りの時に特等席で祭りを見ていたのか…(羨ましい)
お堂の前にベンチがあったので、一休み。ペットボトルのポカリスエットを一気に飲み干す。とにかく暑い。
5分ほど休んで、更に国道を東に向かいます。


「袖もぎ地蔵」の前ではつまずくな!

山陽電車八家駅前で国道を離れて南下します。
街中を通って「八家地蔵」を目指します。その途中でふと「袖もぎ地蔵」の看板が目に留まる。さっそく寄ってみることに…
小さい古い公民館のような建物の中に祀られていた「袖もぎ地蔵」。
「袖もぎさん」といえば、中国・山陽地方を中心に広まった民間信仰で、その前でつまずいて転んだものは、着物の片袖をちぎってお供えしないと災いが起こるという。そのため転んだ人が厄払いのために袖を供えたことからその名前が付いたと聞きます。
早速に中に入ります。堂内は畳が敷いてあって、奥の格子の仕切りの中に居られました「袖もぎ地蔵」。
石棺に彫られたお地蔵さんで、お顔の表情は眼と口の部分の剥落が進んでよく分かりません。お賽銭をあげて合掌して「般若心経」を唱えてお参りします。
そしてデジカメでお顔を撮ろうとしたら何故か中々ピントが合いません。デジカメを色々いじっていると背中にゾクっと来そうな感じが出て、退散することに。
慌てないでつまずかないように畳の上をゆっくり歩いて出て行きます。だって今日の私の服装ポロシャツ。半袖なので、供える「袖」がありません(怖)…


うわさ通りのイイ表情「八家地蔵」

「袖もぎ地蔵」から5分ほど走って、「八家地蔵」に到着。
防波堤ぎりぎりの場所にあるお堂の中に居られました。案内板を読むと鎌倉時代の造立で、光背・台座を含めて2m以上ある半跏像、石仏の地蔵としては稀にみる大きだそうです。
確かに大きいです。祀られているお堂の中には、このお地蔵さん以外にも、観音さんや大日如来、不動明王などグッとくる多くの石仏がありますが、それらの中でも一番の存在感。
近寄って表情を見る。温和な中にも引き締まった表情、口元を見るとにっこりしている様に見えます。衣紋も木彫りではないか?と思えるような美しい表現。何時まで見ていても見飽きません。
伝説によると行基が彫ったとか、ウミガメの背中に乗ってこの地にやって来たとか、伝説の絶えないこのお地蔵さん。古くから「子授け地蔵」として信仰されてきたようです。
飾られた花もまだ新しく、線香や蝋燭もまだ火がついたまま。やっぱり「拝まれている」仏像ってイイですな〜

防波堤に上ってポカリスエットの2本目を飲む。
海からの風が心地よく、このお地蔵さんと同じ温和な風景に暫くじっとしていました。

これで私も地獄に落ちて、鬼に「釜茹で」にされそうになったらたら、きっと地蔵菩薩が助けてくれるでしょう…(と勝手に決め込む、お地蔵さん達スイマセン)

今回は海沿いのお地蔵さんを巡りました。
走行距離は約15キロ(当てにならない頭のナビではじき出した数字)。これからも徐々に距離を延ばして石仏巡りを楽しんで参ります。

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