天気がいいので境内にいる猫たちも気持ちよさそう。

ご存じ国宝の浄瑠璃寺三重塔。中には私のまだお会いしていない、「薬師如来」さんが…

東大寺境内は、紅葉まっ盛り。黄色い銀杏が美しい。
私以外、たくさんのカメラマンもこの木を狙っていました。

青空と東大寺大仏殿

今回のお土産。
心のアイドル「吉祥天」の絵葉書と、奈良国立博物館オリジナルの「仏T」(仏像Tシャツ)です。
コロッケは撮影前には私と家族の胃袋の中に…

平日ながら、修学旅行生や紅葉狩りの参拝客でにぎあう二月堂、法華堂あたり。

本堂の屋根には、とぼけた顔の狛犬が…

浄瑠璃寺本堂(九体阿弥陀堂)

T隊員はマジで買おうとして家にいる彼のカミさんに電話で交渉中。

浄瑠璃寺の参道沿いには、無料販売所が沢山あります。この大きさ・ツヤで1本100円!

参道で見た、可愛らしい「りんどうの実」

何気に見たポスターにあの「馬頭観音」が!これは行かねばなりません!

吉祥天に会いたい…パワーが欲しい…「つよしのコロッケ」食べたい…

今回の第12回ツアーの案内メールを送ったところ、早々に返事が来たのはT隊員でした。
返事のメールには「私は『つよしのコロッケ』が食べたいです。」の一言だけ。
「つよしのコロッケ」とは何ぞや!とネットで調べると、奈良の地に美味しい手作りコロッケ屋さんがあるそうで、カミサンに聞くと「あっ、知ってるそれ」と…
結構有名なんだ…

N隊員からは「とにかくパワーが欲しいのです」といつものように意味不明な返事が…
色々調べると丁度この時期、京都の加茂にある浄瑠璃寺では、私の心のアイドル「吉祥天」が開帳時期。私は約10年ほど前に、この地を訪れて吉祥天にノックアウトされたことがありました。吉祥天ならN隊員の好みの女性に似ている(彼は高校時代からふっくらした女性が好みと言っていた)のできっとパワーがもらえるはず…
ということで浄瑠璃寺〜東大寺〜つよしのコロッケという変なツアーに決定。
3人の変なオッサンたちを乗せた車はいつものように東へ東へ…


加茂はいいなぁ〜

奈良県と京都府の県境にある加茂。ガチャガチャした奈良の市街地を抜け、一山越えると景色は一変。山奥の隠れ里的な雰囲気。加茂って、奈良でもなく京都でもない独特な「わびさび」な雰囲気が漂う素敵な場所なのです。
車で走っていると、あちこちで石仏やお地蔵さんが見られて、それを見るために山歩きスタイルでこの地を歩くハイカーもたくさんいました。そんな景色を楽しむうちに浄瑠璃寺に到着。駐車場から山門までの参道沿いにはいつものように、アッチコッチに「吊り下げ無料販売所」がありました。100円を備え付けの小瓶に入れて、吊り下げてある農産物を買う。いいなぁ〜のどかで…
そうしているうちに、山門をくぐって、本堂(九体阿弥陀堂)に到着。
受付で朱印帳を預けてさっそく入ります。


吉祥天はいいなぁ〜

本堂に入ると、いやでも目に入る黄金の「九体阿弥陀如来」。九人が居並ぶ世界はさすがに壮観。九人しかいないのに、何百人も並んでいるかのような圧倒的な迫力。正面から見ずに、斜め横から九人を見渡すと、「黄金の波」がズズ〜ッと押し寄せているように見えてしまう。
T隊員はこの「九体阿弥陀如来」に興味津津で、「この阿弥陀とこの阿弥陀とは衣の表現は若干違うなぁ」と、九体のそれぞれの微妙な違いなど、細かいところまで見仏しているようです。
「パワーが欲しい」と言っていたN隊員は、九体阿弥陀如来の一体ずつ合掌してお参りをしている。
そして重要文化財「吉祥天」の前に立つ。
色白で優しいお顔、下げた右手の手のひらが、なんとも小さく、そして優しいことか…木造なのですが、触ると人間のような温かささえ感じるのではないかと思えてしまう。
「お久しぶりです。今日はあなたに紹介したい人を連れてきました。パワーをあげてください」と心の中で伝えて、N隊員に吉祥天を説明する。
「いいね、いいね〜」と連発するN隊員。相当気に入った様子。
T隊員も吉祥天の前に立ってから、動かなくなる。
その後T隊員とN隊員は「吉祥天お守り」、私は吉祥天の写真の絵葉書を買って本堂を出ました。二人とも吉祥天を初めて見て心打たれた様子でした。


秋の庭園を満喫

本堂を出て、池の周りをぐるっと回ることに。
本堂をはさんで反対側の方角には、国宝の三重塔があります。檜茅葺の珍しい屋根。小さいけど存在感バリバリの塔です。塔の周りには修学旅行の女生徒達でにぎわっていたので長居はせず、池の周りを更に回ることに。
石仏の里らしく、境内のあちこちにも石のお地蔵さんや石仏たちがが祀られていました。みんな表情が可愛い。
紅葉は美しかったですが、N隊員が「どんぐり落ちていないなぁ〜」と漏らしている。彼の見仏バッグにはお決まりの空のペットボトルが…
「奈良に行ったら、いつものように奈良公園で拾いましょう」とN隊員を慰める私。池を一周して、本堂に帰って来たときは本堂前は女子生徒達がお坊さんの解説を聞いていました。そして新たにやってきた、ハイキング参拝者も合わさって、本堂前は人だかりで歩くのもやっとという賑わい。
「そろそろ次の目的地に行きましょうか?」と二人を乗せて奈良公園に向けて車を走らせます。


「松ぽっくり」のレクチャーを受ける

お決まりの高畑駐車場に到着。
いつものようにお決まりの「天下一品」のラーメンを食べて、いつものようにドングリを漁りながら奈良公園を歩きます。しかし中々お気に入りのドングリが見つからず、N隊員は寂しそう。空のペットボトルはにまだほとんど入っていない。以前は辺りかまわず、どんどん入れていたのですが、今回はじっくり選んで拾っている模様。ドングリの「目利き」になったのだろうか…
今回の奈良公園は、ドングリ以上に松ぽっくりも大量に落ちていて、私は、
「松ぽっくりの自体もドングリと同じで種なんだろう?」
という素朴な質問にT隊員が喰いつく。
T隊員「何言ってるんや、松ぽっくりの羽の裏側にそれぞれ種が隠れていて、それが飛び散ってから、種が無くなった状態から松ぽっくりは落ちてくるんや、それ常識やで」
私「へ〜そうなんや、松ぽっくりに隠れている種って見たことないなぁ」
T隊員「見たいか?」
私「うん」
T隊員「じゃあ、たまに落ちている松ぽっくりの中にはまだ種が残っていヤツもあるから、拾ってあったら見せてやるわ」
そういって今度は三人で松ぽっくりを拾い漁る。奈良公園で40代の変なオッサンたちがドングリや松ぽっくりを拾いまくっている。他人から見たら変な図式でしょうね…
そうしているうちにN隊員が目ぼしい松ぽっくりを見つけて解体。中から昆虫の「羽」のような形をした種を発見。私に見せてくれました。
T隊員「この羽がヘリコプターのようにくるくる回りながら落ちてくるんや」
と丁寧に教えてくれました。前回の奈良ツアーでは、「ミドリガメ」と「クサガメ」の見分け方から生態まで教えてくれて、今回は松の種について教えてもらいました。まさに私にとって「ファーブル先生」のような存在です。


馬頭観音に会いに予定外の奈良国立博物館

そうしている間に奈良博の前を通りすぎる。その時、一枚のポスターに釘づけになる。奈良博の本館ではなんと現在、さっきまで我々が訪れていた、浄瑠璃寺の「馬頭観音」が、展示されているそうな!
明治時代からこの奈良博に寄託されている馬頭観音。近年では数回浄瑠璃寺に「里帰り」しているそうです。数年前の里帰りの時はもちろん浄瑠璃寺に行きましたが、堂内では後ろの「第四の顔」は見れません。奈良博ではなんとか見ることができるので、予定外(東大寺の後にもう一寺巡る予定でした)ですが、奈良博に突入することに決定!
本館に突入してドンドン進みます。東大寺の国宝プリティー「誕生釈迦仏」や興福寺の天部八部衆の一人「緊那羅(きんなら)」など凄まじいお方たちを流すように見て、「馬頭観音」の居られる部屋に到着。前回の奈良博の時は、背面が隠されたガラスケースでしたが、今回は360度ガラス張りなので、初めて真後ろから拝むことができました!
真後ろから見る馬頭観音。火炎光背の燃え盛る炎の隙間から覗く第四の顔。
恐ろしく、しかしどこか優しさが感じられるお顔。今度は正面から見る。
やっぱこの馬頭さんイイ!怖いお方だけど何故か釘づけになる。
T隊員は、「ちょっくら休むわ」と言って、馬頭観音の展示している部屋のベンチで座ったまま、なんと居眠りをしてしまう。そばには解説員の職員さんが座っているのに…怒られないかと冷や冷やしながらの見仏になりました。
「今回も笑っていますね」とN隊員。彼は前回もこの馬頭観音を「笑っている」って評していたっけ。
「おまえら本当にしょうがない奴らだなぁ!」って、この馬頭さんは言っておられるように感じながら、30分ほどこの馬頭さんの周りをぐるぐる回って見ていました。
時間が迫ってきたので、そろそろ締めの東大寺法華堂に向かうことにしましょう。
地下の「奈良博ミュージアムショップ」で、仏T(仏像Tシャツ)衝動買いして、東大寺に向かうことに。


法華堂にて北海道の老夫婦に解説する

法華堂に到着。最初の10分位の間は、我々以外に2〜3人程度の静かな堂内でしたが、いきなり女子高生の集団が引率の先生たちとドカドカ入ってきまいた。
そして「いかにも歴史に詳しい」そうな先生の解説が始まります。その説明に聞き入る我々。女子高生たちも素直に静かに聞いていました(おお、出来のいい生徒たちだ)。解説が終わると生徒達は徐々に出て行き、堂内に静かさが戻る。その時私のそばにいた老夫婦が「もうちょっと解説聞きたかったね」って話をしている。なんでも北海道からはるばるツアーで来ていたお二人で、この法華堂に是非来たくて、ツアーのガイドさんにお願いして、大仏殿は寄らずに単独で法華堂に来たそうな。先生の解説の途中で堂内に入ってきたので、解説のほとんどを聞き逃したという。
この熱意に応えなくてはなりません(勝手に思ったりして)。いつものおせっかい精神が出て、堂内の諸仏の解説を始める私。特にご主人の方は色々詳しく聞いてきて、東大寺の縁起や、明治の廃仏毀釈時に東大寺は、なぜ被害が他の寺院に比べて少なかったのか?などを矢継ぎ早に聞いてきて、こちらもタジタジ…
そうしている間に小一時間が過ぎたので、老夫婦と一緒に法華堂を出ることに。
そろそ帰路につきましょうか…

法華堂から大仏殿へ下りる参道の途中で、T隊員が、
「あのお店、帰りに寄ってくれるんやろうな?」
私「もちろん、ちゃ〜んとネットで場所調べてナビに登録しときましたよ」
N隊員「何のこと?」
N隊員に内緒にしていた、最後の目的地「つよしのコロッケ」に車を走らせることにします。


コロッケで締めくくる満腹ツアー

東大寺から車で20分くらい走ったところにあった「つよしのコロッケ」。
住宅街の真ん中にあって、とても分かりずらいので、車から降りてT隊員が探してようやく発見。
揚げる前の「生タイプ」を三人それぞれ大量に買い込んで帰りました。
なんでも知り合いからT隊員が貰って食べたところ美味しさに感動したとか…


私も買ってきたコロッケを、家に帰ってさっそくカミサンに揚げてもらって食べました。
表面はカリカリ、でも中身は柔らかく、まろやかで甘い味に納得。
コロッケを食べながらまろやかな「吉祥天」を思い出す私。


今回のツアーは、癒しあり、課外授業あり、予定外の出会いあり、美味との出会いありと、いつも以上に「満腹」のツアーになりました…

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初めて見る松ぽっくりの「種」。
勉強になりました。
オッサンたちの課外授業でした。

08年11月26日 第12回見仏ツアー 秋深し満腹ツアー 
(浄瑠璃寺〜奈良国立博物館〜東大寺)

池の周りにはあちこちに、石のかわいいお地蔵さん達が居られました。




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