「誰か教えて!」の回答集

どうして、イギリスでは家の新築がみられないのでしょうか? (99/05/31)
はじめまして。東京在住のひろみと申します。 2月にイギリス旅行をしました。1週間ちょっとですが、 ロンドンやウィンザー、コッツウォルズをおとずれました。
さて、今、建築の勉強をしているのですが、 イギリスではぜんぜん家の新築をしている風景を見ませんでした。 日本では町のあちこちで新築が行われています。 どうして、イギリスでは家の新築がみられないのでしょうか?
誰かご存じでしたら教えてください!
ひろみさんの質問)

TRIAHNDS VIRTU さんの回答 (99/06/05)
英国では着々と団地(?)の開発は進んでいます。先のモモジさんのおっしゃる通りで す。
私は建築を見るのも面白いとは思いますが、それより中古の家を買って自分の手で、 或いは夫婦、家族で100年も200年もまえの煉瓦造り、石造りのぼろ屋を内部改 装して 時代復元したり、モダ−ンに作り替えたりしているあたり研究されるのもいいかと思 います。 モモジさんの言っておられるように,英国人は古いものも大切にします。 手入れをすれば使えるものなら1000年前のものでも”使うわなきゃあー” ” 使 える、使える” ”なおそう、なおそう” と物をいつまでも慈しむところが有ります。けちではない と思います。 昔の日本もそうでした、その気持ちと行いを忘れただけです。もったいないことで す。
さて、イングランドは余り詳しくないのですが、スコットランドでは花崗岩が豊富な ので グラナイト・ハウスがたくさん有ります。」200年物の物件などザラ。外はぼろで も改装後(手入れ後)の家は立派なものです。超モダンな改築を施していたり、中世 風そのままので 有ったり。 その一方イングランド風の赤(クレート色)の煉瓦建ての一軒家や連屋 根(長屋と云うにはちょっと違うのですが、多分お分かりに成ると思います)はドン ドン建てられています。 それも中・小規模な新団地みたいな。 もっとも2本3本の 暖炉煙突は有っても デザインに付けているのが有りますねー。
バンフ、エルギン、インバネス、フレーザーバラなどにも建てられています。 ソウソウ、アバディーン大学に女性で建築の留学生がいらっしゃいました。
彼女は 質素で有っても重厚で、歴史に裏打ちされた飽きない建築デザインを学びたいと言っ ておられました。若いのにいい心がけと意志を持っていらっしゃると思いました。
お役に立つでしょうか????

モモジの回答 (99/06/05)
ひろみさん、掲載が遅くなって、すいませんでした。
そうなんですよね。私も初めて英国に行った時、そういう印象を受けました。 尤も、その時はサッチャー時代で英国病に苦しんでいたので、ムリもありませんでしたが。 そういう時代背景とは別に、「変わらない英国」というのは定評になっているようです。
私が思うに、家の新築が少ない理由は次の3点だと思います。
1.古いものが好きな英国人の気質
国民的趣味がアンティークということからも分かるように、英国人は古いものが好きです。 「伝統の国」とか「古さを愛する国」という修辞句は、一度ならず聞いたことがあると思います。 20年前の掃除機を使っている人もいるそうです。
2.家に対する価値観
日本人は、家とは「はかない仮の住みか」という意識があって、何世代もの使用に耐えるよう な頑丈な作りにはなっていません。法隆寺はどうした、とかいう反論が聞こえそうですが(^^; 一方、英国人は家は何世代もかけて作って、何世代も使うものという意識があります。 そのため、新築の家を作るよりも、古い家を買って、それを長い時間かけて修理して使うという のが、かなりポピュラーです。 また、英国人は家具なども先祖代々のものを大事に使うのが当たり前と思っています。
3.社会資本(インフラ)の整備
日の沈まない大英帝国の繁栄のおかげで、社会が必要とする建造物、ユティリティ、システム はほとんど整備されていて、いまさら新しいものを作る必要もないということです。

それでは、新しいものはなのかというと、当然そんなことはありません。テムズ川の対岸では大規模な新規開発が行われていて、ミレニアムドームに代表される近代的な建物が林立 しています。 ちょっと古いですが、ミニスカートを流行させたのもイギリスですし、ビートルズまで持ち出さなく ても、今でも音楽はイギリスが最も(?)前衛的です。
以上は私見なので、他の方の違うご意見も聞けると嬉しいです(^^)