英国絵画


英国絵画に関する情報集です。 ターナーやコンスタブル、ロセッティ、ブレイクなどを紹介しています。
英国祭98の「テートギャラリー展」や「英国絵画展」などで展示されたターナーの「ノラム城、日の出」やコンスタブルの「フラットフォードの製粉所」は本当に素晴らしかったですね。
今後、イギリス美術館の情報なども含めて少しづづ充実させていきたいと思います。



ジョセフ・ターナー(1775-1851)

風景画史上最大の巨匠。幻想的な淡い色彩の風景を描き、印象派の先駆者としても知られている。

1775年ロンドンで生まれる。生涯の大半をテームズ河畔で過ごした。
ロイアル・アカデミー・スクールに14歳の若さで入学。
「小川をわたる」(1815年)をアカデミーに出品し高い評価を得た。ターナ前期の最高傑作。
サセックス州ペットワースにあるパトロン、エグリモント卿の館に滞在し多くの作品を作成した。
1815年にフランスでナポレオン戦争が終結し、イギリスでは大陸への観光旅行が一大ブーム となりターナもヨーロッパの各地を旅する。「ヴァチカンから見たローマ」(1819-20年) はターナの転機を飾ると言われる作品。

代表作
「ノラム城、日の出」(1835-40年) 景勝地として知られるイングランド北部のノラム城を描いた。

「雨、蒸気、速度」(1844年) 西洋絵画史上の傑作といわれる。

「戦艦テメレール号」(1838年) トラファルガー海戦で活躍したテメレール号が解体の ためにテムズ河を引かれている情景を描いたもの。

「吹雪」(1842年) 62歳の時、嵐をついて出帆する蒸気船に乗り込み、 マストに自分の体を縛り付けて嵐の中で描いた晩年の力作。



ジョン・コンスタブル(1776-1837)

フラットフォードに生まれ育った。生まれ故郷の風景を描き続け、彼の作品は英国人の心の風景となっている

代表作
「ランガムから見たデダム」(1813年)

「フラットフォードの製粉所」(1816-7年)

「ソルト・ボックスと呼ばれる家の見えるハムステッド・ヒース」(1819-20年)



ダンテ・ガブリエル・ロセッティ(1828-1882)

ラファエル前派の画家。 ラファエル前派はルネッサンス初期のイタリア美術のような虚飾のない表現を求めたロイアルアカデミーの美科学生達のグループ。
世紀末的な官能美をたたえるその女性像は多くの人々を魅了してきた。

ロセッティはラファエル前派のマドンナ的存在だったエリザベスと結婚する。「ベアタ・ベアトリクス」は妻エリザベスをモデルとした作品。

ところが、「レイディ・リリス」(1868年)のモデルである売春婦のファニー・ コンフォースと関係を持つようになり、 妻エリザベスはこの関係に耐え切れず1862年にアヘンチンキで自殺してしまう。

エリザベスの死後、ウィリアム・モリスの妻ジェーンとまた不倫の関係を持つように なる。
「パンドーラ」(ギリシャ神話で災いの箱を開けてしまう女性)はジェーン・モリスをモデル とした作品。
ロセッティとモリス夫妻は、ロンドンの北、オックスフォードシャーにあるモリスの館で共に暮らすようになり、モリスもその関係を黙認した。

しかし、スキャンダルに対する恐怖と妻に対する罪悪感から、1872年に今度はロセッティがア ヘンチンキで自殺を図る。「プロセルピーナ」は自殺未遂の年にジェーンをモデルにした作品。
晩年のロセッティはアルコールと薬に溺れる日々を送り、53歳でこの世を去った。



ウィリアム・ブレイク(1757-1827)

ロマン主義の詩人、神秘思想家として知られる。
聖書や神話を題材にした神秘的な想像力の世界を描いた。

版画家の徒弟時代はウエストミンスター寺院の遺物を版画に残すという仕事をしていた。
版画家として一人立ちしたブレイクは頭に浮かんだ様々なイメージを本にした。
1779年に詩集「無垢の歌」を出版。また、フランス革命の勃発にブレイクは強いインスピレーションを感じ、詩集「ヨーロパ ひとつの預言」を生み出した。

代表作
「アベルの死体を見つけたアダムとエヴァ」

「蚤の幽霊」

「アダムを創造する神」