桃山時代の天下一是閑の顰(しかみ)です。
是閑は大野出目家初代、是閑吉満で1617年没。豊臣秀吉より「天下一」の称号を受けています。
保存状態が悪く、彩色の剥落や木部の割れなどが随所に見られます。
目の金冠が外れており、耳は木部から欠けています。
所蔵のシールが貼られています。口の端から木部に亀裂。接着剤を充填し、割れをとめます。
木部の割れは表の彩色部分まで亀裂を残しています。
「天下一是閑」の焼印と「出目是閑打ち」の満猶(大野出目家六代目、甫閑満猶)の極書きがあります。
頭部にも亀裂がみられます。接着剤を充填し、割れをとめます。
欠落した眼の金冠をつくります。銅版をたたき出し金メッキをかけます。メッキ前の金冠とメッキをして古色付けをした金冠です。
金冠をはめて修復完了。