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『X−MEN』
【感想】 ★★★☆ H18.3.12

X-MEN 1963年マーヴェル・コミックスの主筆原作者スタン・リーが生み出した、ミュータントのスーパーヒーロー・チームX-MEN』を観る。私にとってこの作品は不思議に惹かれるものがあり、劇場で観てDVDを発売日に購入し、あまり面白くなかったので売ってしまい、しばらくしてまた無性に観たくなり購入。その後アルティメット・エディションなる特典満載で再販され、持っていたものをまた売って買い直すという、2回売り飛ばし3回買ってしまうということに。

 驚異的な治癒能力と、巨大な超合金の爪を持つ無敵の男ローガン(ヒュー・ジャックマン)。何らかの移植手術を施された記憶が断片的に残るのみで、自分が何者か記憶がなく、あてもない自分探しの旅を続けている。一方、自分の意志にかかわらず触れた者の生命力と能力を吸収してしまうローグ(アンナ・パキン)。その自らの危険な能力により、家を出たローグは偶然にもローガンと出会い、無理やり彼の車に同乗することに。しかし、その二人の前に敵対する、同じく特殊能力を持ったミュータントたちが現れ、壮絶な戦いに巻き込まれていく・・・。

 異形の者たちが受ける理不尽な仕打ちや悲しみなど、意外な強いメッセージ性を感じる。原作が生まれた1960年代のアメリカにおける、人種差別に反対する公民権運動の影響が色濃く作品に反映されているんだろう。そして、世界中を巻き込むスケールの大きさに加えて、強いんだか弱いんだか分からないところがいい!もの凄いカッコいいんだけどすぐやられちゃって、そんでもって最後は勝つみたいな(笑)やはりそのキャラクター達の魅力を十分に理解し、引き出していると思う。観ていくうちに、次第にそれぞれのキャラクター達に愛着が沸いてくるのだ。

そして今観るとその豪華な顔ぶれに、改めて良くぞここまで揃えてくれたと感謝したくなる。その中でもなんといってもウルヴァリン演じるヒュー・ジャックマンが素晴らしい。メイキングで彼自身が、現場に行くとどこの誰だみたいな目で見られて、凄いプレッシャーを感じたと言っていたが、この作品まで私もまったく知らない俳優だった。映画を見てる最中に雰囲気がメル・ギブソンに似てるなあ、なんて思ってたら同じオーストラリア出身だった。メル・ギブソンと同じ、ハリウッドの俳優達と違う、乾いた大地の風を感じさせる男臭さをまとってるってとこだろうか。それからメイキングで見せる表情が、とっても人の良さを感じさせる。ファムケ・ヤンセンとジェームズ・マーズデンが言い争っている側で、困った顔で笑ってるシーンとか、X−MENのユニフォームの革が硬くて、低い塀を乗り越えられなくてズッコケてる姿も好感度抜群!ここにさらにパトリック・スチュアートにハル・ベリー、イアン・マッケランまでいるんだから凄いよ!

いよいよ今年「X−MEN3」が公開されるが、大抵続編はアクションやVFXが大掛かりになっていくだけで、内容が薄っぺらくなって最初の作品を越えられないんだけど、このオリジナルのキャスティングがそのままなら、また劇場まで観に行こうかなあ。