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『ウォンテッド』
【感想】 ★★★ H21.4.25

ウォンテッド 「ナイト・ウォッチ」のティムール・ベクマンベトフ監督の最新作『ウォンテッド』を観る。予告編のアンジェリーナ・ジョリーのアクロバットな銃撃シーンをはじめ、「マトリックス」を髣髴とさせる刺激的な映像から、期待大のアクション映画だった。

 平凡なサラリーマン生活を送っていたウェスリー(ジェイムズ・マカヴォイ)は、暗殺組織フラタニティに入り、厳しい訓練のもと、同じく凄腕の暗殺者だった父の血を受けて次第にその超人的な暗殺者の力を覚醒させていく。

 その革新的なアングルとカットを多用するスタイリッシュなアクションシーンが、素晴らしく、そしてカッコいい。ただこの驚愕のビジュアルシーンよりも、頭を貫通した銃弾が額から飛び出すシーンをはじめ、とにかく私はこのグロテスクなシーンしか印象が残らなかった。やたらと繰り返されるR指定ともなった血しぶきやバイオレンスに、私はただただ気分が悪くなるばかり。ターゲットが悪人かどうかも分からない不明瞭さで、必殺仕事人よろしく極悪人を颯爽と暗殺するカタルシスはなく、暗殺者がその殺しを楽しんでいる様とかもNGだった。そして一番の売りであったはずのこだわりの映像を、台無しにするへんてこなストーリー展開に、なんとももったいない気分に。

出産明けのアンジェリーナ・ジョリーの、ただ怖い顔をするだけの薄っぺらい演技も魅力がなく、モーガン・フリーマンにいたっては、なぜ彼だったのかよく分からなかった。ただ一点、ウェスリー役のジェイムズ・マカヴォイがいい。ぱっと見人のよさそうな好感度にあわせて、暗殺者となった時のあの精悍さ。さっそく今までにどんな作品に出てたのか調べてみると、なんとビックり!「ナルニア国物語」のあのタムナスさんだったとは。本作の前に出演した「ペネロピ」や「つぐない」で既に注目されていたらしいが、これからも次回作がさらに注目される男優ですねえ。

そして私がこの映画で見て一番良かったことは、予告編であの細胞がバラバラになるような男のシーンの謎が解明されたことかなあ。なるほどねえ〜、ああいうことだったんだねえ(笑)
それでもアクション映画好きには、たまらない映画・・・かも(^^;)