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『ヴィレッジ』
【感想】 ★★★☆ H17.4.26

 ご存知思わせぶりぶりの映画を連発するシャマランの最新作『ヴィレッジ』。劇場で観たときに物凄くびびったシーンがあり、もう一度観たさにDVDも購入。毎回評価が分かれるシャマラン作品、今回もかなり別れたみたいですね。

深い森の中に外界から隔離されたかのようにある小さな村。森の中には古くから「語られぬもの」と呼ばれる者たちが棲み、村は掟によって守られていた。しかし、今この掟が破られる・・・。数々のどんでん返しをみせてきたシャマランの新感覚サスペンススリラー。今回のどんでん返しはどうだったか?
私は今回二回目を観ることでこのどんでん返しがなんだかやっと分かりました。それは、「語られぬもの」が何だったとか、ラストがどうかだったなんてものじゃない。まして、このオチにがっかりしたという人はまだまだ。


今回もどんでん返しが用意されているが、意外なところにもうひとつどんでん返しが用意されていた。それは映画のジャンルが観終わった後にまったく変わっているのだ。なんとこの映画はサスペンススリラー映画じゃなくロマンス映画だったのだ!
この映画をロマンス映画と思って観ると、まるで違った印象を受けます。最初は怪物がいつ出てくるのかなんてドキドキしながら観てしまうけど、二回目だと既にストーリも分かっているので、主役もルシアスじゃなくてアイヴィーであり、彼女の無垢な愛が切なく、そしていじらしいです。なんとも不思議な映画なのだ。


その主役のアイヴィーを演じるブライス・ダラス・ハワードは、私の大好きな『スプラッシュ』や『コクーン』の監督ロン・ハワードの娘だそうです。アイヴィーのもつ気品や清純なイメージにピッタリの女優さんです。他の出演者もかなり豪華で、ホアキン・フェニックス、ウイリアム・ハートにシガニーウィーバー、さらにオスカーとりたてのエイドリアン・ブロディ。しかし、これだけの名優を揃えているのに、映画の中ではみんな名優のオーラがまったく出ていません(爆)
みんなごく普通の村人になっています。これもシャマラン・ワールドなのか・・・。なんとも不思議な映画なのだ。


それから、企画当初アイヴィー役はキルスティン・ダンストだったらしく、諸事情により降板したそうです。どちらがよかったんでしょう?私は断然ブライス・ダラス・ハワードです。キルスティン悪役顔すぎ!(笑)

今回のテーマは「本当の恐れとは愛する人を失うこと、愛がすべてを可能にする」
一度観てだめだった人も、もう一度違う目で観てみてはどうでしょう。きっと違う『ヴィレッジ』を観ることが出来ると思いますよ。