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『トロール・ハンター』
【感想】 ★★★ H24.8.26

 “本当に、本当にいる!”
 森に住む妖精、トロールの撮影に世界で初めて成功した“これは全世界を揺るがす衝撃的な記録映像である!”というキャッチコピーで話題となった『トロール・ハンター』を観る。ネットで偶然発見した予告編が素晴らしく、繰り返し何度も見てレンタルされる日をずっと待ってた。

 ノルウェーのある田舎町、最近熊の密猟が問題となり、取材にやってきた3人の大学生は、集まったハンター達にインタビューをしている。ハンター達は口々に素性のわからないハンスという男の名前を口にする。さっそくハンスを探し出し、密着取材を申し込むが、まったく相手にされない。しかし様子がおかしいと尚もハンスの監視を続けている学生たちの前で、深夜ひっそりと車で出かけていくハンスを発見する。急いで後を追いかけるが、ある森の入口の、「立ち入り禁止」の看板がつけられたゲートの前で見失ってしまう。諦めきれない学生達は、ゲートを開け森の中へと入っていく。そして森の奥に進んで行った学生たちの前に、突然木々の間から飛び出してきたハンスが叫ぶ。「トロ〜〜ル!!」

 惜しげもなく全身をさらす超巨大トロールの映像をはじめ、予告編が抜群に面白く、とっても期待していた。記録映画風にハンディーカメラ視点での撮影に、激しく揺れ動くアングルと、ドキュメンタリーを思わせる映像が、まあやらせと分かっていてもやはりいい。このドキュメンタリー風の作品というのは、ちょっとづつちょっとづつ出し惜しみしながら、なかなか正体を明かさずに引っ張っていく展開が多い中、本作はもう最初の遭遇シーンから、全開でトロールの姿を見せてくるという潔さがまたいい。改めていうのも恥ずかしいが、トロールのCGもそこそこ頑張っていて結構見せる。ただ深夜の森の中の不気味さとか、トロールに発見される恐怖演出とかが未熟なため、驚くほどリアリティを感じられないんだなあ。そういうリアリティを感じさせるためのドキュメンタリー風の設定なのにね(^^;)。トロールを前に逃げ惑う時だけ映像がグルグラ揺れるんだけど、それ以外はしっかりピントの合った冷静な映像で、登場人物たちも演技感丸出しだからねえ、しょうがない。ただ一人トロール・ハンターのハンス役の俳優さんはいい味を出してたけど。まあこの作品の魅力は、そこら辺のアマチュア的なところも愛すべきところで、つっこみどころ満載でニヤニヤしながら見るところにあるんだけどね。だいいちノルウェー政府がトロールの存在をずっと隠していたという設定自体が笑えるよね(^^)

そして最後にこれから見てみようと思ってる方に一言。私が絶賛したこの予告編を、事前に絶対見ないでほしい。なぜならこれだけ作品の見どころとなるシーンを出し尽くした予告編はないのだ!先に見ちゃうと面白さが激減します。ほんと、もうちょっと残しとこうよ(^^;)