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『世界最速のインディアン』
【感想】 ★★★★ H22.2.6
世界最速のインディアン 1962年、63歳という年齢で当時の1000cc以下のオートバイ陸上速度の世界記録を樹立した伝説のライダー、バート・マンローをモデルに描いた『世界最速のインディアン』を観る。以前からあまりメジャーではないけど、高い評価の作品だったのは知ってた。ただタイトルがそもそも世界で一番速いインディアン?だし、このジャケットの写真を見ても分かるように、どういう映画かさっぱりわからず、バイクが写ってたりするんで感じからあの「キャノンボール」みたいな映画だと思ってたので、まったく見向きもしなかった(笑)まさかアンソニー・ホプキンスは出てるけど、彼自身がバイクに乗るなんて、映画が始まるまでまったく知らなかった(^^;)

 ニュージーランドの小さな町インバーカーギルで、一人小屋のような家で目覚めたバート・マンロー(アンソニー・ホプキンス)は、ベッドから重い体を起こし、おもむろに改造を繰り返し作り上げた“インディアン”を外に運び出した。早朝にもかかわらずエンジン音を轟かせるバートには、あきらめきれない夢があった。それはスピードに魅せられた男達の聖地、アメリカのボンヌヴィル平原に行って、バイクの世界最速に挑むことだった。

 年寄りの無謀な夢と笑っていた人達が、子供のような目で熱く夢を語るバート・マンローのビュアなハートに触れ、次第に心を開き応援せずにはいられなくなる姿に、いつしか見ている自分も一緒に応援していた。実在のライダーであるバート・マンローが、世界記録を樹立したという爽快な実話をベースにしているとはいえ、登場する人物達がすべていい人という、あまりにも素敵なエピソードの連続に、脚色されすぎという違和感を感じるが、常に発信される“夢をあきらめるな”という応援メッセージが純粋に心地いい。アンソニー・ホプキンスもあの体でバイクはと思ったが、さすがの味のある演技で、愛さずにはいられない素敵でカッコイイじい様を軽快に演じていた。やっぱ上手いねえ。
やっとの想いでたどり着いたボンヌヴィル平原に立つバートの姿に涙し、凄まじいスピードで疾走するレースシーンに息詰まり、ラストは世界記録更新に爽やかな感動に包まれる。ジャケット写真に惑わされずに、ぜひ見て欲しいおすすめの作品なのだ(^^)

そして興味は実在のバート・モンローに移るんだけど、「バート・マンロー/スピードの神に恋した男」という本の表紙に、彼の写真が出てたんだけど、もうその笑顔だけで、この映画のように純粋に夢に向かって駆け抜けたカッコイイじい様だったんだろうと納得した。それぐらい最高の笑顔だった。詳しいところは読んでないんだけど、何が凄いって彼が68歳で叩き出した最高記録は今も破られていないっていうのが凄い!

それにしてもこのジャケット写真の上の方に写ってる男達は、映画を見た後じゃないとまったく意味が分からないだろうなあ(笑)