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『英国王のスピーチ』
【感想】 ★★★☆ H23.2.12
 第83回アカデミー賞の作品賞をはじめ主要4部門を受賞した『英国王のスピーチ』を観る。

 この作品、非常に期待していた。っていうか、見前から期待しすぎてしまった。始まってすぐに作品に引き込まれ、終始ひ弱な国王を応援している状態になり、最後の見事なスピーチを聞いて胸をなでおろす。まずそんな感想しか浮かばなかった。内気で弱気な国王が、ある意味一番大切なスピーチが吃音でうまく喋れなかったのが、あるセラピストの指導の下上手く喋れるようになる話。英国史上もっとも内気な英国王ジョージ6世の逸話と紹介されているんだけど、彼の詳細を調べてみると、実際に第二次世界大戦中のイギリス国民への誠実な姿勢と態度で、とても愛された国王だった。吃音だけに目を向けずに、かれが第二次大戦中に屹然とした態度で、イギリス国民を大いに勇気づけた事実。本編にはそういうシーンはないが、史実が実に魅力的で、国王の人となりを大いに語るこれらのエピソードをもっと入れてほしかったなあ。あくまでもセラピストと吃音克服に懸命に取り組む姿が人間臭く、それだけで愛すべき国王として描かれている。
この内気で弱気な国王の愛すべき人となりと、彼を支え続けた妻エリザベスとセラピストのレイオネルの友情。なかでもどこまでもおおらかに包み込む愛を見せる王妃は、実際にもとても愛された王妃だったようで、101歳で命を全うした時は国民が涙したそうである。

ただ観る前に思っていたスピーチが、心を揺さぶられるもののように思い込んでいたので、ただ上手に喋れたというだけでは感動が薄かった。またそのスピーチも国王は国民に向けて発したメッセージとも思えず、なにか違和感を感じてしまった。絶賛されている作品でもあるので、もう一度しっかり見てみよう・・・。