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『Mr.インクレディブル』
【感想】 ★★★★ H17.6.18

 第77回アカデミー賞長編アニメーション賞&音響編集賞の2部門に輝いた、ピクサーの6作目となる『Mr.インクレディブル』を観る。去年劇場で観て、DVDが出たら絶対買おうと思い、発売日に即ゲット。こんなに発売日が待ち遠しかったDVDも久し振りだった。

 市民の平和を守るために悪と闘い、大活躍をしていたヒーロMr.インクレディブルがある事件をきっかけに、法律でヒーローであることを禁じられ、一般の人たちと変わらぬ生活を家族たちとひっそりと送っていた。そんな彼の元に謎の女性からメッセージが届く。Mr.インクレディブルは世界の平和を守るために再びヒーロとして立ち上がる。

 Mr.インクレディブルにはかつて一緒にヒーローとして活躍していた妻ヘレンと、ヒーローとしての資質を受け継いだ二人の子供(赤ちゃんもいるんだけど訳あってちょっとおいといて)がいるんだけど、ヒーローであることや力を出し切れないことでみんなが悩みを抱えていて、家族の仲もギクシャク。そんな家族がパパのピンチにみんなが力を合わせてヒーローとして立ち上がる。ジャングルの中でやっと4人が揃い、決めポーズのシーンは感動だった。家族愛、まさしくそんなことを感じさせてくれる映画だった。
この家族にさらに魅力的なキャラクターが二人。親友の氷を操るヒーローのフロゾンに、スーパー・ヒーローのスーツを手掛けるカリスマ・デザイナーのエドナ・モード。まったく人の言うことを聞かずマイペースで話を進めるエドナのチョコチョコした動きもいいけど、特にフロゾンの動きだけで見せるお人よしさは見事。かなり美味しい役どころであり、声優がサミュエル・L・ジャクソンというのも渋い。
でも私が一番この映画で感じたことは、才能を開花させることの喜び。多分みんなが感じるだろう才能へのジレンマ。才能を発揮できずに悩み苦しみ、最後には才能そのものさえ疑ってしまう。世の中の誰もが自分の才能を爆発させたいと願ってる。出し切れなかった実力を徐々に発揮し、自信を持ち始めていく二人の子供たちの力強さがとても心地よかったのだ。


そして今回特筆すべきことは日本語吹き替えの声優さんたちの上手さ。だいたい私は、吹き替えに話題だけで有名俳優を起用することに否定的なんだけど、本作については別だった。Mr.インクレディブルの三浦友和も、最近は洋服の青山でしか観れない俳優さんになっちゃったけど、なかなかキャラクターにあってたと思う。それからなんといってもインクレディブル夫人の黒木瞳。なんという艶っぽい声なんでしょう。宮迫のシンドロームはそこそこかな(笑)
あと、もはやお約束となったピクサー作品のキャラクターが劇中チラッと現れるシーン探し。「ファインディング・ニモ」のサメのブルースや、「トイ・ストーリー」のウッディのシルエットがどこかで・・・。


とにかく何度観ても面白い。ある意味この作品を家で観れる事に感動なのだ。