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『大脱走』
【感想】 ★★★★☆ H18.6.10

大脱走 戦争映画の大傑作にして不朽の名作、『大脱走』を見る。『荒野の七人』のジョン・スタージェスが、3年を経て再びマックィーンやコバーン、ブロンソンを迎えて、さらに彼らを高みへと誘う。この超有名な映画はTVで何度か観てたはずなのに、かなり年月が経っていたためか、はたまた約3時間という完全版を初めて見たからなのか、最高に面白かった。

 第二次世界大戦下、とあるドイツ軍の捕虜収容所に続々と連合軍将兵たちが集められる。その捕虜収容所は何度も脱走を重ねた脱走のプロ達を一同に集めて監視するというためだけに新たに作られた、脱出不可能な特別な収容所だった。挨拶代わりに収容まもなく次々脱走を企てるが、ことごとく失敗に終わる。そんな厳重な監視態勢の中、連合軍将兵たちはなんと250名もの捕虜を同時に脱走させる仰天の計画を始める。

 まず流れてくるエルマー・バーンスタインのテーマ曲「大脱走のマーチ」に、でかでかと浮かび上がる"STEVE MCQUEEN”の真っ赤な文字、もうこれだけで胸が躍る。記憶があやふやだったせいか、脱走について成果よりも実行することが敵の後方を撹乱させることになり、それ自体が真の目的だということがわかり、目から鱗だった。だから彼らは捕まってもなお、下を向くことなく、誇りと不屈の魂を持ち続けられることができたんだね。また、驚きはこれが実話だということ。
あと前観た時のイメージだと、マックィーンがまるで一人別の映画に出ているような単独行動ぶりに違和感を覚えたんだけど、完全版で一緒にミッションをこなしてるシーンが増えていたのか、そこら辺りがずいぶん解消された。ただ一人図抜けて颯爽としており、別の意味で浮いていたけど(笑)まあ〜とにかくカッコイイ!あのバイクで国境の柵をジャンプしたシーンは、映画史上に残る名シーンだよねえ。また、バイクが余程好きらしく、追いかけるドイツ兵のスタントまでも自らやってたらしい。これもマックィーンらしいエピソードです。

今なお映画の中で生き生きと躍動するマックィーンの一挙手一投足に、ただただ魅了される私^^。ガーナーの熱演にブロンソンの男臭さ、コバーンの飄々とした姿。『荒野の七人』同様、この個性的な俳優達を見事に生かしきったジョン・スタージェス監督の手腕が光る。んん〜、劇場で観たかった・・・。
そして、ラストで新しい所長に見せるマックィーンの不敵な笑みに、今それぞれ自分がやれることに、全力で立ち向かう男達の姿が、全編にわたって澄み渡る青空のように眩しい。約3時間という長さをまったく感じさせず、最後まで飽きさせずに楽しませてくれる最高の作品なのだ。

最後に私は通常版のDVDを買ったんだけど、特典が予告編しかなく、メイキング等がまったく入ってないのにがっかり。初回限定のアルティメット・エディションを買っとけばよかった・・・ッグス。メーカーさん、こんな意地悪な販売の仕方、もう止めてくんないかな!