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『幸せのポートレート』
【感想】 ★★☆ H19.4.8

幸せのポートレート 全米で「ラブ・アクチュアリー」を超える大ヒット!っていうキャッチ・コピーと、まあ久しぶりにラブコメディもいいかなっていうことで『幸せのポートレート』を観る。ジャケットに写るサラ・ジェシカ・パーカーを見て、彼女を一度も見たことがないこともありかなり不安になったが、彼女の主演するTVドラマシリーズ「セックス・アンド・ザ・シティ」が、世の女性達の絶大な支持を得ているというので、動き出すときっと魅力的な女性だろうと気を取り直す。おまけに私の大好きなダイアン・キートンが出演してるんだから、面白いに決まってると確信する。

 クリスマスを実家で過ごすために帰ってくる子供たちを待ちわびる母シビル(ダイアン・キートン)。まず最初に現れたのは三男のサッドと彼のゲイのパートナーのパトリック。聴覚障害をもつサッドを手話で優しく迎えるシビルと父ベン(クレイグ・T・ネルソン)。やがて次女のエイミー(レイチェル・マクアダムス)と長女のスザンナも帰ってくると、シビルを交えて話題はいつしか長男のエヴェレット(ダーモット・マルロニー)が連れてくるという彼女メレディス(サラ・ジェシカ・パーカー)の話で盛り上がる。最後にやってきた次男のベン(ルーク・ウィルソン)を含め、個性的なストーン家の面々に、なんとか溶け込もうとするメレディスだったが、焦れば焦るほど家族との距離は広がるばかりで、次第に一人孤立していってしまう・・・。

 母親のシビルを中心に、個性的な兄弟たちが和気あいあいと集うシーンの、あまりにもナチュラルな空気が心地いい。メイキングでみる笑いが耐えない撮影風景が、出演者の仲のよさを伺わせる。そしてその空気を一瞬で凍りつかせるサラ・ジェシカ・パーカーの気まずさと違和感が、最後まで好きになれなかった顔立ちと併せて抜群に効いてて、前半はクスクス笑いの連続だった。そこから物語りは、お互いに心を開きあって、メレディスはストーン家の一員となっていくという展開を予想してしまったが、後半はちょっと意外な方向へと向かっていく。この展開が良かったのか悪かったのか、ええ〜それでいいの〜っていう若干の後味の悪さと、誰が主役なのか分からないことで、テーマ自体も分かりにくいものになっていったように思う。

家族のように偏見もなく、お互いがありのままに向き合うことによって生まれる信頼と優しさ、そして愛情。そして、幸せとは自分を正直に出させてくれる相手に出会うこと。メイキングで製作のマイケル・ロンドンが語る「少しだけでも自分という人間を発見できたら、あれこれ悩む無駄な時間が必要なくなるだろう」には、私はいままで途方もない無駄な時間を費やしてきたものだと、おもわず苦笑いである^^;

最後に集う家族のシーンは、エイミーの指に光るシビルの指輪など、見るものに温かい幸せ感を与えてくれるけど、ど〜も納得いかない感も残り、その幸せ感を半減しているのだ。大体これだけ個性的な子供たちを育ててきた母シビルの寛容さが、なんでメレディスを受け入れられなかったのか。また、シビルの病についても、物語上別になくてもいい設定であり、無理に盛り上げようとするあざとい演出を感じる。まあそれでもダイアン・キートンの見事な演技に涙してしまったけど^^;
後からいろいろ不満な点が出てくるけど、最大のマイナスポイントは、クリスマス映画を今このぽかぽかと春の日差しが差し込む部屋で、のんきに観てるってことかも(笑)