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『ディセント』
【感想】 ★★★ H25.8.17
 2005年イギリスで公開されるや、ヨーロッパを始めたちまち全世界を震撼させ(たらしい・・・)、英国インディペンデント映画賞最優秀監督賞なる賞まで受賞したという作品『ディセント』を、ひかりTVで観る。凄い評判の割には全然知らないタイトルだったので、つまらなかったら早送りの刑にしようと思い、事前にネットであらすじなんかを確認する。内容から面白そうだけど、まあバリバリのB級作品だなあ、なんてあんまり期待しないで観たのが良かった。っていうか、あらすじを知らなかったら、度肝を抜かれてたね(^^;)

 新たな冒険を求めて集まった探検大好きの6人の女たち。今年はアパラチア山脈奥地の、ある巨大洞窟の探検を計画する。リーダーのジュノを始め久しぶりに再会した6人は、待ち受けるスリルに、興奮を抑えきれずコテージで大いに盛り上がる。そんなグループの中に、自動車事故で夫と娘を亡くし、未だ立ち直れずにいたサラもいた。次の朝、森の奥深く、地面に大きく開いた穴からロープを伝い降りていく6人。しかし楽しい洞窟探検は、通り抜けてきた穴の落盤により閉じ込められてしまい、出口を求めて暗く深い洞窟の奥へと進む、本物のサバイバルへと変わってしまう・・・。

 洞窟へ閉じ込められて、出口が果たして見つかるのか、彼女たちは無事脱出できるのかという、息詰まるサスペンスフルな展開が思いのほかしっかりしてて、B級だと思って甘く見てしまったと、思わず感心してしまう。なんて思ったのもつかの間、中盤からとんでもない急展開が待ち受ける。予告編にも出てるのでネタバレしてしまうけど、なんとその洞窟の中には凶暴な地底人が棲みついていて、彼女たちはこの地底人から逃げながら脱出口を探さないといけないという展開になる。その地底人のいきなりの噛みつきに、肉を食いちぎる様はもはやゾンビそのもので、血しぶきが飛び交う肉弾戦は、洞窟脱出劇の面影はなく、バリバリスプラッターのホラー映画へとその姿を変える。特に血の海の中で戦士へと覚醒する主人公のサラの変貌ぶりは、誰もが「どんな映画やねん!」と突っ込みを入れてしまうだろう。極限状態の中で、果てしなく繰り広げられる地底人との戦いと、次第に崩壊していく女たちの友情の果てに、観る者を包んでいく絶望感と、洞窟の暗く狭い閉塞感は、いついしか周りの空気が薄くなったような息苦しさで、見続けることをも辛くさせる。私は途中耐えられなくなり、いっそこのままビデオを早送りして最後をもう見てしまおうという衝動に駆られてしまった。まあそこは何とか耐え、最後までしっかりと見たが、エスカレートする地底人との凄まじい戦いに、いつしか女同士の戦いも加わり、観終ったあとは不快指数100%のラストオチのストレスも加わり、疲労感と脱力感にもうぐったり。はい、参りました(^^;)
 かなりいろんな解釈ができるラストだったけど、この作品続編があり、その辺を解明されたい方は「ディセント2」の観賞をお勧めします。私はしばらくはいいかな・・・。